2周目は1周目の半分の時間で終える事が出来た
英語のハノン中級の2周目が完了しました。今までの学習過程については、以下にレビューがあります。英語のハノンはかなり気に入っているので、結構細かく書いています。
英語のハノンを始めてから、現在1年と2か月ぐらいが経過しました。
毎日約20分やっているのですが、これは私が勝手に決めた学習時間です。ただ、英語のハノンは、毎日少しづつやる形が結構良いのではないかと思っています。というのも、日をまたぐと暗記の効率が良くなる印象があるからです。練習をたくさんやったその日には口が回らなくても、次の日に再び取り組むと不思議と上手く行く、ような経験が結構あります。
恐らくですが、睡眠を挟む事によって、脳の中でなんらかの整理がされるのだと思います(根拠は無いですが)。手ごわい文章でも数日にわたって練習をすれば、必ずスラスラと言えるようになります。この暗記のメカニズムや、身に付いて行く感覚が心地よくて、それがハノンを続ける大きなモチベーションになってくれています。
中級は難易度が高いが、それだけやりがいもある
今までの経過時間を表にまとめると、以下のような感じです。
完了に要した日数 (毎日20分の学習) | 時間換算 | |
英語のハノン初級1周目 | 約75日(2か月半) | 25時間 |
英語のハノン初級2周目 | 約60日(2か月) | 20時間 |
英語のハノン初級3周目 | 約45日(1か月半) | 15時間 |
英語のハノン中級1周目 | 約180日(6か月) | 60時間 |
英語のハノン中級2周目 | 約90日(3か月) | 30時間 |
中級の文章はどれも長めなので、スラスラと言えるようになるまでにかなり苦労をしました。初級に比べると、1周するのにかなりの時間を要しています。ただその分、手ごたえと言うか、やりごたえのような物も大きく感じました。
今回、中級の2周目を終えたわけですが、1周目よりも半分の時間で周回する事が出来ました。1周目で「てこずった文章」は、その時にさんざん練習をしています。ですので、2週目でその「てこずった文章」を再びやる時に、あまり苦労をせずに済みました。ここが時間を短縮できている大きな理由だと思います。
早口言葉を言えるようになる過程と、少し似ているかもしれません。いったん身についてしまえば、難しい文章でも自分の意志とは関係なく、自動で口から文章が出てくるような感覚がありました。
中級の1周目はストレスがやや強めだったのですが、2周目では初回からスラスラと言える文章が多かったので、むしろ楽しさや心地よさを感じました。苦労した分の見返りを感じる事が出来ました。
英語のハノンは、基本的に似たような作業の繰り返しです。ただ、毎回新たな発見や学びがあって飽きる事がありません。効果が大きくモチベーションも維持しやすいので、本当におススメの学習方法だと感じています。
初級を3周しているので、同様に中級も3周目をやることにして、既に開始しています。そして次は、いよいよ上級か……。
英語のハノンは「英文法の素振り」である
「ピアノテキストのハノン」が基礎練習にあたる事にちなんで、この本は「英語のハノン」という名前になっています(素敵な名前)。ただ私にとって、もう少ししっくりくる名称を思いつきました。それが「英文法の素振り」です(ダサいけど)。
以前私は「英語学習と剣道の、上達過程における類似性」について文章を書きました。
剣道において「素振り」は大切な練習方法です。私は野球を見るのが好きなのですが、こちらでも「素振り」が大切な基礎練習だと言われているようです。上級者やプロでも、この「素振り」をかかさずにやるという話をよく聞きます。
ということで私は、英語のハノンは、英文法の「素振り」のようなものではないかと思っています。他の要素がいくら上達しても、同時に基礎練習は必要です。なぜならば、人間は覚えたことをどんどん忘れて行くからです。大切な基礎の部分を「素振り」によって、頻繁に復習する必要があるのだと思います。
もう少し具体的に、現時点で感じている「英語のハノンの効果」をご説明します(前回のレビューで書いたものを改訂しました)。
①文章が無意識に口から出るようになる
文法を特別に意識しなくても、文章を組み立てる事が出来るようになります。中級では文法の難易度が上がって、文章も長いので初回は苦労します。ただそのぶん、2周目になると、無意識で長い文章を言いやすくなり、スピーキングの応用力が上がった感覚がありました(まだまだ使いこなす感じではないですが)。
②発音学習との相乗効果がある
私は発音学習アプリの「elsa speak」を約15か月やっていますが、ハノンとの相性がとても良いです。中級は難易度が高いので、1周目の時は発音になかなか気を配れませんでした。ただ、2周目になるとだいぶ余裕が出てきて、発音に集中をしやすくなりました。発音に集中した状態で中級の文章に挑戦すると、さらにハードルが上がります。これは2周目ならではの難易度の高さで、やりがいを感じました。
③リスニングの細部を聞き取る訓練になる
ハノンでは、お題の音声を聞いた後、自分の口でほぼ完全に再現する必要があります。ですので、圧縮されたり消失している音も、しっかりと認識する必要があります。この作業が、リスニングの精度を上げてくれます。
TOEICの模試でもネイティブの発音で「テキスト通りに言ってなくない?」と感じるものがあって、ストレスが溜まる事があります。ただ、自分でも圧縮した文章を発声してみると、それなりに納得感が生まれるはずです。その感覚が、圧縮やイントネーションを聞き取るヒントになります。
④学習がゲームのようになり、モチベーションが維持しやすい
これは初級を始めた頃から私がずっと感じている、ハノンの良い点です。英語学習のモチベーションが低めの時でも、ハノンを始めると「学習モード」に頭を切り替えやすいです。ゲームに没頭してしまえば、学習を負担に感じなくなります。中級の2周目では、難しいお題を上手くリピート出来る事が多かったので、さらにモチベーションが上がりました。
これは、パズルゲームや音ゲーの難問を、すらすらとクリアしている人の楽しみそのものだと思います。さらなる難易度にも挑戦したくなるので、これは良いサイクルです。
②の補足ですが、例えばハノンの中級に以下の文章があります(部分を変えてあります)。
He’s the least likely to be late for the conference.
(彼はもっとも会議に遅れそうにない)
「least」と「likely」と「late」が立て続けに出てきます。私は「L」をしっかりと発音するのが苦手で、elsa speakのAIにいつもダメ出しされています。ですので、この文章はかなり「L」の発音を意識しつつ練習をしました。
と言う感じで、自分なりにハノンの課題と、発音の課題を組み合わせて勉強をしています。というか、elsa speakをやっていると、普段の学習で発音をどうしても意識するようになるはずです。ですので、こちらもかなりおすすめです。
素振りをやっているだけでは、試合には勝てないのも確かなので
現在私は、AIを利用した英会話アプリを使ってスピーキングの練習をしています。
ただ、まだまだ練習が足りなくて、スピーキングは苦手意識が強いです。実際、自分のスピーキング能力は「英語ペラペラ」とは程遠い状態です。
「英語のハノン」や「elsa speakでの発音練習」をたっぷりやっても、それはあくまで基礎練習なので、実践的なスピーキング能力の向上にはあまりつながっていません。ですので、アウトプットの練習も、今後しっかりやって行きたいと思っています。
基礎練習と応用の練習をバランスよくやる事で、「英会話」という試合で、しっかり勝負できるようになりたいと思います。