2023年に「TOEICテスト新形式完全攻略模試」をやってみたレビュー

特急シリーズで出会った著者の方の模試をやってみた

最近私はTOEICの問題集として有名な「特急シリーズ」をやっています。「特急シリーズ」はページ数は少ないのですが、その分価格も安いという特徴があります。また、TOEIC界隈で有名な先生方が多数関わっているので、良い本が揃っているという印象があります。その特急シリーズの中で、part6のみを扱っている珍しい本があったのでやってみました。

この本で出てくる問題はどれも結構難易度が高くて、やりがいがありました。また、解説が丁寧で、ミスをしやすい部分を特にカバーしてくれている印象がありました。なんとなく、他の本とは一味違う良さがあるとも感じました。

ということで、上記の本の著者である大里秀介先生の、他の著書もやってみることにしました。調べたところ、TOEICの模試も出版されている事が分かったので、とりあえず2冊購入してやってみました。今回はその1冊目の「TOEICテスト新形式完全攻略模試」をレビュー致します。

この本は2016年の4月に出版されています。これはTOEICが新形式に切り替わる直前のタイミングです(切り替えは2016年5月)。ということで本の内容自体は、新形式の内容を予測する形で作られたようです。

この本を2023年現在にやった場合、その古さゆえTOEIC対策に使うには何か問題があるのでは、と思う方もいるかもしれません。ただ、私が実際にこの本をやってみたところ、特に問題は感じませんでした。現在でもTOEICの試験対策として十分使えると思います。

古いけれど良いTOEIC本はたくさんあって、今でも十分使える

このブログで何度も書いていますが、TOEICの古い書籍は結構ねらい目です。アマゾンへ行けばレビューを大量に見る事が出来るので、極端なハズレを掴む心配がありません。また、売れている本ほど、中古の流通が多いので安価で手に入れる事が出来ます

上に挙げた特急シリーズも、旧形式時代の問題を再利用して「新形式対応版」として売っている本が多いです。そして、それらの本は今でも十分TOEIC対策として使えます。有名な先生が作っていてレビューのスコアも良い本ならば、経験的に言って、基本的には今もTOEIC対策に使える事がほとんどです。

今回の「TOEICテスト新形式完全攻略模試」も、総じて質が高く良い本だと感じました。ただ、難易度は結構高めです。また、少しだけ理不尽さを感じるような問題もあります。ですので、割と高地トレーニング向けだと私は思いました。先に短くこの本の印象をまとめると、

全体的な難易度はやや高めだが、良質の問題がそろっている。模試が一つしか収録されていないが、特典が豊富にあり1300円なのでコスパはそれほど悪くない。リスニングとpart7では、作りが荒いと感じる問題が少しあった。一方でpart5と6には、かなり良い問題がそろっている基本的には上級者向けだが解説が丁寧なので、中級者でも繰り返し解くならば有効活用できるはず。

という印象になりました。

もう少し具体的に内容について解説します。

難易度の高さを、丁寧な解説でカバーしている印象

この「TOEICテスト新形式完全攻略模試」には模試が一つ収録されています

私の得点は、

リスニング  97/100 part2:1ミス part3:2ミス 計2ミス

リーディング 95/100 part5:2ミス part7:3ミス 計5ミス

補足:リーディングpart7時間ギリギリ(55分)

上記のようになりました。TOEIC本番と比べて、難易度はやや高めです。

リスニングは結構手ごわい。本番より聞き取りにくいものが多め。

リスニングの難易度は結構高かったです。ナレーションの英語で、イントネーションや音の圧縮のせいで聞き取り辛い物が結構あります。私は本試験では、音質が良ければ細部までだいたい聞き取れます。ただ今回は、推測を働かせて答えを選んだものがいくつかありました。また、リスニングに使うには、難度の高い単語と慣用表現も出てきます

これらの要素は、高地トレーニング向けとしては良いと思います。もし中級レベルの学習者の方が使う場合は、難しいという事を分かった上で解いた方が良さそうです。ミスをしても気にせず、繰り返し解いて聞き取れるようになれば、学習効果を得られるはずです。

あと、これは些細な問題ですが、part3のナレーションの掛け合いの間(ま)が、調整ミスなのか変に長い物がありました。また、アマゾンのレビューを見ると、この本の初版には結構編集ミスが含まれていたようです。私が今回やったのは2018年発行の本なので、多くのミスは修正されているはずですが「これは編集ミスかもしれない」と思う部分が少しありました

part5と6はやりがいのある内容。part7はあいまいな表現が気になる。

冒頭で述べましたが、私は特急シリーズの「TOEIC L&R TEST パート6特急 新形式ドリル」でこの本の著者である大里先生を知りました。期待通り、TOEICの文法パートとも言えるpart5と6は良い問題が揃っていました難易度は高いのですが、出会えて良かったと感じる問題が多かったです。難問に対して分かりやすい解説が付いているので、学習者にとってかなり有益だと思います。

一方で、part7は「あいまいな表現の選択肢」があって苦労をしました。この「あいまいな表現の選択肢」は難易度を上げる時に良く使われる方法ですが、私はあまり良い印象を持っていません。というのも、本番では表現の明確な選択肢がほとんどで、あいまいな表現を読み解く必要はあまりありません。

特急シリーズの「読解特急」を私は最近やっていて、かなり問題の質が良いと感じています。こちらでも「あいまいな表現の選択肢」はほとんど出てきません。私は、本番では5分以上は時間を余らせることが出来るのですが、この本のpart7はその「あいまいさ」に苦労をして、時間がぎりぎりになりました

とはいえ、読み解く能力を上げるためには、あいまいな表現の意味を、素早く掴む練習も必要だと感じています。リーディング問題の経験値が足りなくて、意味が取れなかったケースも過去に何度かありました。ですので、様々な表現に触れておくことは必ずプラスになるはずです

ということで、リーディングの部分も高地トレーニング向けだと思います。ただ、丁寧な解説が付いていますので、中級者の方が取り組むのもアリだと思います。その場合は、ミスや時間制限は気にせずに、繰り返し解く事で多くの効果を得られると思います。

TOEIC本の発掘作業を続けて行く予定です

実は、この本は送料込みの中古350円で手に入れました(アマゾン)。恐らく、メルカリやアマゾンで、今後も同様の価格で手に入ると思います。発行年は古い本ですが、現在のTOEIC対策として十分使えます。やはり、古いTOEIC本で評判の良い物は、かなりねらい目だと感じます。特にこだわりがなければ、節約をしつつ、多くの学習効果を得られるはずです。おすすめです。

定価の1300円で手に入れたとしても、解説が丁寧ですし、おまけの特典コンテンツもかなり充実していて、まあまあコスパの良い本だと言えるはずです。

私はもう一冊、大里先生の「TOEIC L&Rテスト必勝ダブル模試」も購入済みなので(送料込み507円で購入)、またレビューをする予定です。