釣りっぽいタイトルだけど、内容はかなり真面目です
最近私は、複数のオンライン英会話サービスを渡り歩いています。いろんな会社を試してみて、私にとってのベストなサービスが見つけられればと思っています。それぞれのサービスを最低一か月は試して、このブログでレビューも掲載したいと思っています。
それで、現在は通算4社目のQQEnglishで英会話の勉強をしています。私は普段、「デイリーニュース」という、時事問題を先生とディスカッションする教材を好んで使っています。デイリーニュースは、予習をすると学習効果が倍増する教材だと私は思っています。また、自分の好きなニュースを選ぶ楽しみもあります。一方、QQEnglishにも同様の教材があるのですが、素材になるニュースは、授業の時に先生が選ぶことになっているらしく、予習ができません。教材を選ぶ楽しみも無いので、残念に思いました。
ですので、この際、ちょっと違う教材に手を出してみようと思いました。QQEnglishを利用している方のブログを少し拝見したところ、「トピックカンバセーション」という教材をお勧めしている方が結構いらっしゃいました。ですので、これを選んで授業を受けてみました。
そして、開けてみたらビックリ、第一回の「トピック」がいきなり「Love」だったのです。しかも中身が結構濃い。この手の話題は、特に日本人は結構話しにくいんじゃないかなー、と思いつつ、授業が始まりました。
愛には4種類あるって知っていますか
教材によると、愛には4種類あるそうです。それらは「eros」と「phileo」と「agape」と「storge」だそうです。これらは、ギリシャ語語源で、恐らく英検1級の試験範囲にも入ってこないような単語だと思います(erosとagapeはギリ入るかもだけど)。言ってみれば宗教用語みたいな感じですよね。いきなりこれらの単語が出てきたので、結構ビビりました。
これら愛の4種類を直訳すると、erosが性愛、phileoが強い友情、兄弟愛、agapeが神の愛、storgeが家族愛、親の子への愛という感じでした。この訳しにくい感じが、トピックの難しさを表していると思います。なんでこんなのをテーマに持ってきたんだろう。
ただ、フィリピンの人はカソリックの方が多いので、先生方には受け入れやすいテーマかもしれません。ただ、多くの日本人は「いきなり教会に来ましたけど」みたいな感じになってしまいそうです。実際私も戸惑って、話をどう展開するのか迷いました。これは「トピックカンバセーション」なので、先生と「Love」の4種類についてお話をしなければならないのです。キツそう。
ただ、私は英検1級の勉強をしていた時に、高齢化社会や、人口の減少について話すための訓練を結構しました。ですので、例えば家族とか、恋人、出産などの話題が出たときには、そうした日本社会の特徴を絡めて話すことにしています。例えば、日本人の不幸せの原因は、大家族が無くなって、孤独な人生を送る人が増えたからです、みたいな感じで。
一方で、フィリピンを含む東南アジアの国々では、基本的に家族のサイズが大きいです。みんな家族を凄く大事にしていて、その大きなコミュニティの中で、個人が幸せに生きている印象があります。私は東南アジアへ結構旅行に行っているのですが、日本と比べて、笑顔の人がとても多いと感じます。それは、家族や友達、そしてコミュニティを大事にしていて、孤独から逃れることが出来ている、というのが大きな要因だと思います。
ちなみに、アジアの国々では、健康保険とか年金が整っていないので、老後を支えてもらうため、子供をたくさん産む、という意識もかなりあるそうです。
という感じで、なんとか先生とお話を続けました。先生もかなり熱心に話を聞いて、自分の意見も言ってくれました。そして、話題が「agape」になったときに、先生がこれはcontroversial(物議を醸す)な話題だけれど……、と遠慮がちに話してくれたのが、結構驚きの内容でした。
特定の宗教は必要なく、神様は自分の中にいれば良い
なんだか、むちゃくちゃ胡散臭いタイトルになりましたが、これが先生の主張でした。多くのフィリピン人がそうであるように、先生も生まれたときからカソリックで、教会にも熱心に通っていたそうです。ですが、途中で信仰心とキリスト教を切り離すことに決めたそうです。つまりそれは「宗教」から「哲学」へ移行したと言えるかもしれません。ただし「神」という存在は尊重したいとのことでした。
難しい話題なので、先生はこの話をしようかどうか、途中でためらっていたようでした。ただ、私も非常に興味のあるテーマでしたし、先生が言っていることがよく分かりました。むしろこれは、現代人が直面している問題そのものという気もします。つまり、現代人は伝統的な宗教心を失ってしまったけれど、恐らく「神」の存在は認めた方が人生がうまく回りやすい。その場合、哲学では足りないかもしれない。
そこで私は、多くの日本人も宗教心を失っているという話をしました。ただ、我々もいわば「自然神」を神様として伝統的に祭っているし、それは心の中にしっかりと宿っている。お地蔵さんとか、神社とか、富士山とか。厳かなものが存在して、それを敬う気持ちは、我々の人生にとって非常に大切だし、豊かなものをもたらしてくれるでしょう。
上記の事を、私の拙い英語で、恐らく30%も伝えられていないと思います。ですが、先生と私は、すでに「agape」について話すことを共通理解としてもっていたので、驚くほど話が弾んだし、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
思えば、私が英語を勉強したいと思っている理由の一つは、外国の人とこのような抽象的かつ、心にタッチするような話をしたい、というものです。それが今回、思わぬ形で出来たので結構感動しました。会話の場がうまく形成されていれば、英語力が拙くても、言いたいことは結構伝わります。ただ、より表現力や語彙力があれば、その会話の深みが増すはずです。達成感と反省が入り混じるような、印象的なレッスンでした。
対話が好きな人ならば、英語力はそこまでなくとも結構行ける
もし、日本語で抽象的な話題を楽しむことができるなら、英語力はそこまでなくても、同様のことを外国の人とすることができます。そのためには恐らく、高校レベルの文法と語彙のマスターが必要かと思います。確かにそこまで行くのも大変なわけですが、やってみる価値はあると私は思います。
そして、英語力がより高くなれば、可能性がもっと広がると思います。例えば、外国の人と宗教観や死生観に関して、ジョークや皮肉を交えたような会話も出来るかもしれません(危険度も高そうだが)。そう思って、私も結構モチベーションが高まりました。ここら辺の要素が、割と言語を習得する醍醐味かもしれない、と思います。というわけで、最後になんだかとってつけたようですが、英語学習とオンライン英会話はおススメです。