AI(ChatGPTやBing)を使って、英会話の学習がどのように変化するのか

2023年4月末に、ChatGPTを利用した英会話アプリ「speak」を使い始めました

まだテキストベースだが、すぐに洗練された対話型が作られるはず

発音学習ですでにAIの恩恵を受けている

私は現在、発音学習のためにelsa speakというアプリを使っているのですが、このアプリは発音の正確さを判定するためにAIを利用しています。以前は、独学者が発音学習をするのはなかなか難しい事でした。

自分の発音を客観視する事は非常に難しいです。専用の本を買って練習したところで、上達しているのか確認のしようがありません。ネイティブの先生を雇って、発音を見てもらえば理想的ですが、お金がものすごくかかってしまいます

それが、このアプリ(elsa speak)の登場で世界が変わりました。AIの判定はシビアなので、ごまかしがききません。私にとって、何度練習を繰り返しても、なかなかクリアできない発音が存在します。と言う感じで、このアプリの登場で、発音学習の難易度が下がったわけではありません。ただ、ようやく効果的に練習をする方法が生まれた、と言えると思います。

私はこのアプリを10か月ほど使っていて、かなり気に入っていますし、その効果を感じています。まるでゲームをやっているように発音学習が出来るので、モチベーションも維持しやすいです。月額料金はかかりますが、人に教えてもらうのに比べたら、そのコストは微々たるものです。

今までの学習過程は以下にまとめてあります。かなりおススメです。

英会話の学習にAIを使えるのか

最近、ChatGPTで英会話の勉強が出来るという事が話題になっています。発音学習の環境をelsa speakが変えてくれたように、英会話(スピーキング)の学習環境も、AIが劇的に変えてくれる可能性があると思います。

私もかなり期待をしている分野なので、関連する情報をいくらか調べてみました。現状での個人的な結論としては、

もう少しだけ時間がかかるが、いずれオンライン英会話の代わりになるはず

という印象を持ちました。なぜそう思ったのか、もう少し詳しく書きたいと思います。

現状では、英語の上級者が工夫をすれば活用できるという段階

AIベースのサービスは日々増殖していますが、現在有名で信頼できるものとしては、ChatGPTとBingだと思います。この二つに絞って、英会話の学習をする場合、どのような形で実現されるのか調べてみました。

ChatGPTに関しては、この方の動画が分かりやすかったです。他にもいくつか動画を見て情報を集めてみたのですが、現状としては、まだオンライン英会話完全な代わりとしては使えないようです。なぜかというと、

現状ではチャットを通してAIと会話をする必要がある。つまり文字入力が必要なので、直接対話をする形にはなっていない

音声入力を使って文字入力をすれば、間接的(疑似的)に英会話は出来る。ただし、発音が良く無いと、音声入力した英語をAIに正しく認識してもらえない

ChatGPTは英会話の学習に特化しているわけでは無いので、英語学習のために使うには、人間側でかなり工夫をする必要がある。英語の上級者でないと、細部を調整するための指示を出すのも難しい(レベル調整が難しい)。

よってまだ使いやすいとは言えない。特に初~中級者は手を出しずらい。

と言う印象でした。ただ、これは時間が経てば解決される問題だと思います。例えるならば、車のエンジンは完成していて、それ以外の部品がまだ整っていない、という感じでしょうか。現状では、英語とAIに詳しい人のみが、自分でいろいろと工夫をして、英語学習に活用している形だと思います。

もうひとつ、Bingの方ですが、以下の動画が参考になりました。

BingはChatGPTよりも、ユーザーフレンドリーな感じがします。ただ、こちらもチャットベースなので、直接会話する形には至っていません。工夫をすれば、かなり学習に役立たせる事は出来そうですが、やはり英語の上級者でないと、現状では使いこなすのが難しそうな印象です。

英会話の学習にAIを活用するために、今後必要になる事とは

「AIを使って英会話の学習をする」という事を一般的に普及をさせるためには、AIを英語学習に最適化する必要があるはずです。発音学習のためにelsa speakがあるように、英会話学習専用のアプリが欲しいところです。そのために、今後必要になる事がいくつかあると思います。

まずは、現在あるオンライン英会話を、AIが完全に置き換える事が求められると思います。加えて、人間にはなかなか出来ない要素も加わると理想的です。そして、コストが大幅に下がると一気に普及するはずです。以下に「AIを使って英会話の学習をする」ために、必要になると思われる要素を箇条書きにしてみました。

現在あるオンライン英会話と同じ形式で、先生だけがAIに置き換わったようなシステムとアプリ。AI先生のアバター(アニメ・リアルを選べる)と会話ができる。アバターの表情の変化やジェスチャーも欲しい。学習の途中や最後に、学習者のモチベーションを上げるような、アドバイスや総評をくれる。

英会話の途中で、日本語でも随時質問ができる。単語の意味や文法を説明したり、表現を提案してくれる。

学習者のレベルに合わせて、会話に使う単語の難易度や、文章の長さを調整してくれる。

ノンネイティブのあいまいな発音でも聞き取って、会話を継続してくれる。また、発音のミスも指摘してくれる。

上記の要素を、学習者が細かくカスタマイズ出来る

アプリの月額料金が、オンライン英会話に比べてかなり安い

上記の要素を整える必要があると思います。レベル調整とあいまいな発音の聞き取りは、なかなか実現が難しいかもしれません。ただ、現在のAIの能力を考えると、いずれクリアできる問題だと思います。恐らく、システムやアプリの開発は、既に様々な所で進んでいるはずです。もしかしたら、割とすぐにサービスが開始されるかもしれません。

実現すれば英会話のハードルが一気に下がるはず

英会話学習が、AIのおかげで簡単・低コストになれば、日本人のスピーキング能力は一気に向上すると思います。多くの人が中学・高校・大学を通して6年以上英語を勉強しているのですから、あとは実践する場があれば良いだけです(ただしブランクが長い場合は、もう一度基礎学習が必要)。

私は英検1級の2次試験のために、初めてオンライン英会話を試したのですが、人間を相手にすると毎回けっこう緊張します先生との相性や当たり外れがありますし、予約を取るわずらわしさもありました。月々7000円ぐらいの料金は格安なのですが、気軽に試すには、決して安いとは言えない金額です。

それが、例えばelsa speakのように、月々1000円ぐらいで喋り放題になってしまえば、学習環境がガラッと変わりそうです。学校で利用されるシーンも増えて行くでしょう。AIを使った英会話アプリをやりこんでいたら、いつの間にかしゃべれるようになっていた、みたいな人が増えるかもしれません。

素晴らしく、恐ろしい可能性が迫っている

今回、AIによる英会話学習について考えたのですが、潜在能力がかなり高いと思います。一方で、良い面だけではなく、人々に不利益が生じる可能性もかなりあると感じました。これはよく話題になるテーマですが、多くの人間の仕事が、AIに奪われる時代がついにやってきたと思います(マジで本当に来たっぽい)。

本物の人間と英会話をする、既存のサービスが完全に消える事は無いと思います。ただ、オンライン英会話の先生方は、間違いなく仕事が減るでしょう。英作文の添削に関して言えば、既に人間の先生は必要無いレベルになっていると思います。今後数か月で、あらゆる分野がAIの影響を受けて、良い面と悪い面が分かってくるはずです。

とりあえず私は、英語学習に絞って、AI関連のニュースなどを追いたいと思っています。なにか大きな変化があったり、良いサービスが見つかったら、レビューをする予定です。