試して分かった:QQEnglishとネイティブキャンプの違い(料金・先生・システム)

最低料金を競っている3社のクオリティは、決して低くは無いけれど

私は現在、オンライン英会話のサービスを、だいたい一か月ごとに会社を変えて試しています。前回までは有名どころの、オンライン英会話サービス3社を試して、レビューをしました。その3社とはすなわち、ネイティブキャンプ、DMM英会話、レアジョブです。

この3社は常に、最低料金を競っているイメージがあります。と言っても、最低料金だから質が低いわけではありません。それぞれ強みや特徴がある上に、一定以上のサービスの質を保つように、かなりの企業努力がされていると感じました。

ということで、私がオンライン英会話サービスをレビューする時には、上記3社の料金と、サービスがおおまかな基準になっています。ただ、この3社は料金がほぼ同じだけあって、サービス内容にそこまで大きな違いはありません。どれを選ぶかは、個人との相性とか、生活スタイルによると思います。

QQEnglishは、他の会社と一線を画したサービスを提供している

今回、QQEnglishを約一か月試しました。その結果、他の会社との明確な違いを感じました。まず、QQEnglishが他のサービスと大きく違うのは、その料金です。私は、ネイティブキャンプをもっとも長く使った経験があるので、そことまずは比較したいと思います。ネイティブキャンプは一言でいうと、安くてフレンドリー、悪く言うと適当感もある、と言う感じです。とりあえず、ざっと表にしてみました。

ネイティブキャンプQQEnglish
料金(毎日コース)6480円(税込み)10980円(税込み)
教材○良い〇良い
先生の雰囲気フレンドリーフレンドリー&レベル高い
予約システム予約なしでいつでも行ける
予約する場合は有料
(100円~) 
5分以上前に要予約
予約無料
通信品質○良い◎とても良い
授業回数無制限一日25分(特殊なポイント制
オススメする対象者ややラフでもOKな人
英会話エンジョイ勢
一定以上のクオリティや
先生に丁寧な対応を求める人
料金は2022年10月現在(キャンペーン含まず)

QQEnglishでもっとも気になるのが、やはりその料金の高さだと思います。これは、会社の経営方針として、フィリピン人の先生方を正社員として雇っている、という事が大きな要因だと思います。それによって、恐らく先生がたは給料が保証され、安心して働くことが出来るのだと思います。

接客業としての訓練がされていて、先生方の愛想が非常に良い

個人的な感覚では、この正社員化は、授業のクオリティ向上にかなり貢献していると思いました。恐らく、社員への教育制度もしっかりしているのでしょう。生徒をお客様として扱うように、かなり訓練されていると思います。言い方がちょっと悪いかもしれませんが「愛想笑い」をすることが出来る先生が多いです。外国人の先生に「愛想笑い」をしてもらうのは、実は難易度が相当高いはずです。それだけQQEnglishが、日本人の利用者を意識している、ということだと思います。

他のサービスだと、不愛想な先生に出会う可能性が結構あります。とはいえ、不愛想でも良い先生はたくさんいます。ただ、日本人としては、お金を払ってサービスを受ける以上、愛想よく接して欲しいという意識が、少なからずあるはずです。それをしっかりと実現しているのが、QQEnglishの凄いところだと思いました。これだけのためでも、最安値帯と比べて、+4500円を払う価値があると考える人は、結構いると思います。

その愛想の良さがベースになっているので、例えば先生に間違いを指摘されたとしても、嫌な気持ちになる人は少ないと思います。一方で、例えば他のサービスで、愛想の悪い先生に厳しく間違いを指摘されると、勉強のモチベーション著しく奪われる事があります。英語学習を続けていく上で、ここは無視できない大きなポイントです。上手に褒めてもらえば、逆にモチベーションが上がることもあるので、ここにお金をかけるのは、正しい選択になりうると思います。

教材と先生の教え方もクオリティーが高い

私は、オンライン英会話でデイリーニュースという、時事問題を先生とディスカッションする教材をいままで良く使ってきました。ただ、QQEnglishでは、このデイリーニュースの教材はあまり充実していないようで、他の教材をお勧めしている利用者が多かったです。ですので、私は一か月の間、もっぱらトピックカンバセーション(上級)と言う教材を使っていました。これは、一つの普遍的なお題に対して、先生とディスカッションをする教材です(ちなみに、初級、中級もある)。

具体的にいうと、例えば、お題が「unity」だった授業がありました。この「unity」という単語に対して、先生とディスカッションしつつ、理解を深めていきます。unityは団結や調和、と訳せると思いますが、家庭における団結、職場における団結、そしてそれが国家だった場合に、何が重要になるのか。どうすれば調和が実現されるか、などを関連するキーワードを学びつつ、学習を進めます。

お題が抽象的なものが多かったですが、先生と深い会話が出来たので、ディスカッションがとても楽しかったです(お題がとか家族の時もあった)。非常にやりがいもありました。先生が客商売としての意識を高く持っているので、生徒が気持ちよくアウトプットが出来るように、とても努力してくれている印象がありました。

このようなディスカッションの教材を使う場合、先生に当たり外れがあると、残念な授業になりがちです。例えば、他のサービスでは、先生がテキストを進めるために、ありきたりの会話を適当にこなして終わり、ということが実際にありました。また、おしゃべり好きな先生が、自分だけ話しまくって、生徒は聞いているだけ、みたいな授業になってしまうことも、よくあります。

QQEnglishでは、少なくとも、外れと感じる先生に当たることがありませんでした。もちろん相性もあるので、全部が大当たりの先生にはなりえないと思います。ただ、他のサービスに比べると、高水準の授業が、利用者に保証されていると思います。

ネックはやはり料金で、バランスの見極めが必要

お金をたくさん払えば、良いサービスが受けられる可能性は高くなります。それはどんな分野でも傾向としてあるはずです。重要なのは、払ったお金に対して利用者が満足できるか、という所になると思います。

QQEnglishは料金制度が少し特殊です。私は、毎日25分の授業を受ける形を前提として、オンライン英会話を比較してきました。その形で考えると、10980円を払えば、同様のことがQQEnglishで実現できます。ただし、先生を予約するためにはポイントを払う必要があり、そのポイントは先生のレベルによって違いがあります

具体的にいうと、経験の浅い先生が40ポイントで、そこから10ポイント刻みで、先生を予約するためのポイントが上がっていきます。最大では100ポイント必要なようです。ただ、10980円を払って得られるポイントは、50ポイントの先生を毎日とった場合の、一か月の料金として想定されています。つまり、60ポイント以上の先生を毎日とっていると、10980円以上の金額を払う必要が出てきます。

私は、40ポイントから100ポイントの先生をいろいろ試してみました。さすがに、100ポイントの先生は超ベテランという感じで、知識も接客も抜群でした。一方で、40ポイントの先生だと、まだ経験が浅くて、特に接客レベルが低いと感じる人もいました(ただし、最低限のレベルは保っている)。

お気に入りの先生から、繰り返し授業を受けたいと思っている人は、特に注意が必要です。なぜなら、その先生が経験を積んで会社に評価されると、必要な予約ポイントが上昇していきます。よって、毎回100ポイント近くを払うようなケースもありうるでしょう。すると、月額料金で考えると、かなりの金額になるはずです。単純にポイントが倍になると考えると、毎月2万円払う形になります(ポイントはまとめ買いで少し安くなる)。

2万円払うとなると、他のサービスでも、高いクオリティの授業を受けられる可能性が高いです。例えば、ネイティブの授業を受けるとか、ビジネスに特化するなど、専門性の高いサービスも選択肢に入って来るでしょう。ですので、ここは価格とサービスの、バランスの見極めが大切だと思います。

親切なサービスに魅力を感じるなら、選ぶ価値は大いにある

最安値のサービスをずっと使ってきた身としては、QQEnglishの丁寧で優しい先生方は、いい意味でカルチャーショックでした。レアジョブの先生方も、結構訓練されている感じはあったのですが、会社にやらされている感じが、こちらに伝ってくることもありました(一方で、ネイティブキャンプとDMMの先生はだいぶ自由な感じ)。

QQEnglishの先生方は、自発的に愛想よくしている印象があります。これは、正社員であることが大きいでしょうし、利用者の評価が、給料に反映されている証明でもあると思います。先生の愛想の良さは、日本人に好意的に受け入れられるでしょうし、それがこの会社の戦略だと思います。

ちなみに、QQEnglishは子供の利用者も多いようです。ある先生に聞いたのですが、2歳の子供の授業を受け持ったこともあるそうです(もちろん横に親がいる)。幼児は日本語を先にやった方がいいよね……という話をして盛り上がりましたが、そんな無茶ぶりにも、嫌がらずに対応してくれるサービスだという事です。

オンライン英会話で、横柄な先生とか、いい加減な先生に当たって、モチベーションをそがれてしまうことは珍しくありません。そんな経験を何度かして、オンライン英会話に悪いイメージを持っている方もいるでしょう。ただ、一度QQEnglishを試してみると、そんな意識が変わるかもしれません。最安値帯のサービスに比べて、とりあえず+4500円くらいならば、十分払う価値があると私は思いました。