英検1級2次試験対策で、暗唱するのにオススメなジャンル3つ(オンライン英会話にも使える)

すべてをカバーするのはキツイので、ジャンルを絞る必要がある

英検1級の2次試験では、提案された5つのトピックから一つを選んで、2分間で自分の意見を伝える必要があります。そのあとに、二人の面接官から質問を受けて、ディスカッションをすることになります。私は2次試験の結果がギリギリの点数だったので、あまり偉そうなことは言えないのですが、集中して勉強すると応用が効きやすいジャンルがあるな、と思っています。

というのも、2次試験対策で勉強したことが、現在オンライン英会話でも役立っていて、話を広げやすい話題は、一定の特徴や傾向があると感じています。

英検1級の2次試験対策で、重点的に勉強すべきジャンルというのは、参考書などでも紹介されています。基本的にはそちらを参考にすればよいと思いますが、その場合は、カバーしなければならない範囲がかなり広くなります。恐らく、狭い意味では10種類、広く言えば30種類ぐらいのジャンルを、カバーすることが推奨されているハズです。

ただ、上級者の方以外は、すべてのジャンルをカバーする前に、自分の得意ジャンルを作っておくことが、現実的かつ、効率的な試験対策になると思います。そして実際の試験では、与えられた5つのトピックの中で、自分の得意なジャンルに関連させて、話せそうなことを選ぶことができるかが、勝負の分かれ目になると思います。

ということで、勉強するジャンルは幅広いのに越したことはないのですが、多少ジャンルを絞って勉強する方も多いと思います。そこで今回は、私が思う、重点的に勉強すると応用が効きやすいジャンルを、実例を含めてご紹介したいと思います。

それぞれが微妙につながっているジャンルがおすすめ

おすすめジャンルその1 高齢化問題(aging population problem)

私はオンライン英会話で、フィリピン人の先生と話すことが多いです。そして例えば社会問題について語るとき、東南アジアの国と比較して、日本では高齢化問題が深刻になっていることをよく話します。この言葉は使える状況が限定されている感じで、あまり応用が効かない様に聞こえるかもしれません。ただ、これは他の先進国(developed countries)でも直面している問題ですので、世界規模の経済問題に絡めて話すこと出来ます。

例えば、

労働人口が先進国では減っている、なぜなら高齢化問題深刻化しているからです。

(The working population is declining in developed countries, because the aging problem is becoming more serious.)

という感じです。さらにこの話題は、テクノロジーや医療のトピックにもつなげやすいです。

例えばテクノロジーなら、

高齢者による自動車事故が頻発しているので、自動運転やAIの技術がその解決に役立つでしょう。

(Car accidents caused by the elderly are becoming more frequent, and automated driving and AI technologies will help solve this problem.)

医療ならば、

国民の高齢化によって、医療費の拡大が懸念されています。

(The aging of the nation’s population has raised concerns about the growing cost of health care.)

さらに、医療とテクノロジーを同時に扱うなら、

オンライン診断によって、へき地に住むお年寄りでも、適切な医療を受けられるでしょう。

(With online diagnosis, even elderly people living in remote areas will be able to receive appropriate medical care.)

という感じで、他のジャンルに非常に絡めやすいです。また、この問題は日本人としては身近な問題なので、この問題を解決するにはどうすればよいのか、というようなお題に対して話す場合、アイディアが生まれやすいです。

例えば私がフィリピンの先生と話しているときには、将来的に、日本が東南アジアから移民を受け入れるだろう、という展開になることも多いです。この移民も結構応用がしやすい言葉です。高齢化問題による、労働人口の減少を食い止めるためには移民が必要。しかし移民を受け入れた先進国は、テロに苦しめられているケースもある。文化の違い摩擦が起きている。それを解決するためには若い世代への教育が重要。

という感じで、話が(他のジャンル)につながるように訓練をしておくと、実際の試験でも柔軟に対応できるようになると思います。

おすすめジャンルその2 若者への教育(education for young people)

私はオンライン英会話で、デイリーニュースという教材を使うことが多いです。これは、時事問題や世界のニュースについて、先生とディスカッションする教材です。この教材自体が、英検1級の2次試験対策に適しているので、おススメです。そして、この教材で、先生と様々な問題について話し合った場合、若者の教育をしっかりとすることが重要、という結論に落ち着くことが非常に多いです。

例えば、テロ、環境問題、貧困など、どれもが2次試験のトピックになりそうな題材です。これらを解決するにはどうすればよいのか、個別に詳しく考えるのは結構難しいと思います。また、実際の試験では、あまり具体的なことを言う時間はありません。そこで、若い世代への教育を促進することを強調すると、結論が簡潔にまとめやすいです。また、大抵の問題への解決策として、十分なアピールになるのでおススメです。

例えば、テロ問題を解決する場合、

テロを防ぐために、他の民族や文化への理解を深める必要があり、教育が非常に大切です。

(To prevent terrorism, education is very important, because we need to develop a better understanding of other peoples and cultures.)

環境問題を解決する場合、

リサイクル再生可能エネルギーへの意識を高めるため、若者への教育が必要です。

(We need to educate young people to increase their awareness of recycling and renewable energy.)

貧困を解決する場合、

経済格差をなくすためには、途上国の若者に、十分な教育機会を与える必要があります。

(In order to eliminate economic disparities, young people in developing countries must be given adequate educational opportunities.)

という感じで使えます。

私のオンライン英会話での経験上、問題意識が高いやや厳しめな先生と話したとしても、この教育問題で落ちをつけると、ほとんど反論を受けることがありません。むしろ、先生たちがかなり同意してくれるケースが多いです。ということはつまり、2次試験のディスカッションパートでも、結構防御力の高いカードになりうると思います。

実際に、私は自分の2次試験の時に、

日本の経済を活性化させるためには、今後、英語教育を促進する必要性があります。

(We need to promote English education in the future in order to stimulate the Japanese economy.)

という感じで使ってみました(お題は世界経済の話だったので、少し論点がズレていた)。

そこで、面接官も話に乗ってくれて、ではそれを促進するにはどうすればよいのか、現状では何が問題なのか、という展開になりました。そこで私は、

政府が教育にもっと投資して、外国から英語の先生をもっと受け入れるべきです。

(The government should invest more in education and accept more English teachers from abroad.)

という風に話して、なんとか話をまとめることが出来ました。

以上のように、若者への教育は、結論や対策として説得力があります海外と日本との比較、先進国と途上国の比較、のような話題にも絡めやすいのでおススメです。

おすすめジャンルその3 先進的な科学技術(advanced technology)

先進的な科学技術の中で、非常に応用が効きやすい言葉があるので、それをご紹介します。

AI(artificial intelligence)

高齢化問題のところですでに紹介しているのですが、例えばAI自動運転を可能にして、交通事故や渋滞を減らしてくれるでしょう。また、AIドクターが医療のコストを下げ、途上国の医療を充実させる可能性があります。

バーチャルリアリティ(virtual reality)

例えば、パンデミックや貧困のせいで、学生が学校に通えないケースがあります。しかし、バーチャルの世界で通学と同じ経験が出来るならば、問題を解決することが出来ます。また、バーチャルリアリティを利用して、外科医が、へき地にいる患者の手術を出来るかもしれません。一見、とっつきにくく見える言葉かもしれませんが、深い知識が無くても、結構便利に使えます。

人工衛星ベースを利用したインターネットサービス(Satellite-based Internet service)

宇宙関連の話題が、オンライン英会話の教材ではたびたび出てきます。英検でも、宇宙関連技術の投資が本当に必要かどうか、みたいなトピックが出ることがあります。そこで私が注目しているのが、人工衛星を利用したインターネットサービスです。

この言葉も一見、使いにくく見えると思います。この技術のポイントは、場所を選ばず、インターネットを利用出来る可能性があるという事です。有名なアメリカの大富豪、イーロンマスク氏が既にこのサービスを実現しています。そして将来利用コストが下がれば、途上国の子供でも、ネットを通じて教育を受けることができるようになります。世界中の誰もが、AIドクターによる診断を、無料で受けることが出来るかもしれません。

という感じで、割と万能性のある技術なので、問題の解決策として提案しやすいと思います(実際にコストが下がるかは別として)。

暗唱はお勧めできないという意見もありますが

例えば、今回紹介した3つのジャンルを、英検1級の2次試験対策として、重点的に勉強するとします。その方法なのですが、私は暗唱をおすすめしたいと思います。と言っても100%、一字一句、暗記する必要はありません。模範解答を手に入れるか自分で作るかして、それの8割ぐらいの内容を、いつでも言えるようにしておく、ぐらいの暗唱の仕方で十分だと思います。なぜなら、覚えた内容をそっくりそのまま、本番で使えるということは考えにくいからです。

むしろ暗唱の内容は、毎回ちょっとずつアレンジして言えるようにすると、良い訓練になります。要は、アレンジや応用をするための土台として、暗唱をするということです。その際には、今回紹介したようなキーワードを軸にすると、文章を組み立てやすいです。

上記の3つのキーワード以外にも、ご自分の興味のあるジャンルで、応用の効きやすい物を探してみて下さい。それらをうまく組み合わせて、柔軟に話を展開できると理想的です。暗唱は結構な苦行になるとは思いますが、嫌になるほど繰り返すと、そのうち自然に言葉が出てくるようになります。ぜひ、試してみて下さい。