精選模試リスニング・リーディング(無印)の難易度は、2と3ほどは高くない

TOEIC本番よりちょっと難しいぐらいの、絶妙なレベル

以前、精選模試の2と3をレビューしましたが、そちらはかなり難易度が高いので、上級者の高地トレーニング向けに使うのに適していると思いました。

一方で、今回やった無印の精選模試(つまり1)は、2と3に比べると少し難易度が下がると思います。ですので、初心者や中級者の方にも比較的おススメしやすいです。ということで、まずはいつものように私の得点率をご紹介した後に、初中級者の方がこの模試を使う場合の、基本的な方法をご説明したいと思います。

最初にお伝えしますが、この模試はTOEIC本番よりは難しいので、点数が取れなくてもあまりがっかりする必要はありません。恐らく多くの人は、本番の点数より低い点数が出るはずです。ただ、精選模試の2と3ほどは難易度が高くないので、繰り返しやる用の模試として、比較的おススメしやすいです。

精選模試(無印)の私の得点率

まずは一覧表で得点をご紹介します。この模試にはそれぞれ5つのテストが含まれています。

精選模試(無印)リスニングリーディング
テスト194/10097/100
テスト296/10097/100
テスト3100/10097/100
テスト498/10099/100
テスト599/10099/100

上記の結果から平均点を出すと、

リスニング 97.4点

リーディング 97.8点

ということになりました。私はこの模試を約3年前に繰り返し解いております。ですので、なんとなくやったことがあるな、と感じる問題もありました。よって、もし初見で解いていたらもう少し点数は低くなったかもしれません。ただ、実際に解いていて、はっきりと思い出せる部分は全くありませんでした(それはそれで悲しい事だが)。

次に、精選模試2・3と点数を比較してみたいと思います。

リスニング平均リーディング平均
精選模試(無印)97.4点97.8点
精選模試295.8点96.4点
精選模試393.2点92点

点数から見ても、精選模試(無印)が比較的、難易度が低いのが分かります。実際、解いていても素直な問題が多かった印象でした。TOEIC本番も、ほとんどは素直な問題で占められていると私は思います。ですので、ひねった問題やひっかけ問題のようなものは、例えば900点後半を目指している人だけが、積極的にやれば良いと思います。

というわけで、精選模試2と3は高地トレーニング向けという認識は変わりません。ですが、精選模試(無印)は、本番を想定してやる模試として、なかなか良い素材だと思います。ただ、重ねて言いますが、本番よりは難易度が上ですので、その点はご注意ください。難しい問題をやっている、と言う認識で、得点率や時間配分を考えるとちょうど良いはずです。

初中級者の方が精選模試(無印)を使う場合の勉強法

まず、初心者の方は、公式問題集を先にやることをおすすめします。その後でこの模試をやると、難易度の違いをいくらか把握できるはずです。そして、この精選模試(無印)が難しすぎると感じたならば、無理をしてやる必要はありません。自分のレベルに適した教材や模試をやった方が学習効率が良くなります。例えば、解説が丁寧な「究極の模試600問+」が、初心者の方にはおススメです。

一方で、中級者以降の方は、この模試を繰り返しやるメリットが大きいと思います。ここでは具体的な勉強方法を、簡単にご説明します。

リスニングの勉強方法

まずは普通に解いてみる。一気に解かないで、partごとに分割して解いてもOK。答え合わせをして、間違った問題のリスニングを聞き取れるようになるまで、繰り返し聞く。そして、少し時間を空けてから同じ問題を解いてみる。また間違ったら、そこを繰り返し聞く。それの繰り返しをすると、経験値が溜まっていく

ただ、現段階でリスニングの点数があまり取れない場合、TOEIC以外の、もっと簡単な教材でリスニングをした方が良いです。実際、TOEICのリスニング音源は難易度が高いです。細かく聞き取れるようになるまでには、かなり時間がかかります。私の場合は、学習を始めて4年目(3000時間~)ぐらいたってようやく、細かく聞き取れるようになり始めました(それまでの勉強方法にもよる)。

この模試で、「細部が聞き取れないが、全体としてはなんとなくわかる」ぐらいの感覚ならば、繰り返してやる意味は大きいです。リスニングの経験値を積み重ねて行きましょう。続けていれば必ず、聞き取れるようになります

リーディングの勉強方法

まずは普通に解いてみる。一気に解かないで、partごとに分割して解いてもOK。ただ、リーディングは時間を測って解いた方が良い。必ずしも時間内に解く必要は無いが、どのぐらい時間が足りなかったのか、把握しておくことは大切(時間配分の意識を高める為)。

リスニングと同様に、間違った問題を見て、その原因をしっかりと把握しましょう。文法的に理解できていない部分があれば、参考書やネットで、ある程度納得が行くまで調べて下さい。そして、次に同じ問題をやったときに、確信をもって正解を選べるようにしましょう。

その後、時間を置いて同じ模試を繰り返しやりましょう。繰り返せば繰り返すほど、正解率は上がるはずです。答えを覚えてしまうレベルまでやってもOKです(というかそうすべし)。part7で時間が足りない方も、繰り返し解いていれば、時間内に回答が終わるようになるはずです。どれぐらいのスピードで解けばよいのか、そこで把握することができます

リスニング、リーディングともに、95%以上正答出来るようになったら、いったんその模試はクリアという事にしましょう(クリアのタイミングは、もちろんカスタマイズOK)。そして、数か月後、もしくは数年後にまた解くのもおススメです。ちなみに私は、3年前にこの精選模試(無印)を恐らく5回は解いているはずです。ですが今回、内容はほとんど忘れていました……(ある意味コスパが良い)。

繰り返しやっても細部は忘れるが、確実に実力は向上する

3年ぶりに精選模試(無印)を解いてみて、具体的な内容をほぼ忘れていたので、ちょっと残念な気持ちになりました。ただ、繰り返し解くことで、積み重なっていく部分は確実にあるとも感じています。確かに問題の細部は忘れてしまうのですが、文法や単語にたくさん出会うほど、無意識の領域に、そのおおまかな印象は蓄積されていきます。結果として、本当にゆっくりとですが、実力が向上していきます

ですので、初中級者の方は、何度も間違う事にあまりガッカリしないでください。これこそ、脳に刻み込んでいる過程で、それは必要な学習なのです。その繰り返し学習用に、この精選模試(無印)はとても適していると私は思います。

ただし、問題を解いていて、ストレスがあり過ぎると学習効率が悪くなることがあります。ご自分のレベルに合わせたものを、チョイスするようにして下さい。