英会話のためのインプットは、座学でやった方が効率が良い
私はこれまでに、いくつかのオンライン英会話サービスを使ってきました。そこでは主に、デイリーニュースという、時事問題や世界のニュースについて、先生とディスカッションをする教材を使ってきました。そもそも私がオンライン英会話を始めたのは、英検1級の2次試験対策(スピーキングの試験対策)のためです。デイリーニュースのトピックは、2次試験の試験範囲と重なることが多いので、試験対策に非常に適していると思います。
ただし、デイリーニュースを毎日やっていれば、2次試験対策として万全になるかというと、そうでもないと思います。なぜなら、スピーキングのためのインプット作業は、座学でやった方がはるかに効率が良いからです。確かにオンライン英会話でも、新しい単語や言い回しに出会うことはできますが、それを頭に定着させるためには、別の作業が必要です(暗唱など)。あくまでもオンライン英会話は、学んだこと(インプットしたこと)をアウトプットする練習の場として、利用することが望ましいと思います。
具体的なインプットの方法については、以前に書いたので、よろしければそちらをご覧ください。
ということで、私はオンライン英会話に臨む前に、毎回個別に予習をする必要は無いと思っています。同様に復習もそこまで重点的にやる必要はなくて、特に気になったり、使いたい言葉が見つかった時にメモをして、それらは以降の英会話の授業で積極的に使うようにしています(定着させるには時間はかかる)。そのようなやり方でも、じわじわと前に進んでいる感覚はあるので、方法としてはあまり間違ってないハズです。
とはいえ、予習や復習をしっかりやれば、それ相応のメリットもあります。使っている教材によっては、私も、予習や復習が特に必要だと感じるときがあります。その結果、授業が充実したり、先生との話が弾んだりするケースも結構ありました。ですので今回は、私の予習復習のやり方を、実際のケースを例として挙げながらご紹介をしたいと思います。
事前に教材をさらっと見ておくのは、かなりおススメ
デイリーニュースを教材として選んだ場合、おおまかな授業の流れとしては以下のようになります。
- 記事に出てくる重要単語を発音し、その単語を含む例文を読む
- 記事の本文を読む
- 記事の本文について先生から質問を受けて、それに答える(内容の理解の確認)
- 記事の内容に関して、先生とディスカッションする
(使っているオンライン英会話サービスによって、多少の違いはある)
単語は見ておいた方が良い(たいして時間はかからないので)
1に出てくる重要単語は、軽く確認しておくのがおススメです。私の場合、たまに発音に自信が持てない単語があり、それを事前に調べておくと授業がスムーズに進みます。もちろん、間違えて発音した場合は先生が訂正してくれるのですが、ちょっと調べておくだけで時間の節約になるので、ここは自力でやったほうが効率が良いです。
時間があれば本文もさらっと見ておく(やや時間がかかる)
2の本文に関してですが、時間がある場合はこちらも見ておいた方が良いです。選んだニュースの難易度にもよるのですが、時々、意味が取りにくい文章や単語に出くわす時があります。意味が分からないまま授業が進むと、先生の質問にうまく答えられなかったりして、授業の流れが悪くなります。ですので、事前に意味を調べておくと、これも時間の節約になります。また、文法的に理解できなかった部分があった場合も、授業の前に調べておくと、プラスアルファの勉強になると思います。
意味が取りにくい部分の調べ方としては、DeepL翻訳を使うのがおススメです。分からない文章の部分をコピーしてDeepL翻訳に張り付ければ、簡単に日本語訳を取得できます。文法的に分からない部分も、とりあえず日本語訳にしてしまえば、原因の究明がしやすくなります。
本文に関して分からないことがあった場合、もちろん先生に質問することは可能です。ただその場合、英語で英文の内容について質問をすることになります。この過程自体が結構難易度が高いので、授業が非効率になりがちです。文法的な質問を英語でするのは、さらに難易度が高くなるので、ここも自力でやっておくのがおススメです。
予習のための時間がある場合、もしくはその教材になじみがない場合
余裕があれば、予習に時間をかけるのもアリ
もし授業の前に十分な予習の時間があるならば、先生がするであろう、本文に対する質問の答えも、準備しておくとよいと思います。質問に対する瞬発力を鍛えたい場合は別として、答えを迷わず言えるようにしておいた方が、授業がスムーズに進むのでおススメです。
また、選んだ教材によっては、あまりなじみのないような話題、ニュースを扱うケースが出てくると思います。また、あえて知らない分野のニュースを選んで、知識の幅を広げたい場合もあるでしょう。その場合は、事前にしっかりと本文を読み込んで、予備知識を多少得ておいた方が、充実した授業内容になりやすいです。
例として、私が結構予習に時間をかけた教材(ニュース)をご紹介します。
タイトルは「13-year-old Minnesota youth set to graduate from college」(ミネソタ州の13歳の少年が大学を卒業することが決定)というものです。
オンライン英会話のデイリーニュースでは、基本的に長いニュースから抜粋した、短い文章を教材にしています。ですので、教材だけでは情報が不足しているケースがあります。私はこの教材の内容をさらっと見たあと、疑問点や知りたいことが多かったので、予習に時間をかけることにしました。
そのような場合、ニュースのタイトルをネットで検索をすると、教材の元になっている長文のニュースを簡単に見つけることが出来ます。それらを読んだ結果、なぜこの少年が奨学金を得られなかったのか、とか、その後、クラウドファンディングでお金が集まったのかどうか、などの情報を得ることが出来ました。アメリカでは奨学金制度が充実しているのですが、どうやらこの少年は、奨学金を申請するにしても、あまりに若すぎたようです。
いろいろと調べたので、先生とのディスカッションの時に、結構細かいことを話すことが出来ました。また、ネイティブ向けのニュース記事を読むことは、単純にリーディングの勉強になると思います。
復習は、単語と表現のチェックを少しだけ
サービスによっては、授業中の音声を聞き返すことも出来たりします。ですが、それをやっていると、他の勉強をする時間がなくなってしまいます。ですので、私の場合、復習は最低限に留めています。内容としては、
授業で出てきた単語で、自分が忘れていたり、覚えるべきと思ったもの
先生が使っていて、マネをしたいと思った表現(簡単な物だけ)
言いたかったけど、うまく言えなかった表現(今後、本当に使いそうな物だけ)
上記についてネットで調べたのち、エクセルでリスト化しています。これぐらいならば作業として、さほど時間はかかりません。リスト化したものはたまに見返して、日々の英会話でなるべく使うようにしています。ただ、どうしても覚えられないもの、絶対に覚えたいものだけは、単語カードを作って暗記をしています(暗記はもちろん時間がかかる)。
授業は25分しかないので、話す練習に重点を置くべき
先にも述べましたが、オンライン英会話はあくまでも、アウトプットの練習の場として利用するのが、学習効率の良い使い方だと思います。もちろん予習復習をしっかりすれば、メリットはたくさんあります。ただ、インプットの勉強は、オンライン英会話とは切り離してやった方が効率が良いです。別の言い方をすれば、他の場所でやったインプットの、成果を発表する場として、25分のオンライン英会話がある、という感じです。
英会話を日々の学習に取り入れることで、効率よく英語力を伸ばすことが出来ると思います。ただ、例えばTOEICや英検を目標に勉強をしているならば、オンライン英会話の個別の授業に、たくさんの時間は割けないと思います。ですので、スピーキングに特に重点を置いている場合以外は、さらっと予習・復習するぐらいがおススメです。