「TOEIC L&Rテスト 文法問題でる1000問」を再レビューしました

学習4年目で初めてこの本を使ったときの話

私は英語学習を35歳で始めるにあたって、英語上達完全マップを参考にしました。その完全マップでは、文法学習が非常に重要視されています。そのため、私も基礎的な瞬間英作文に始まり、中学、高校英語の文法を徹底的に勉強しました。大学受験用の参考書もたくさん使ったのですが、なかなか「英文法が分かった」という感覚にはなりませんでした

というわけで、完全マップで推奨されている以上の参考書を、今まで手当たり次第に使ってきました。しかし学習8年目の今でも、腑に落ちていない領域が結構あります。忘れるスピードが早すぎて、理解が追いついていないということもあるとは思いますが。とにかく、英文法は奥が深いというか、いくら勉強しても、し足りない領域だな、という印象を持っています。まるで底なし沼のよう。

そして、ずっと底なし沼にいるわけにもいかないので、学習4年目にTOEICを受験するにあたり、私は文法の学習を一旦切り上げました。ただ、TOEICに特化した文法学習もやっておきたいと思ったので、最後に評判の良いこちらの「TOEIC L&Rテスト 文法問題でる1000問」を使うことにしました。

たっぷりと練習問題があるので、苦手分野の洗い出しに非常に役立ちます。本のレイアウトも優れていて、頑張って問題を消化しようという気にさせてくれます。チェックマークをつける場所もあるので、不正解の問題を後でまとめるやる、ような使い方も可能です。使う人の利便性が非常に考えられている印象です。

私はそれまで、さんざん文法の勉強はしていたため、正答率も最初から7割ぐらいあり、ストレスなく勉強を進めることが出来ました。ちなみに文法の問題集をやるときには、あまりに正答率が低いとモチベーションが削がれるので、自分のレベルにあったものを選ぶことが重要です。

また、本のレベルが現状と離れていると、間違った問題の解説文が理解できない、という事も起こります。追加で辞書やネットで調べても、結局、答えの理由が結論付けられない時もあります。私もこのケースにハマることがよくありました。こうなると非常にストレスが溜まりますし、時間を浪費してしまうことにもなります。その場合、一旦その本は保留にして、自分のレベルにあった本をやることをオススメします。

久々にTOEICの公式問題集をやったら、リーディングで苦労をした

TOEICで980点取った後に、3年かけて英検1級の勉強をして、ギリギリでしたが合格できました。そして現在、再びTOEICを受けようと思っています。そこで、まずは手持ちの公式問題集をやってみました。

この本は公式問題集のなかでも、かなり易しい方だと言われているようです。実際、私も昔やったときに同様の印象を持ちました。そして今回やってみた結果は、リスニングはほぼ満点だったのですが、リーディングは結構間違いが多かったです。特に、part5(文法パート)のミスが目立ちました。あと、初回は制限時間内に解くことが出来ませんでした。

そこで思い出したのが、TOEICはそれ専用の学習が必要ということです。絶対に必要という事ではないのですが、TOEICの問題の解き方というものがあり、それに沿って勉強したほうが、点数が取りやすいのです。だからこそ、TOEICの関連参考書がたくさん発売されているのだと思います。

そこで、私は文法パートを見直すべく「TOEIC L&Rテスト 文法問題でる1000問」を再びやることにしました。(前置きが長い

約3年ぶりにやってみて、改めて良さを感じた

まず正答率ですが、約93%でした。全部で1049問あるのですが、80問ぐらい間違えました。3年前と比べて、全体の正答率が上がったのは良かったですが、苦手分野もはっきりしました。

間違いが多かった分野を箇条書きにしますと、

  • 単数形と複数形(冠詞が絡む)
  • 可算名詞と不可算名詞(これも冠詞が絡む)
  • 形容詞か副詞か紛らわしいケース
  • 謎の分詞構文
  • 自動詞+前置詞なのか、他動詞なのか(暗記するしか無い)
  • 分離不定詞(to 副詞 動詞 みたいなやつ)(AI英作文添削サイトでは使用非推奨だった)
  • 前置詞と接続詞の違い
  • 決まっている前置詞(曜日はon で 月日はin 等)
  • 慣用表現(新たな沼

苦手分野というにはちょっと項目が多すぎるかもしれません。ただ、TOEICの勉強をされている方が見たら、ココらへんが苦労するところだなー、という感じで分かってもらえるような気もします。part5で高得点を取るためには、上記の項目の、重箱の隅をつつくような問題に警戒をする必要があります。「確かにそうだったな」と思い出すことが出来ました。同時に、この本はpart5で取りこぼしをしないためによく作られているな、と改めて感心しました(えらそう)。

実は、分野別の文法説明が非常によく出来ている

実は」と書くのは大変失礼だとは思うのですが、この本は問題集なので、文法の説明にはあまりページは割かれていません。しかし、その少ないページで、非常にわかりやすく説明がまとめられています。この本は「品詞問題」「動詞問題」「前置詞問題」などとパート分けされていて、その冒頭に軽く文法の説明が入っています。私を含めて、ココを読み飛ばしてしまう人が結構多いのではないでしょうか。この本を買う人達は、とにかく大量の問題が解きたい、という層だと思うので、いまさら文法の説明はいらないよ、という人もいると思います。

ただ今回、改めてこの本をやるにあたって、文法の説明部分をじっくり読んだのですが、とても分かりやすかったです。特に166ページの「ing形」の図解が素晴らしいと思いました。「ing形」が「現在分詞」なのか「動名詞」なのかは、なかなか理解が進まないところだと思います。それが簡潔にまとめられています。

また、312ページの「不定代名詞」の表と、313ページの「数の問題」の表もとても便利です。これらが頭に入っていれば、最速で問題の答えを出すような、戦略的なTOEICの解き方を身につけられると思います。(ただし、頭に入れるのはかなり大変

という感じで、この本は単なる問題集ではなく、総合的な文法学習にも役立つな、と思いました。

そこまで細かい文法の理解が必要なのかどうかは置いておいて

基礎的な文法の理解が出来ている人にとって、点数のかさ上げをするのに、非常に適している本だと思います。また、900点以上取れている人でも、リーディングで取りこぼしがないように、苦手分野の穴を埋めるのにも適しています。私も、990点をいつか取りたいと思っているので、今回この本で、重点的に勉強すべき箇所が分かって良かったです。

個人的にちょっとだけ不安があるとすると、TOEICの満点を目指すのは、英語学習としてコスパが悪そうだな、ということです。受験英語とも少し似ていて、ものすごく些末な知識を得るために、大量の時間を使ってしまう恐れがあると思いました。

ただ、この本をやり込む分には、無駄になることは無いはずです。経験上、この本を95%ぐらい取れるまで繰り返し勉強すれば、part5も9割以上は確実に取れるようになると思います。オススメです。