2023年に「TOEIC パート6特急 新形式ドリル(2017年発行)」をやってみたレビュー

パート6専門の問題集はかなり珍しい

最近、TOEICの問題集である「特急シリーズ」をたくさんやっています。前回は「読解特急1駅1題と2」をレビューしました。

特急シリーズではたくさんの本が出ていて、そのどれも質が高い印象があります。ただ、上記のレビューでも触れているのですが、割と計画性が無く本が出版されている感じがします。ですので、学習者はどの本を選んだらよいのか、迷ってしまう事がありそうです(特に難易度が分かりにくい)。

ですので、詳細なレビューがあれば、購入を検討されているの方の参考になるはずです。今後も特急シリーズの中から、アマゾンなどで評判の良い本を適当に選んで、レビューをしていこうかと思っています。

というわけで、今回選んだ「TOEIC パート6特急 新形式ドリル」も、たまたま目に入ったので買ってみた、ぐらいの選び方をしました。ですが、やってみた結果、かなり良い本だと思いました。先に結論を短くまとめると、

TOEICパート6を専門に扱っている珍しい問題集。問題の難易度はやや高めで、質が高く、解説もかなり丁寧で分かりやすい。ただ、書籍のサイズが小さくて、答え合わせがやりにくい点だけが残念。

と言う感じになりました。

他の問題集だと、パート5と6のセットになっている事が多いので、結構珍しい形式の本です。本のサイズが小さい「特急シリーズ」ならではの展開と言えると思います。ただこれは、上にあげたデメリットにもつながっています(ページをたくさんめくる必要がある)。

本の帯に「パート6は地味。だから、差が付く!」というコピーがあります。確かに、パート6は地味かもしれません。ただ、パート5と7には無い難しさがあると私は感じています。受験者を悩ませる問題がよく出ますし、うっかりミスも発生しやすい場所です。ですので、パート6のみを扱ったこの本は、結構貴重な存在だと思いました。

ちなみにこの本は、特急シリーズでよくある旧形式時代の本の改訂版ではなく、最初から新形式を見据えて作られています。ですので、内容的にやや新しいと言えると思います(2017年発行ではあるが)。

結構難易度が高かった(ミスが多かった)

文法的に少し踏み込んだ理解が要求される

この本には全部で120問の問題が含まれています。具体的には30個の文書に対して、設問が各々4個あり、30×4=120問という形です。本番のTOEICのpart6では「4個の文書×4設問=16問」が毎回出題されます。ですので、この本で本番8~9回分のpart6の練習が出来ます。

私の正解率ですが、

120問中 7ミス 正解率 94.2%

となりました。

全体的に、本番の試験と比べてやや難しい印象でした。ただ、理不尽な問題等はなくて、すべてが本番で出てきそうな良い問題だったと思います。

難しさについて具体的に言うと、文法的に少し踏み込んだ理解が要求されている印象でした。例えば私は前置詞の問題でミスをしたのですが、それはややマイナーな慣用表現に関係していました。一見簡単そうに見えるのですが、atやinやonのような前置詞の「ちょっと知られていない使い方」が問われていて、それを私が知らなかったという事です。

これは、私が本番のpart6でミスをする時と非常に似ています。「これはin、それともonかな?」と最後まで迷ってしまい、試験後にスマホで調べてがっかりするパータンです。この感じを何度かこの本で経験出来たので、やり終えた後の満足度が高かったです。

ということで、現在900点以上の方にもおすすめ出来ます。一方で、初中級者の方は、かなり手ごわいと感じるかもしれません。簡単な問題をたくさんこなして後で、その仕上げに使うのが良いかもしれません。解説が非常に詳しいので、繰り返し解く用途にも向いていると思います。

本のサイズが、そもそも文章問題にあまり適していない

ただ、冒頭でも触れましたが、特急シリーズは本のサイズが小さいために、文章問題とあまり相性が良くありません。私は「読解特急シリーズ」も並行してやっているのですが、長文問題(複数パッセージ問題)になると、一つの問題で5ページぐらいめくる必要があります。

さらに、答えと解説を見る時には、問題と解説を行ったり来たりする必要があり、その時も複数のページをめくらなければなりません。恐らく「電車通勤などでも勉強できるように」というコンセプトもあって、この本のサイズだと思うので、ここはメリットとデメリットが両方出る部分だと思います。

この本が扱うパート6の問題は、短めの文章のみで構成されていますが、それでもちょっと見づらかったです。特に私は座学しかしないので、この本のサイズにデメリットを感じてしまいました。ただ、そこまで大きな問題では無いと思います(本の内容が良いというメリットが勝っている)

適当に選んだ一冊だったが、満足度が高くて良い出会いになった

特急シリーズを手当たり次第にやる、という事にした結果、この本に出合えて良かったです。なじみの無い著者の方の本には、なかなか手が出しずらいものです。ですが今回、この本の内容がかなりよかったので、この本の著者である大里秀介先生の他の本も、やってみたいと思いました。

調べたところ、結構たくさんの本を出版されているようなので、いくつか試して今後レビューをしたいと思います。