英検1級に合格しても、TOEICのリスニングは完全には聞き取れていない(対処法あり)

リスニングで100%聞き取れることは滅多に無い(特に私の場合)

リスニング満点を初めて取ったときは、95%ぐらいしか聞けてなかった

現在私は、TOEICの満点を目指して勉強をしています。リスニングに関して言うと、公式問題集ならば、平均して97%ぐらいの点数を取れています。直近だと、公式問題集の4と8をやって、初回でそれぐらいの点数でした。以下の記事で詳細な情報を載せています。

現在私は英語学習8年目ですが、学習5年目にTOEICで980点を取った時に、リスニングは満点でした。ただ、その時点で、リスニングの音声が、完全には聞き取れていませんでした。感覚としては95%ぐらい聞き取れている感じです。5%の聞き逃した部分を推測して補いつつ、答えを選んでいました。模試をたくさん解く過程で、そのような解き方が身に付きました。

そもそも、TOEICのリスニングは、選択肢を消去法で選びやすいです。多少聞き取れない部分があったとしても、問題と選択肢をしっかり読めば、正解を選ぶことが出来ます。ただ、もっと上級者になれば、聞き取れない部分が減っていくだろう、と当時は想像をしていました。

英検1級合格後、学習8年目でも完全には聞き取れていない

英検1級に合格するまで、3年ほどTOEICから離れていました。そして現在、再びTOEICに取り組んでいます。英検1級対策として、リスニングの勉強も続けていたので、聞き取る能力は以前より向上しているハズです。しかし、TOEICの公式問題集や模試をやっていて、発音の訛りや音の消失、連結(リエゾン)のせいで、何を言っているのか分からなかった、という部分が未だに結構あります

最近やった模試で、聞き取れなった例を紹介しますと、

Will you be here long? (あなたはここに長く滞在をしますか?)

この文の末尾の「long」が、オーストラリア人女性の発音で「ロン」と聞こえて(Gの音が消失)、人名かと思ってしまいました。つまり、

Will you be here Lon?(ロンさん、あなたも来るんですか?)

と思い込んで、これが答えに直結する部分だったために、ミスにつながってしまいました。

他にも、

I only bought it a week ago.(一週間前にそれを買ったばかりです

この文の冒頭の「I only」が「イオリ」と聞こえて、

Iori bought it a week ago. (イオリが一週間前にそれを買いました) 

いきなりイオリという人名が出てきて、誰だよお前、という感じになりました。幸いこれは上手くスルー出来たので、間違いにはつながりませんでした。

一つの模試を解いている間に、少なくとも5か所以上、このような聞き取れない部分に出会います。それをエラーとして単純にスルー出来れば、その後、推測を働かせて、正解を選べる可能性が高いです。問題なのは、エラーを違う単語として認識した場合です。それが不正解に繋がりやすいので、注意が必要です。これに対処するには、さらに高い推測能力が必要になるだろうと思っています。

ということで、恐らく、ネイティブではない日本人学習者の場合、100%聞き取れる方が珍しいのではないか、と私は現在思っています。むしろ、リスニングの上級者の方は、聞き取れなかった部分を、推測で補う能力が著しく高いのだと思います。

実際、日本語だけで考えても、お年寄りがモゴモゴしゃべっている内容を、上手に聞き取る人がいます。その人たちは、お年寄りの言葉が詳細に聞こえているわけではなく、状況を把握したり、過去の経験を生かして、お年寄りの言葉を頭の中で再構成しているハズです。

リスニングのために、音の推測能力を効率良く鍛えるには

まずは、TOEICのリスニング問題をたくさん解くのがオススメ

私は間違って聞くことが多いので、あまり偉そうなことは言えません。ただ、推測能力は鍛える事が出来るし、それがリスニング能力の向上につながると確信しています。推測能力を鍛えるために、TOEICの問題を解きまくって経験を積むことは、王道の方法だと思います。出題形式に慣れることが出来ますし、選択肢を消去法で選ぶような解き方が身に付くので、点数に直結すると思います。ですので、ありきたりですが、まずは問題をたくさん解くことをお勧めします。

オンライン英会話では、実はリスニングもかなり鍛えられる

それに加えて、オンライン英会話も、話の内容を推測するために非常に役立つと感じています。私は英検1級の2次試験対策のため、オンライン英会話を始めて、現在約1年が経過しています。オンライン英会話では、通信状態が悪かったり、早口の先生がいたりと、リスニングの訓練としては結構過酷な環境になることがあります。ただ、そういう多種多様な状況に日々触れ続けた結果、英語を聞き取る能力が、自然と上がっていきました。

オンライン英会話は、音源を聞くだけの勉強と比べて、プレッシャーがかなり違います。意思疎通を果たすためには、相手の言葉を聞き漏らすわけにはいきません。ということで、細かいところまで何とか聞き取ろう、という意識が強くなります。結果的に、音にかなり集中することになるので、リスニングに関して、勉強の効率が非常に良くなります(その分疲れるけど)。

また、言葉が部分的に聞き取れなかったとしても、人間が相手の場合、途中で止めることは出来ません。そのため、聞き取れなかった部分を推測して、相手が何を言ったのか、瞬時に頭の中で再構成する力が鍛えられます(ただし、聞き取れない部分が多すぎる場合は、先生に聞き返した方が良い)。

オンライン英会話の利用を検討する場合、スピーキング能力の向上に関してのみ、注目されることが多いと思います。ただ、会話を成立させるためには、相手の言っていることを、しっかりと聞き取る必要があります。ですので、実はリスニングの能力も、同時にかなり鍛えられます。

TOEICを中心に勉強している方でも、特に音の推測能力が上がるので、オンライン英会話を利用する価値は十分にあるはずです。