elsa speakを約14か月続けて、スコアが95%になった時点でのレビュー

「コツを掴んだ感覚」を積み重ねて、スコアがじわじわと上がる

elsa speak(発音矯正アプリ)を始めてから約14か月が経過しました。

このアプリには「ELSAスコア」という独自の評価基準があって、それがある程度上達の目安になります。地道に練習をすれば、スコアは着実に上昇するはずです。

私の場合、アプリを始めた時のスコアが70%後半ぐらいでした。これまでの上達の過程を表にすると、

経過時間ELSAスコア備考
スタート時70%後半英検1級の2次試験で
発音が5/10点
3か月後80%
6か月後82%
7か月後90%なぜか急上昇
10か月後92%
12か月後93%停滞感
14か月後95%スマホを買い換えた

以上のような感じです。7か月目にスコアが急上昇したのですが、その理由は自分でもよく分かっていません。ただ、時々コツを掴んだように感じる瞬間があるので、そのタイミングでスコアが伸びるという事はありそうです。

この「コツを掴んだ感覚」について具体的に言うと、

/r/(ル)の口の形を自然に出来るようになった

/v/(ヴ)の口の形を自然に出来るようになった

/l/(ゥ)を意識すれば出せるようになった

/θ/ (ス)を意識すれば出せるようになった

/w/(ウ)を頑張ればなんとか出せるようになった

our[άːr]はアワーじゃなくて(アォ)だと気付いた

※カッコ内のカタカナは適当で、正確な音を反映していません。実際、カタカナは手掛かりにならない時も多いです。

上記の物が特に印象的で、スコアの底上げをしてくれていると思います。アプリを始めた頃には絶望的に無理だと思っていたのですが、練習を続けていると徐々に出来るようになりました。なんで出来るようになったのか、明確に説明できないのが残念な所ですが、一応上達の理由として考えられる要素があります。

それは「練習を続けることによって、より細かく微調整出来るようになった」という事です。特定の単語や発音記号が上手く行かない時、試行錯誤するための個人的なバリエーションがかなり増えました。そのバリエーションとは、発音のスピードだったり、息の出し方、口の形、音の混ぜ方など、多岐にわたっています。いろいろ試せる事が増えたので、それらを組み合わせて、音の微調整が柔軟に出来るようになりました。

例えばAIにダメ出しされた時に「それでは、次はこのやり方でどうですか?」と言う感じで、パターンA・B・C……と、手を変え品を変え、AIに発音を聞いてもらいます。すると、正解に近いと思われる音の出し方に近づく瞬間があります(AIの評価を見て判断する)。それをきっかけにして、正解に近づいて行くという地道な戦いです。本当に手探りで進んでいるわけですが、その手探りの効率が徐々に良くなって、スコアが上昇したのだと思います。

上記の過程を生身の先生(ネイティブ)相手にやった場合、恐らくお互いにものすごくストレスが溜まるはずです(かなりお金もかかる)。もちろん、生身の先生ならば的確なアドバイスをくれて、速やかに上達できるケースもあるとは思います。ただ、AI相手ならば、試行錯誤にいつまでも付き合ってもらえるので、生徒としては精神的にかなり楽です。そういう意味でも、アプリで発音学習をするメリットは大きいと思います。

長らく92~93%で停滞していたが、スマホを買い換えたら95%になった

前回のレビューで、90%代後半のスコアを目指すのは、非ネイティブにとって効率が悪いかもしれない、という事を書きました。というのも、私のスコアが92%~93%で長い間停滞していて、ここがある意味頭打ちのポイントだと感じたからです。

それが、ここ最近で少しスコアが伸びて、95%ぐらいで安定しています。その理由として、スマホを買い換えたから、という可能性があります。スマホ本体の性能が少し良い物になったので、音の聞き取り能力も良くなって、スコアが伸びたのかもしれません。

その可能性も否めないのですが、他の要素として新たに「コツを掴んだ感覚」も少し増えたので以下にご紹介します。

※かなり詳細に書いていますが、あくまでも素人の感覚の話です。また、elsa speakの正解基準にも少し癖があると思いますので、正解にこだわり過ぎる必要は無いと思います(私はこだわってしまっていますが……)。

/i/と/I/

ここはずっと手こずっていて、解決方法が見つかりませんでした。それが最近、ようやく正解率が上がってきました。/i/に関しては、カタカナの(イ)で解決する事が多いです。一方で/I/が本当に難しくて、どんなバリエーションを試しても以前は無理でした。それが、ちょっとだけ道が開けつつあります。

/I/は「イ」と「エ」の中間、という説明をよく見かけますが、どのように中間にするのかが難しいです。「イ」と「エ」のどちらの要素が強いかと言えば、圧倒的に「エ」です。

さらに細かく言うと(ィエ)です。この(ィエ)を一音に落とし込んで発音する必要があります。出だしの小さな(ィ)は、ほとんどオマケなのですが、このオマケの(ィ)を外すと正解になりません。これはwの時に小さな(ゥ)を入れて、(ゥオ)と発音する感覚と非常に似ています。

つまり、worldだったら(ゥオールド)にするのと同様に、pickだったら(ピィエク)という感じで、オマケの小さな(ィ)をわずかに添える感じです。

/dʒ/と/ʒ/

これらも、なかなか正解が分からなかったのですが、最近ちょっと分かってきました。/dʒ/は(ジ)で解決する事が多いです。一方で、/ʒ/は(ジ)や(ヂ)等いろいろやってみても、全くダメな時が多かったです。

ところで、/ʃ/は(シュ)という感じで音を出せば正解が貰えることが多いです。そして、/ʃ/の有声音が/ʒ/という訳なので、(ジュ)と言いたいところですが、普通に音を濁らせるとほとんど正解が貰えません。

むしろ濁らせない方が正解に近いのでは、という感覚を得ています。と言うのも、/ʒ/の時に全く濁らせないで(シュ)と言った方が、「正解に近い」とAIに言われる事が多いのです。そこから導き出したのが、/ʒ/は「限りなく(シュ)に近い(ジュ)だ」という事です。

[confusion]/kənfjúːʒən/を(カンフュージャン)というと(ジャ)が✖になります。ここで濁らずに(カンフューシャン)と言ってみたら、少し点数を貰える時があります。そして、この(シャ)にほんのり、ちょっとだけ濁点を加えると、正解になりやすいです。(ジャ)を限りなく薄めた(シャ)が正解なのではないか、というのが現在の私の解釈です。

これらは私が発音する時に必要になる、脳内のイメージの一例です。実際は、これに加えて口の形や舌の位置、息の出し方も重要になります。ですので、他の方が応用できるケースは少ないかもしれません。

ただ私自身、他の方の独自の感覚と説明が参考になったことが結構あります。ですので、なにかのきっかけになるかもしれないので、現段階での「私の/I/と/ʒ/の解釈」を詳しく書いてみました。また何かわかったら、ご報告する予定です。

英語の発音学習は「やりこみがいのある音ゲー」である

それにしても、ずいぶんとマニアックな作業をしているな、と我ながら思います。実用性を考えて英語の発音を極めようとする場合、この方法では苦行になってしまうかもしれません。ただ、私は趣味として英語の勉強をしています。楽しいだけではないですが、この作業をやりこみがいのあるゲームのように感じています。

elsa speakを使って自分の発音を微調整して行く事は、まさに「音ゲー」と言ってもよいのではないでしょうか。「音ゲー」にのめり込んでいる方の動画を見ると、こちらの理解を超えたような事をやっているように見える事があります。

私の発音のやり込みはまだまだ甘いので、比較するのは失礼かもしれません。ただ、音ゲーのやり込みプレイに共感する部分が結構あります。何度も同じ場所で間違えて、延々と練習を繰り返したり、難所のクリア方法を模索したり。苦痛に感じる時も多いですが、やりこむ楽しさもかなりあります。恐らく、中毒性もあるのでしょう。

そう考えると、elsa speakはとても面白い環境を提供してくれていると思います。正しい音を出すゲームをやっていたら、いつのまにか綺麗な発音が身についていた、というのは結構理想的な学習方法です。小中学校の授業に導入すれば、子供たちの英語学習にかなり役立つと思います。全面的に導入すればいいのになぁ。