「Soundcore Life Q20+」を散歩用かつ英語のリスニング用途で使ったレビュー

散歩をしながら使うヘッドホンとして、必要な機能とは何か

最近私はリスニングで細部を聞きこむ訓練をしています。素材として、NHKラジオで有名な実践ビジネス英語を使っています。

スマホに音源を入れて、散歩をしながら毎日、約1時間ぐらいのリスニングをしています。そこで、散歩中に使うヘッドホンを新調したいと思うようになりました。現在、家の中ではソニーの「WH-CH400」というヘッドホンを使っています。

これをそのまま外に持ち出せばよいのですが、bluetoothのペアリングを、いちいちスマホ(散歩時)とpc(室内時)で切り替えるのが結構面倒です。ということで、WH-CH400の後継機をもう一台買おうかと検討しました。

ただ、仕様をよく見ると、機能は割と最低限な感じです(レビューを見た感じでは音質は十分良さそうだが)。そこで、散歩用のヘッドホンとして買う場合、何が必要なのか、整理をする必要があると思いました。ポイントとして、

そこそこ長いバッテリー持ち

そこそこ良い音質

そこそこ有名なメーカー

ワイヤレス接続

USB Type-Cで充電したい(USBプラグの向きを確認するのはもう

ノイズキャンセリング機能(散歩中、風が強い時などの為)

外音取り込み機能(いくらか車が通る道も歩くため

出来れば1万円以下

以上を個人的な条件としました。イヤホンは、相性が悪いと耳が痛くなるので検討しないことにしました。ヘッドホンはよっぽど締め付けが強くない限り、耳が痛くならないので安心です(個人的な事情)。

上記の条件を満たす機種を探したところ、なんと、以下の2機種に絞られてしまいました「ノイズキャンセリング」と「外音取り込み機能」を搭載しているものだと、1万円以上のものがほとんどになるようです。上記の機能を搭載して、かつ1万円以下で手に入れようとすると、Ankerのヘッドホンしか選択肢にありませんでした。

ただ、Ankerのヘッドホンはかなり評判が良いようです(コスパが良いことで有名)。

「Q20+」と「Q30」の違いは、主に音質だけのようです。といっても、「Q20+」の音が特別悪い、ということではなさそうです。私は英語のリスニング用途で使うわけですし、値段の安い「Q20+」を購入することに決めました。購入時、アマゾンで6990円でした。ちなみに「Q30」は同時期8990円でしたが、時々セールをしていて、アマゾンで7000円台になることもあるようです。

ちなみに、「Q20+」の下に、「Q20」という「+」が無いモデルが存在しています。そちらは6000円以下で買えて評判も悪くないですが、充電がMicro USBなのと、「外音取り込み機能」が無いのでご注意ください。

ノイズキャンセリングと外音取り込み機能の効果と必要性

「ノイズキャンセリング機能」「外音取り込み機能」は、ある意味、正反対の目的を持った機能です。つまり、

ノイズキャンセリング機能とは、音に集中するために雑音を消す機能

外音取り込み機能とは、音に集中しすぎる危険性を軽減する機能

という感じです。ヘッドホンを散歩用として使う場合、上記の機能を上手に使い分ける必要があります。

私の場合は、散歩で土手に行くことが多いです。ただし、その土手に到着するまでは、車の通りが多い道路をいくらか歩く必要があります。という事で、家から土手に向かう間は「外音取り込み機能」をオンにして、車や自転車などの接近に注意を払う必要があります。一方で、土手に到着したあとは、「ノイズキャンセリング機能」をオンにして、リスニングに集中出来れば理想的です。

そういう想定で、この二つの機能が付いたヘッドホンを選びました。では、実際使ってみてどうだったのか。実際に散歩をする流れに沿って細かくレビューします

外音取り込み機能はかなり優秀。ただし、これが無くても車の音は聞こえる

まず、家を出てから車通りのある道を、土手へ向かって歩きます(歩道が狭くて結構危ない)。ですので、「外音取り込み機能」をオンにして、英語のリスニング音源を聞きます。

車の音など、周囲の音をかなり拾ってくれます。ある意味、ヘッドホンをしていない状態よりも、音が大きく聞こえる印象です。リスニングの音源が流れていても、他の音も十分聞こえます。遠くの車の走行音や、カラスの鳴き声までかなりクリアに聞こえます

マイクで外部の音を収集しているので、ちょっとデジタルっぽい音になっていますが、それほど違和感はありません。ヘッドホンをしたままでも、コンビニで普通に買い物とか出来ると思います。英語の音源を停止すると、服がこすれ合う音が鮮明に聞こえるほどです。

安全性の面から言えば、「外音取り込み機能」は十分役立ってくれると思います。ただ、リスニング用の音源は会話形式なので、無音の部分もかなりあります(大きなボリュームも必要ない)。ですので「外音取り込み機能」をオフにしても、遠くの車の音に気付くことは出来ます。私の場合、大音量で音楽を聞いているわけでは無いので、絶対に必要というよりも、念のための機能、という位置づけになると思います。

ノイズキャンセリングは実用的だが、強風の時はさすがに雑音が凄い

土手に到着して「ノイズキャンセリング」をオンにします。すると、外部の音はすべて、くぐもった小さな音になります。車やカラスの鳴き声が全く聞こえなくなる、というわけではありません。例えると、手で耳を軽くふさいだ状態で、外の音が聞こえているような感覚です。

おかげで、土手の上を歩きながらでも、部屋の中にいるような感覚で、リスニングに集中する事ができます。ただし、体に抵抗を感じるぐらい風の強い日は、ノイズキャンセリングが働いていても、風切り音がかなり発生します。リスニングの内容は理解できますが、細部が聞き取り辛いです。TOEICの雑音対策で、あえて雑音入りの音源を聞いているような感覚になりました。

この、強風の状態でノイズキャンセリング機能をオフにすると、雑音レベルがかなりあがって、より聞き取り辛くなりますが、全く理解が出来ない状態にはなりません。これは恐らく、ヘッドホンの形状がそもそも、耳を包み込むようなオーバーイヤー型だからだと思います。

そもそもオーバーイヤー型は遮音性が高いので、ノイズキャンセリングが無くても、外部の音をかなりさえぎってくれます。英語のリスニングが目的ならば、ノイキャンが無くても大丈夫、と感じる人は多いと思います(オーバーイヤー型の遮音能力で十分)。

一方で、強風の中でオンイヤー型のヘッドホンを使った場合は、ほとんどリスニングの内容が分からなくなります。実際、手持ちの「WH-CH400」(オンイヤー型)を風の強い日に使ったことがあるのですが、風切り音が凄くて、リスニングの内容が全く分からないレベルになりました(風に紛れて雑音が聞こえる感じ)。

英語のリスニング目的ならば、高機能のヘッドホンは必要ないかも

そもそも、ヘッドホンは音楽を聴くために使われる事が多いはずです。ノイズキャンセリングや、外音取り込みも、音楽を聴く人を想定して作られているわけです。それに比べて、英語のリスニングは、意味が取れれば基本的にはOKなので、雑音に対するハードルがだいぶ低くなります。つまり、これらの機能は「無駄ではないが必須でもない」という結論になるかもしれません。

土手を散歩するのではなく、例えば通勤電車でこのヘッドホンを使うとしても、条件はあまり変わらないと思います。つまり、英語のリスニング目的で遮音性を求めるならば、オーバーイヤー型であれば十分かもしれません(ノイキャンは無くても良い)。また、外音取り込みが必要なほど、大音量でリスニングをする人もあまりいないでしょう。

というわけで、英語のリスニング目的でヘッドホンを買う方は、そこまで機能のあるヘッドホンを買う必要は無い、という事が言えると思います。ただ、リスニングだけでは無くて音楽を聴くことにも使う、という方も多いでしょう。その場合、高機能の物を買っても損にはならないはずです。

音楽を室内で聞いたら、その機能を実感できた(当たり前)

実際、このヘッドホンを使って、音楽を室内で聞いた場合は、その評価がかなり変わると思います。具体的に言うと、私の部屋は空気清浄機とサーキュレーターが稼働しているので、常に一定の雑音が流れています。ただ、生活をしている上では、その雑音はほとんど気になりません

その状態で、このヘッドホンをノイズキャンセリングモードで使うと、無音の空間で音が鳴っているような印象で、音楽がかなりクリアに聞こえます。そして、ヘッドホンを外した瞬間、部屋の雑音が「ゴーッ」という感じで耳に流れ込んできました(一瞬だけで、すぐに慣れますが)。ということで、普段は脳がノイズキャンセリングをやってくれているんだなー、と思ったりしました(微妙なオチ)。