「出る模試リーディング・リスニング700問」はおススメ出来る人が結構限られる

韓国模試の翻訳版だが、翻訳内容は最小限で解説も無い

今回、「TOEIC L&Rテスト でる模試 リスニング700問」と「TOEIC L&Rテスト でる模試 リーディング700問」を約3年ぶりにやりました。例によって、問題の内容はほとんど覚えていなかったので、新鮮な気持ちでやることができました。

この模試は韓国で発売された物に、少し手が加えられて、さらに日本語訳が付いたものとなっております。それぞれ700問収録されていて、2400円ですのでコスパはかなり良いです。ただ、日本語訳は本当に最小限で、問題の詳しい解説も無いので注意が必要です。

最低限の翻訳とは、具体的にどの程度なのか

リスニング 700問」の翻訳について

選択肢と音声の日本語訳、そして、ほんの少しだけ重要単語が記載されています。リスニングの正しい答えに関連する英文に、下線が引かれているので、一応正解の根拠を確かめる事は出来ます。ただ、その根拠について、文章による説明は全くありません。ただ、リスニングに関しては、それでもあまり不便は感じませんでした。

リーディング 700問」の翻訳について

こちらも選択肢と問題文の日本語訳、そして重要単語が少し記載されているのみです。リーディング問題に関しては、解説が無いと正解の根拠が非常にわかりにくいケースがあります。

part5では、文法知識がかなり無いと、なんで間違えたのか、もしくは正解の根拠が全く分からない、という事態に陥る可能性があります。

part6と7に関しては、正解の根拠の解説は無いのですが、答えに関連する部分の日本語訳に、下線が引かれています。ただ、それ以上の説明が無いので、疑問が残る答えがあったとしても、それ以上深く知ることは出来ません。

と言う感じで、韓国語を単純に日本語に翻訳しただけ、という印象の模試です。個人的に、リスニングに関してはほとんど不便は感じませんでした。ただ、リーディングストレスや不便を感じる人が多いと思います。私も、3年前にやったときには「だいぶ不親切な模試」という印象でした。ただ、現在はリーディングパートの学習が進んでいるので、自分の知識でフォローできる部分が多かったです。

というわけで、この模試をおススメ出来るひとはかなり限られる印象です。基本的には、「問題を低価格で、たくさんこなしたい人」が手に取る模試だと思います。

その場合、「リスニング700問」の方は、一応、中級者以上の方にもおススメ出来ます(解説が無いので割り切りは必要)。一方で、「リーディング700問」の方は、上級者もしくは900点後半を目指しているぐらいの人にしか、おススメできない印象です。

具体的に言うと、例えばpart5で、whoeverとanyoneが選択肢にある時に、この二つが出た時点で答えが想像できるぐらいのレベルが必要かと思います。この問題は私も頭に入るまで、かなり時間がかかりましたが、簡単に言うと

whoeverはanyone whoに書き換える事ができる

whoの後は動詞になる(形容詞で後置修飾できない)。

よって、問題文空欄の後に過去分詞が続く場合、whoeverは使えない。

その場合、解答はanyone(後置修飾が可能)になる。

これと類似する問題がこの模試にも含まれているのですが、ここら辺の解説は全くありません。ですので、part5が苦手な方は、この模試をやるとかなり不便に感じて、ストレスも溜まるはずです。ネットや文法書で、正解の根拠を自力で探す必要があります。それはそれで勉強にはなりますが、勉強の効率がかなり悪くなります。

問題の質は悪くないので、数をこなしたい場合はおススメ出来る

ここで、この模試の私の正答率をご紹介します。リスニングとリーディングで、それぞれ700問あるので、それをまとめて表記しています。

リスニングリーディング
9797
9497
9895
9795
9995
9997
9699

リスニングの平均が97.1点で、リーディングの平均が96.4点でした。最近私がレビューした、精選模試【総合】の平均と結構近くなりました。「精選模試【総合】」もかなり難しい部類の模試ですので、この模試の難易度が高い事が分かります。ちなみに、TOEIC模試のレビューは、以下にまとめております。

問題の内容はTOEIC本番に準拠している(変な問題もそれほど無い)

この模試に関して、解説が無いデメリットについてだいぶ書きましたが、問題の質自体は悪くありません。リスニングはTOEIC本番と、内容にそこまで差は無いと思います。発音に少し癖の強い女性がいるのと、慣用表現がやや多めに含まれていることで、難易度が高くなっている印象です。

リーディングに関しては、単語レベルはやや高いぐらいですが、それよりも問題文の長さが凄いです。part5の問題文も本番よりだいぶ長いです。part7は、小さな文字でびっしりと書かれたものを読む問題があります。ですので、TOEIC本番で時間が足りない方は、この模試をやる時に、時間を特に気にせずに解いた方が良いかもしれません。

上級者の方でも、時間が足りなくなる可能性があると思います。逆に言うと、この模試を時間内に解くことが出来れば、本番で10分近くは時間が余る様になると思います。そのような訓練が出来る、というメリットはあると思います。

韓国語の模試を試す前に、こっちをやってみると良いかも

私は、韓国語で書かれた模試もやったことがあるのですが、そちらは相当割り切ってやる必要があります。

よっぽどコスパよく、数をこなしたい上級者にしか、韓国語オンリーの模試はおススメできません。ですが、今回の「出る模試 700問」は一応は翻訳がされていますし、問題の質も良いです。特にリスニングの方は解いていて、不便を感じることほとんどありませんでした。ですので、韓国語の模試を試したい、と思っている方は、まずはこちらを試してみるのも良いかと思います。