英語のハノンで感じるグルーブ感は、パズルゲーや音ゲーをやっているときのそれに似ている

英語のハノンはスピーキングのハードルを下げてくれる良い教材

英語のハノンについてご存じない方は、以前に書いたものを参照していただければと思います。

英語のハノンの初級を始めて、約一か月が経過しました。毎日15分~20分しかやっていないので、まだ半分くらいしか進んでいません。ただ、非常に楽しく進めることが出来ています。私の現状でのやり方は、まずは本で文法事項を確認しつつ、ナチュラルスピードで練習をします。それから、本を見ずに言えるかどうかをチェック。基本的に一発で出来ることは無いので、すらすらと言えるまで、練習を繰り返します。

それで、次の日にもう一度同じパートをやって、初回でスラスラと言えたら、その項目はクリア、という事にしています。ただ恐らく、数日後にもう一度同じパートをやったら、スラスラ言えないと思います。マスターするまでに、この本(音源)を何周もする必要があるだろうな、とは思っています。ただ、それはほとんど苦にならず、むしろ楽しくやれると思っています。

というのも、この本で練習することになるパターンプラクティスは、非常にゲーム的です。お題をクリアすると、その度に達成感を得ることが出来ます。難しいお題になればなるほど、クリアするのに必要な練習時間は増えます。ただ、逆にモチベーションが上がって、なんとかうまくこなしてやろう、という気力が沸きます

しかも、この練習を繰り返しているおかげで、日々のオンライン英会話が、スムーズに進むようになっている実感があります。文法を駆使して文章を組み立てたり、英語を自分の口から発するための経験値を、練習の過程で積むことが出来ています。結果として、英語を話すことに対する抵抗感を、大幅に減らすことが出来ています。

というわけで、評判にたがわず、英語のハノンはとても良い教材なので、おススメです。ただ、中学英語をマスターしてから、この本をやるべきだと私は思っています。その理由について、詳しくは後述しますが、英語の基礎が無いと、この本の楽しさや、続けるモチベーションが減ってしまう可能性がありますので、気を付けてください。

ゲームに夢中になると我を忘れる瞬間が訪れる

英語のハノンや、パターンプラクティスをやったことのない方に、この楽しさを説明するのはなかなか難しいです。ただ、私はテレビゲームのジャンルである、パズルゲームや音ゲーが、英語のハノンと共通した面白さを持っていると感じています。ということで、そこを切り口にして、説明をしたいと思います。

恐らく、パズルゲームならば「テトリス」をやったことがある人は多いでしょう。だいぶクラシックなゲームですが、今でも非常に人気があります。最近でも、オンラインで99人が対戦する、テトリスのゲームが流行っています

また、音ゲーだと、太鼓の達人などはゲームセンターにもあって、幅広い世代に人気があります。

これらのゲームをやったことがある方は分かると思うのですが、初心者はそこまで楽しむことは出来ません。ある程度練習をして、うまくパズルを組み合わせたり、課題曲をクリアしたときに、大きな達成感を得ることができます。

そしてここがポイントなのですが、ある程度上手くなってくると、ゲームをやっている間、特別な高揚感を感じるようになります。それは、音楽でいうグルーブ感みたいなもので「ノリノリになっている状態」と言い表せるかもしれません。その状態を経験した人が、まるで中毒のように、これらのゲームにのめり込んで行くケースがあります。簡単にいえば「ハマった」状態です。

ところで、私は英語のハノンをやっているときに、似たようなグルーブ感を感じています。英語のハノンでは、指示に従って一瞬で文法を組み合わせて、答えを作る必要があります。時間制限があるので、スムーズに行かないと結構がっかりします。パズルゲームや音ゲーの世界と同じで、ストレスなくゲームを進めるためには、かなりの練習が必要になります。

そして、練習の末に難なく英文が作れるようになると、頭と口が完全にかみ合った感じがして、高速でテンポよく、言葉が口から出てきます。この状態がとても気持ちが良いです。ノリノリになった状態で、勉強を続けることができます。また、このノリノリの状態をオンライン英会話の時に再現できれば、先生との会話がかなり弾むことでしょう。そんな感じで学習の効果を実感できると、さらに勉強のモチベーションが高まると思います。

上達のためには、基礎的なルールを知る必要がある

英語のハノンをやる前に、中学英語の理解が必要だと、上に書きました。

例えばテトリスを初めてやる人は、ゲームが始まっても、何をしてよいのか全く分からないハズです。まずはブロックの動かし方や、どうしたらブロックが消えるのかを、しっかりと理解をする必要があります。しかしそれだけでは、気持ちよさを感じるレベルには、なかなか行けません。様々なテクニックを知り、練習を繰り返して、ある意味、無意識状態でも操作できるような領域に行ってこそ、ノリノリの状態が発生するのです。

英語のハノン(初級)でその状態を実現するためには、やはり基礎が大切です。それが中学レベルの英文法に当たると私は思います。まずは知識として、それらを徹底的に頭に覚えさせる必要があります。基礎が出来ていれば、ことばを入れ替えたり、時制を変えたりする変化にも対応が出来ます。そうなってようやく、英語のハノンを十分に楽しめるはずです。

どの分野においても、基礎の勉強結構辛いです。特に英語の文法や語彙は、覚えることが多すぎて挫折してしまう人も多いです。ただ、そのあとにノリノリの状態が待っていると思って、頑張ってみて下さい。テトリスでも、初心者のうちは上手くいかない悔しさの方が勝ると思います。それを乗り越えると、わりとスイスイできるようになって、楽しさが増していきます(私はそこまで上手くないですけど)。

いきなりノリノリにはなれないけれど

「英語はやりこみゲーム理論」を私は提唱しているのですが(大げさ)、英語のハノンはそういう意味でも、かなり理想的な教材です。中毒性がある上に、スピーキング能力を効率よく上げられるので、ぜひやってみて下さい。

ちなみに、まだ中学英語の勉強中だけど、英語のハノンもやってみたい、という方は、まずは瞬間英作文の、簡単なテキストから始めるのがおススメです。例えばこの本。

瞬間英作文の教材では、言葉の入れ替えは無いのですが、日本語を瞬時に英語に変換する必要があります。これも、慣れてくると割とグルーブ感を感じて、気持ち良くなる瞬間がありますので、おススメです。また、簡単な物からやったほうが、結局は上達の近道になることもあります。モチベーションを維持するためにも、無理をしないで、少しずつ上達を目指すと良いと思います。