
AI英会話アプリで英検1級の2次試験対策をしています
ELSA Speakは発音学習用のスマホアプリです。AIの力を借りて、独学者でも発音学習を効率よくすることが出来ます。私は1年半ほど毎日20分ぐらい使っていますが、かなりおススメです。いままでの学習経過を細かくレビューしています。
このアプリに最近、AI相手に英会話の学習をする機能が搭載されました。こちらも私は使っているのですが、かなり良いです。現在私は英検1級の一次試験を終えて結果待ちの状態ですが、2次試験に向けて英会話の練習の比重を増やしています(英検1級は2年前に合格して、今回は2回目の受験)。
前回英検1級を受けた時は、2次試験対策としてオンライン英会話を活用しました。英会話の学習をそれまでまともにやっていなかったので、初めはかなり苦労しました。主にフィリピン人の先生と毎日25分のレッスンを9か月続けて、本番になんとか間に合わせました。
当時オンライン英会話でやっていたことと、現在AI英会話で出来る事にそれほど大きな違いは無いと感じています。会話の相手が人間なのかAIなのか、もちろんそれは大きな違いです。ただ、英会話の初中級者にとって重要なのは、「簡単な言い回しを繰り返し練習して経験を積む事」です。そして、基礎的な会話がある程度自由に出来るようになれば、英検1級の2次試験に合格出来るはずです。
つまり、「シンプルな英語でしっかり意思疎通出来るか」がポイントだと思います。このレベルの英会話の学習をする場合、AIの先生を相手にした方が良いと感じる点も多いです。ELSA AI(ELSA SpeakのAI英会話機能)について詳しくレビューもしていますので、よろしければそちらもご覧ください。
ELSA PremiumならばAI英会話が無制限になるけれど
ELSA SpeakにAI英会話機能が追加されて、3か月ほどが経過しました。当初はアーリーアクセス版という事で、無制限に使えました。しかし最近、正式リリースとなって新しい有料プランが発表されました。それがELSA Premiumです。詳しくは本家のx(旧ツイッター)をご覧ください。
現在、有料プランは「ELSA Speak Pro」と「Premium」の2種類が存在する形になっています。今後、もしかしたらProの方は無くなるのかもしれませんが、公式には発表がまだありません。
「Premium」の特徴を短くまとめると、
「Premium」は料金がちょっとだけ高い
「Premium」には買い切りのプランが無い(年間プランが最長)
「Premium」ではSpeach Analyzerが使える
「Premium」ではELSA AI(AI英会話)が無制限(Proと無料プランは1日3回まで)
という感じです。ちなみに、無料プランと「Pro」の違いはAI英会話には関係が無く、発音学習の機能にのみ関係しています。発音学習をしっかりやりたい場合は、基本的に有料の「Pro」に入る必要があります。
今回私は、試しに「Premium」の3か月プランに入ってみたので、現状での感想を述べたいと思います。
AI英会話目的ならば、初中級者は無料かProで十分かもしれない
「Premium」プランに関して個人的に一番気になっていた部分が、「ELSA AIが無制限に使える」という部分です。「Premium」に入らないで「Pro」もしくは「無料」のままだと、AI英会話の利用は一日3回までの制限が付きます。この3回というのが実際の会話量としてどの程度のものになるのか、気になっていました。
結論から先に述べると、
よっぽど英会話の勉強に比重を置いていない限り、一日3回で十分かも
という印象です。上でも書きましたが、私は現在「ELSA AI」を英検1級の2次試験対策に使っています。具体的に言うと、フリーシナリオというモードで2次試験のお題を入力して、そのお題に沿ってAIと英会話をしています。
その場合、一回の会話が10分ぐらいになります。10分ぐらい話をしていると、AIの方で会話を切り上げようとしてきます。この切り上げ方の基準があいまいで、10分で強制的に終わりになってしまう時もあるのですが、こちらが会話を引き延ばそうとすると、20分以上AIが付き合ってくれる時もあります(切り上げたいけど、渋々付き合う感じがあってちょっと面白い)。
ということで、1日3回の制限があったとしても、少なくとも10分×3回=30分は英会話の練習が出来るわけです。そして、引き延ばそうとすれば1時間ぐらいまでは行ける可能性が高いです。そして1時間も英会話をすると、カロリーの消費が半端なくてかなり疲れます。
ちなみに、以前オンライン英会話をやっていた時も、ネイティブキャンプは回数無制限で使えました。ただ、25分の授業を頑張って2コマ取ると(計50分)、私はくたびれ果てていました。ということで、英会話の練習は、そもそもそんなに長時間やれるものでは無いと思います(個人差はもちろんあると思いますが)。
今回の「Premium」プランでは、追加機能として「Speach Analyzer」というものが使えます。これは英会話の分析ツールのようなもので、自分が話した内容をAIが分析してくれて、客観的な情報を得る事が出来ます。ELSA AIでも会話の後にレビューが貰えますが、その内容がより詳しくなるような印象です。しかしこれも、まともに使うとなるとかなり時間と体力を消費します。
私の印象ですと、ケンブリッジ英検とかIELTS(アイエルツ)の高難易度を目指す、超上級者が有効活用できるツールのように感じました。もしくは、仕事や海外の学校で本格的な英語プレゼンの準備をしている方が使うと良さそうです。
私は「Speach Analyzer」を数回しか使っていません。ですので、その機能をしっかりとは理解出来ていないと思います。ただ、英会話の初中級者にとっては「Speach Analyzer」ではなく、まずは「ELSA AI」を毎日こなす方が効果的、かつ現実的だろうと感じました。
AI英会話の料金設定は試行錯誤が続くと思われる
ELSA SpeakでAI英会話の機能を使うだけならば、無料プランと「Pro」の違いはありません。無料でも1日3回までの利用が出来ます。そして、上に書いた通り、英会話の練習はかなり疲れるので、無制限と言われても簡単に量を増やせるものでは無いと思います。加えて、英会話の勉強には、例文暗唱のようなインプットの勉強も非常に大切です。
例えば私の場合、英会話学習の一環として、「英語のハノン」というパターンプラクティスの練習をしています。
ELSAで発音学習もしていますし、暗記カードを作って例文暗唱のタイピングもやっています。そうすると、AIと英会話の練習をする時間もおのずと限られて行きます。今のところ、30分ぐらいを毎日やればちょうど良いのではないか、と感じています。それと、声を出し過ぎると喉を傷めてしまいそう、という心配もあります(個人的に喉を傷めやすいので)。
ということで、「Premium」は初中級者にはオーバースペックかもしれない、と感じています。アプリでの発音学習はかなりおススメですので、ELSAの有料プランに入る価値はあります。ただ、AI英会話だけが目的ならば、無料プランで用が足りてしまう人が多いはずです。
AI英会話アプリの料金設定は、開発会社にとって悩ましい部分だと思います。アプリの心臓部分であるChatGPT自体は、無料もしくはかなり低額で使えます。そこに付加価値を加えたとしても、高額な料金プランを設定するのは難しいかもしれません。今回の「Premium」も試行錯誤の中から生まれたプランだと思いますが、今後まだ色々と変化がありそうな気がします。