【英語学習8000時間経過】上達に必要な勉強時間と、その過程の心理状態を説明します

英語学習8000時間経過、ここまでの総集編

私が英語学習を始めてから、あと少しで丸8年になろうとしています。今までの学習時間は、

最初の4年間がトータルで約4000時間(一日平均2.75時間)

その後の4年間が約4400時間(一日平均3時間)

合計で約8400時間、となっています。

8年前に学習を始めたころ、個人が書いている英語系のブログをたくさん拝見させて頂きました。その中でも私が興味があったのは「どのぐらいの時間を費やして、どの程度成果が出たのか」という情報です。学習の初期は先が見えないので、ある程度の目安を得たい、という気持ちが強かったです。

例えば「英語上達完全マップを10か月やってみた」は、学習1年目に、毎日のように見ていました。おかげで、勉強のモチベーションを維持するのにかなり役立ちました。というわけでこのブログも、今までの学習過程を記すことがテーマの一つになっております(誰かの役に立っていると信じて)。

上記のページでは、使った教材のレビューをしつつ、今までの学習の記録をご紹介しています。一方で今回は、学習時間を大まかな時間の単位で区切って、振り返ってみたいと思います。各段階で、どれくらい上達の手ごたえがあったのか何に苦労していたのか。また、モチベーションはどのように変化したのか。特に学習初期の方の参考になるように、ご説明出来ればと思います。

300時間は最初にして最大の壁。ここをクリアすれば少し楽になる。

一日3時間勉強をしたとして、一か月で約90時間、3か月で300時間弱になります。この最初の300時間が経過する前に、多くの方が英語学習を諦めてしまうようです。というのも、この段階では全く上達は感じられませんし、勉強は苦しいだけで、楽しい要素がほとんど無いからです。

やらなければならない事は基礎の基礎で、しかも独学者の場合は、正しい方法で勉強が出来ているのか、不安になりつつ前に進まなければなりません。しかし断言できますが、この300時間は全体から見て最も苦しい時期で、そのあとはだんだんと楽になっていきます勉強を習慣化するまでは体と心の拒否反応が凄いです。ただ、いったん習慣化出来れば、「やりたくない気持ち」をコントロールしやすくなります。

どのようにモチベーションを維持すればよいかは、かなり個人の資質にかかっています。私の場合は、英語を一生の趣味にしたかったので、続ける事自体がある意味目標になっていました。そのために、英語学習を「やりこみゲーム」だと考えるようにしました。

やりこみは辛いけど、それを続けることによって、いつかは達成感が得られるはず。ちょっと異常な感じですが、それぐらいの気持ちが必要なくらい序盤はかなり苦しいです。なんとか工夫して乗り越えて下さい。

1000時間はよく言われる目安だが、あまり上達は実感できない。

英語を何時間勉強すれば、実用性を感じられるのか。ネットで検索をすると、1000時間という数字が結構出てきます。かなり古いデータが根拠になっているようですが、2200時間費やすとビジネスで使えるレベルになる、という意見を結構見かけます。その2200時間のうち1000~1200時間は、学生時代の学習時間(中学・高校の授業等)で充当されるので、残りの1000時間をやればよい、という事のようです。

ただ、社会人の方が英語を改めてやり直す場合、「ゼロからスタートする」と考えた方が良いと私は思います。よっぽど英語が好きだったか、かなり受験勉強を頑張った方以外は、通常ほとんど頭に何も残っていないはずです(特に30代以降)。私の場合は、大学受験の時に覚えた単語が、ちょっぴり頭の片隅に残っている程度でした。そして文法は本当に全部忘れていました

英語学習1000時間のまとめ

一日3時間勉強して、約11か月で到達

得られるTOEICの点数(目安):600点前後

実用性:「英語に慣れる」ために1000時間は必要で、あまり実用的な段階ではない。ただ、スピーキングに特化すれば、海外旅行などではそこそこ使えるはず。ビジネスで使うには結構厳しいと思われる。

モチベーション:先が見えなくて、かなりストレスが溜まる。ただ、学習の習慣化は出来ているので、なんとか続けることが出来る。

勉強の楽しさ:全く無い。むしろ超キツイ。いまだ忍耐の時。

1000時間たっても、まだまだキツイと思います。いくら勉強をしてもあまり成果が感じられず先の見えない戦いを続けなければなりません。ただ、1000時間も勉強をすると「ここでやめたら、今までの学習が無駄になってしまう」という気持ちが生まれて、学習の継続を後押ししてくれます。これは結構重要な要素です。

3000時間。地道に勉強を続ければ、TOEICで900点が取れる。

TOEICで900点を取る、ということを英語学習の目標にしている方は多いです。それは理にかなっていると私も思います。実際、900点が取れるレベルになると、結構上達を実感出来るはずです。

TOEICのリスニングで、大まかに全体の意味が取れるようになります。「何を言っているのか、ちっとも分らない」というストレスから解放されるので、学習のモチベーションも上がってきます。また、リーディングのスピードや正確性も上がって、文法や単語学習の成果を実感する事が出来ます。

私は勉強の効率が悪かったので、900点を取るのに4000時間ぐらい費やしています。ただ、もっと効率よく勉強をしていたら、3000時間ぐらいで行けただろうな、とも思っています。ネット上では、1500時間とか2000時間と言っている方を結構見かけますが、それは相当優秀な方が、かなり効率良く学習をしたケースなはずです(もしくはスタート時の実力が違う)。

ですので、3000時間を一つの目安にするのが、多くの方にはちょうど良いと思います。長い目で見れば、回り道をして学んだことも後できっと役立ちます。自分のペースで勉強することが重要ですので、焦る必要はありません。

英語学習3000時間のまとめ

一日3時間勉強して、約2年9か月で到達

得られるTOEICの点数(目安):900点前後

実用性:リスニングとリーディングは難易度が高くなければ苦労なくこなせる。仕事でも、特に繰り返してやっていることに関しては、スムーズに処理が出来るはず。ただ、ライティングとスピーキングはまだまだ修行が必要

モチベーション:TOEICで高得点が取れると、かなりモチベーションにプラスになります。ですので、900点を目標にするのはおススメです。ただ、まだ勉強する事はたくさんあるという事にも、同時に気が付くはずです。そこでくじけないように注意が必要です。

勉強の楽しさ:淡々と勉強をこなすことが、楽しいと感じられるようになってくるかもしれません。たぶん得意な分野なら、結構楽しめるでしょう。しかし苦手な分野は苦行が続きます。私は文法でかなり苦労をしていたので、もがき苦しみながら問題集をやっていました。

初心者の方にいきなり3000時間と言ってしまうと、モチベーションを損なってしまうかもしれません。ですが「英語が分からないストレス」から解放され始めるのが、だいたいこのタイミングだと思います。ですので、ここまでくれば一息つけるはずです。

5000時間。TOEIC900点と英検1級のはざま。

5000時間勉強をすると、TOEICだと900点の後半の点数が取れるようになるはずです。この段階で次の目標として、英検1級を目指す方も多いと思います。ですが、TOEICの受験対策を中心に勉強を続けてきた場合、ライティングとスピーキングの勉強を新たに始めなければなりません。それが結構、ストレスになってしまう可能性があります。

私もこの段階で、ライティングとスピーキングはほぼゼロからのスタートでした。初めのうちはやはり、ストレスが大きかったです。オンライン英会話で言いたいことが言えず、英作文もまったく筆が進みませんでした

ただ、いままで5000時間勉強をしてきたなら、あとは慣れの問題とも言えます。基礎はもう十分出来ているはずです。ある程度場数を踏めば、英会話と英作文はすぐに出来るようになります。その際には、完全を目指さない、という感覚も大切です。意味がだいたい通じればOK、ぐらいの気持ちでやれるようになると、ストレスが溜まりにくいです。

一日3時間勉強して、約4年7か月で到達

得られるTOEICの点数(目安):900点後半

実用性:英検1級を目指した場合、スピーキングとライティングの勉強をすることになります。これは、英語の実用性を上げるためには非常に良い機会になります。例えばオンライン英会話で場数を踏めば、様々な可能性を感じられるはずです。非ネイティブとして、十分英語を使えるレベル

モチベーション:スピーキング・ライティングをゼロから挑戦する場合、最初はストレスがたまって、やる気が損なわれる時があります。とはいえ、新鮮味も十分ありますので、上手くモチベーションにプラスに働かせたいところです。

勉強の楽しさ:楽しいと感じる瞬間が徐々に増えてきます。英検1級の試験勉強は大変ですが、やりがいも相当感じる事が出来るはずです。

TOEICを中心に勉強をしていて、英検1級は受験しない方もたくさんいると思います。そうだとしても、スピーキングとライティングは、この段階で始めた方が可能性が広がるのでおススメです。私はスピーキングとライティングを勉強することによって、文法の大切さを改めて感じました(そしてモチベーションも上がった)。

7000時間かければ英検1級が取れる。

実際、私が英検1級を取るまでに7000時間ぐらいかかりました。ネットで他の方の情報を見ると、もっと短い時間で達成している人がたくさんいらっしゃいます。ですが、私のようにほぼゼロの状態から英語学習を始めた場合、7000時間ぐらいは見て置いたほうがいいのでは、と思います。

英検1級対策として、単語学習に時間をかけるかどうかは、少し悩ましいところです。必須ではないのですが、単語レベルを15000語ぐらいまで上げると、一次試験のリーディングパートで点数が安定します。ただ、そこまでやらなくても合格は十分可能です。

この先、英語学習を続けるのならば、15000語レベルの暗記も決して無駄にはならないはずです。ちなみに、ネイティブ向けの小説や雑誌を読む場合、15000語でも足りないと思います。

英語学習7000時間のまとめ

一日3時間勉強して、約6年6か月で到達

得られるTOEICの点数(目安):900点後半~満点

実用性:ネイティブ向けのコンテンツを楽しむことが出来るようになります。例えば私は、英語圏youtuber(vtuber)の会話や、アメリカのメジャースポーツの解説とかも、結構聞き取れるようになりました(完全ではない)。小説も、勉強をあまり意識せずに楽しめるはずです。楽しみの幅がかなり広がります。

モチベーション:興味のある分野がより分かってきて、そこをより勉強したい気持ちが出てくるはずです。また、問題にぶつかっても、解決法を自力で見つける事が出来ます。英語をいろんな角度から見る事が出来るようになって、やりがいが生まれます

勉強の楽しさ:恐らくここまでくれば、本当の趣味として、英語をずっとつづける覚悟が出来ているはずです。毎日のルーティンに英語学習が組み込まれていて、楽しんで続けることができます。

英検1級に合格すると、スピーキングとライティングに、ある程度自信を持つことが出来ると思います。同時に、自分に足りない部分より具体的になるはずです。ちなみに私は、2次試験の成績がギリギリで、発音の点数が特に酷かったので、いずれリベンジしたいと思っています。と言う感じで、試験を受ける事はモチベーションにプラスになることが多いので、おススメです。

8000時間とその先。

「10000時間の法則」というものがあって、そこまでいけば一人前になれる、という事だそうです。かなりざっくりとしたコンセプトですし、私は趣味として英語の勉強してるので、その法則はあまり関係が無いかもしれません。ただ、確かにあと2000時間かけて10000時間ぐらいやれば、英語力に関して、かなりの安定感を得られるだろう、という予感はあります。

現状、スピーキングとライティングの勉強が不足しているので、今後はそこを強化したいと思っております。そして英検1級をもう一度受けて、高得点がとれれば嬉しいです。また、4技能を試す他の試験(TOEIC S&W、ケンブリッジ英検、IELTS)の高得点も目指して、勉強したいと思っています。

最初を乗り越えれば、あとは徐々に楽になる。

以上、今回は今までの学習を時間で区切って、振り返ってみました。特にお伝えしたいのは、一番キツくてストレスが溜まるのは、学習を始めたばかりの頃だという事です。最初の辛さはずっと続くわけではありません。学習を習慣化出来れば、徐々に楽になります。そして、3000時間ぐらい経過すれば、英語学習が楽しいと感じる瞬間が増えてくるはずです。

最後に、英語学習のストレス&モチベーションと、学習時間の相関関係を表す、かなり適当なグラフをご覧ください。

私の適当な感覚で作っているので、科学的な根拠は全くありません。ただ、最初の1000時間までがキツイ事と、3000時間ぐらいでストレスとモチベーション(楽しさ)が逆転する、ということが分かりやすいかと思います。

現在、英語学習でストレスを感じている方も、どうかもうひと踏ん張り頑張ってみて下さい。もうすぐ、だいぶ楽になるはずですので。