精選模試2と3に匹敵する難しさだが、問題の質は相変わらず高い
ここのところ、私は精選模試のレビューを続けてやっております。
今回はその最新版である「精選模試【総合】」をやりました。精選模試は基本的にTOEICの本番より難易度が高い傾向にあります。個人的には、上級者の方が高地トレーニングとして使うのに最も適していると感じています。
模試としてのクオリティは非常に高いので、初中級者の方がやったとしても、十分勉強にはなります。ただ、点数はかなり低く出てしまう可能性があるので、そこでがっかりし過ぎないように気を付けて下さい。かなり難しい模試である、という事を事前に分かって取り組むと、メンタル的にダメージを受けにくいと思います。
多くの難易度の高いTOEIC模試には、理不尽な問題が含まれていたり、TOEICでは出そうもない単語が使われているケースがあります。一方で、精選模試のシリーズは、TOEICの出題範囲をしっかりと守りつつ、巧みに難易度を上げている印象があります。ですので、上級者の高地トレーニングに向いていますし、初中級者の方でも、繰り返し解くことによって、実力を向上させることが出来るはずです。
今回の私の得点率と具体的なレビュー
まずは一覧表で私の得点をご紹介します。この模試には2回分のテスト(400問)が含まれています。
精選模試【総合】 | リスニング | リーディング |
テスト1 | 96/100 | 95/100 |
テスト2 | 98/100 | 98/100 |
上記の結果から平均点を出すと、
リスニング 97点
リーディング 96.5点
という事になりました。
部分的にかなり難しいところがあった
結構点数は取れたのですが、運良く取れたという印象もあります。全体的に難易度は高めに感じました。加えて、partごとに難易度にばらつきがあった印象です。具体的に言うと、test1のpart2が特別難しかったです。私はここで3問間違えました。どういう風に難しかったかと言うと、問題と答えの間に、距離のある物が多かったです。例えば、
コンピューターの購入は会議で承認されましたか?
という問いに対して、普通の問題ならば
はい、来月20台届く予定です。
ぐらいの答えになります。しかし、難易度の高い問題の場合、
私は出張で会議に出席しませんでした。
のような文章が答えになるケースがあります。つまり、「会議でのパソコンの購入」に関しての質問に対して、「その会議自体に出席していない」という少し距離のある答えがされています。そのため、かなり想像を働かせる必要がありますし、他の選択肢を消去法で消した結果、答えが分かる時もあります。
このような難しめの問題が、test1のpart2に多くてちょっとびっくりしました。ただ、その後のpart3と4はそこまでひねった問題も無かったので、ちょっと拍子抜けしました(ビビり損)。
あと、part5はtest1と2と共に、難しい問題が含まれていました。この模試の著者の一人である加藤優先生は、part5の難問に特化した「900点特急のシリーズ」を出されている方です。
簡単には満点を取らせないための問題が、しっかりと組み込まれている印象を受けました(そして私はしっかりと間違えた)。一方で、part6と7はそこまで難しくは無かったと思います。高地トレーニング向けではあるのですが、少なくとも理不尽な問題は無かったです。TOEIC本番で出る、難しめの問題が、そこそこ含まれているぐらいの印象でした。
他の精選模試と点数を比較する
次に、他の精選模試シリーズと点数を比較してみたいと思います(自分比)。
リスニング平均 | リーディング平均 | |
精選模試(無印) | 97.4点 | 97.8点 |
精選模試2 | 95.8点 | 96.4点 |
精選模試3 | 93.2点 | 92点 |
精選模試【総合】 | 97点 | 96.5点 |
こうしてみると、精選模試3がかなり難しかった、という事がわかりますし、実際に今でもそういう印象です。精選模試【総合】の難易度は、個人的には精選模試2に近いかな、と思います。図にすると、
難←
精選模試3<精選模試2≒精選模試【総合】<精選模試(無印)
というのが個人の印象です。そして、精選模試(無印)以外は、TOEIC本番に比べて難易度がかなり高めです。最初にも述べましたが、上級者の高地トレーニングに最も適していると思います。ですので、初めて精選模試をやる方は、精選模試の無印から始めるのも良いと思います。
もしくは、難易度が高いという事を分かったうえで、このシリーズに取り組む事をお勧めします。模試で低い点数を取ると、本番ではないことは頭では分かっていても、結構落ち込んでしまう事があります。モチベーションの維持も大切なことですので、ご自分のレベルに合わせた教材を選ぶことをおすすめします。
例えば初心者の方には、公式問題集か、「究極の模試600問+」がオススメです(解説が至れり尽くせりなので)。
ほぼ欠点の無い質の高い模試だが、難易度だけは注意が必要
この精選模試【総合】は、他の精選模試と同様に、非常に質の高い模試です。解説も非常に丁寧で、その内容に納得感があります。しかも値段が抑えられているので、おすすめしやすいです。ただ、何度も言いますが難易度が高いので、初中級者の方は、それを分かったうえで利用してください。
解説を読んでも、間違った理由が分からない問題が多ければ、他の模試を選ぶ方がいいかもしれません。後日、学習が進んだ段階で再挑戦すると良いと思います。参考書や模試を一時保留にすることは、私も過去に何度もやっています。学習のストレスをコントロールする意味で、それも良い戦略です。
唯一の不満点はモニターの正答率がやたらと高いところ
最後に、この模試の欠点をあえて述べるならば、今回の精選模試【総合】は、記載されている問題の正答率がやたらと高く感じました。すべての精選模試のシリーズの問題には、モニターの方?が回答した場合の正答率が表示されています。それを参照すると、自分が間違った問題の難易度が分かるので、非常に便利です。
これが、他のシリーズだと、正答率10%とか20%の物も結構あります。なかには一桁%のものもあって、精選模試の難しさを象徴していたと思います。それが今回、60%~80%ぐらいの正答率のものが急増していました。モニターの方々のレベルを上げたのかもしれませんが、これだと、問題の難易度の差異が分かりにくいです。
ですので、特に初中級の方は、この問題の正答率も気にしないで、勉強をすることをおススメします。自分が間違えた問題が、80%の正答率だったりしたら、さらにがっかりしてしまうと思います。ただ、私の印象でも、難しい問題なのに高い正答率のものが結構ありました。そこだけ注意して頂ければと思います。