例文暗唱(筆記)の勉強を再開して、効果を実感しています
私は現在英語学習9年目なのですが、最初の4年間はTOEIC中心の学習だったために、英作文の勉強は全くしていませんでした。当時、英語上達完全マップに従って勉強をしていたので、文法に関しては中学・高校、そして大学受験用の文法問題集をひたすらやりこむ、という勉強方法を取っていました(方法としては間違ってなかったハズ)。
その後、学習5年目に英検1級を目指すことにして、英作文の勉強を開始しました。最初の内は英作文をどのように書いたら良いのか、全く手がかりがありませんでした。また、無理やり書いたとしても、間違いだらけで唖然とした記憶があります。
ただ、その後、英作文の勉強方法をいろいろと調べて、まずは例文暗唱をすること(筆記も)から始めました。その結果、徐々に文章を書くことが出来るようになり、間違いも少しづつ減って行きました。結果、英検1級の英作文では、32点中30点取ることができました。
英検1級取得後、現在はTOEIC中心の勉強に戻っています。ただ同時に、今後は4技能の勉強をバランス良くやりたいと思っています。ということで、英作文の暗唱(筆記)を再開しています。
例文暗唱は、丸暗記では効果が半減してしまう
例文暗唱の学習効果に関しては、否定的な意見もあるようです。それは恐らく「文法学習をせずに例文を丸暗記」した場合、学習時間に対する効果が、かなり低くなってしまう所から来ていると思います。
英語の暗唱用例文集は、素晴らしい物がたくさん出版されています。それらの本に含まれている例文は、重要な文法や単語が工夫されて組み込まれています。そのことを意識せずに、ただ単に暗記をしただけでは、学習効果が半減してしまいます。
実際、私もそれで失敗をしたことがあります。学習2年目に以下の本を、瞬間英作文の教材として使いました。そして、暗唱が出来るまでやりこみました。
しかし、当時は文法の理解があまり進んでいなかったため、例文に含まれている文法や単語が、ほとんど身になりませんでした。また、文法の理解が浅い状態での暗唱の作業は、精神的に非常に苦しかったです(忘れるスピードも速かった)。
一方で、例文の文法事項や単語に理解がある状態で暗記をすれば、たくさんの効果が得られます。英作文に対する応用はもちろん、リーディングや文法、そして単語問題にも対処できる知識につながるはずです。
ということで今回は、例文暗唱(筆記)をした場合、どのような感じで学習効果が得られるのか、それをご紹介したいと思います。
例文暗唱(筆記)で感じている、具体的な効果とは
まずは有名な英作文の本から、暗唱用例文をピックアップ
英検1級を受験するときに、例文暗唱をしたという事を先ほど述べました。その例文は、以下の有名な参考書からピックアップしています。文法的に難し過ぎない事と、解説が丁寧である、という点を基準にして、当時は選びました。
ドラゴン・イングリッシュ基本英文100
一つ一つの例文に、かなり細かい解説がついています。文章はいかにも大学受験用と言った感じです。ただそのおかげで、英検1級などの試験用としても、かなり使えると思います。
英検1級 面接大特訓
英検1級の2次対策で、非常に有名な本です。「いかに意見を述べるか」という事を、細かく教えてくれます。つまり、スピーキングの練習は、英作文に応用できます。この本の第2章に「短文練習」というパートがあり、そこから暗唱用の例文を取り出しました。
大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編
大学受験用の英作文の学習書なのですが、文法の解説書として非常に優秀です。細かい文法事項が気になったときに、私は未だに参照する事が多いです。とにかく説明がシンプルで分かりやすいです。超オススメなので、個別にレビューも書いています。
上記のドラゴンイングリッシュから100個。面接大特訓の第2章「短文練習」から54個。そして、英作文ハイパートレーニングから約200個を、暗唱用の例文としてピックアップしました(計約350個以上)。それを単語カードのようにして使っています(表に日本語、裏に英文のカード)。「日本語を見て英文をタイピングする」という作業を現在、毎日30分くらいやっています。
英文をタイピングした場合、口で暗唱をするよりも負荷が高いですし、時間もかかります。ただ、タイピングするメリットは、かなりあると感じています。具体的にそのメリットをご説明します。
正しいスペルを覚える事が出来る(書かないと覚えない)
今後、英作文のテストを受けるとして、手書きかタイピングで英文を書く必要があります。その時に、単語のスペルを間違ってしまうと、当たり前ですが減点をされます。実際に書く練習をしていないと、かなり簡単な単語でも、スペルを間違えてしまう物が結構出てくるはずです。例として、私がスペルミスしやすい単語の例を、ちょっとだけ挙げます。
私のスペルミスの例
paralyze(RとLの配置をしょっちゅう間違える)
surprise(後ろのSをZにしてしまうsurprize)
acquire・acquaintance(頭のacqが混乱を招く)
struggleとかsmugglingとかjogging(ggと重ねるのを忘れる)
bicycle(bycicleと書いてしまう)
上記の例は氷山の一角で、間違えてしまう単語は無数にあります。これはもう、書かないと覚えないです。声だけで暗唱していても、正しい綴りが出来るようになるはずがありません。ですので、例文を暗唱して書く練習は、スペルを覚えるという意味だけでも、かなり重要なうえに学習効果があります。
冠詞、大文字、カンマの位置など、文章の基本ルールを覚えることが出来る
これらのルールは、文章全体の意味にも関わってきますので、知っていればリーディングの際にも役立ちます。以下に、私が分かっていなかった物の例を少し挙げます。
「冠詞」
必ずtheが付く組み合わせがある(the busとかthe eastとか)
「大文字」
Tokyo StationとかNarita Airport(駅や空港も大文字)
「カンマの位置・有無」
前半に否定が来た場合は、becauseの前にカンマを入れるかどうか、判断が必要(カンマの有無で意味が変わる)。
これも氷山の一角で、私がしっかりと把握していない英文のルールは、大量にあります。特に冠詞は、もう、無数に覚えることがあります。例文を暗唱(タイピング)していると、いかに自分が冠詞について分かっていないのか、よく分かります。
冠詞は日本語の「てにをは」に該当するとも言われており、非常に重要なのですが、同様に難易度も非常に高いです。外国の方が「てにをは」をマスターすることを考えれば、その難しさも納得がいきます。しかし、難しいからと言って無視するわけにはいきません。英作文を書きつつ、冠詞について調べつつ、じわじわと前に進むしかないと思います。
逆に言えば、英作文の練習をしないと、冠詞についての勉強がかなりおろそかになってしまうはずです。
文法の細かい意味について、深く考えるようになる
例えば、前置詞で「in」なのか「on」のどちらを使うべきなのか、ただの丸暗記では応用が効きません。私が暗唱をしている物の中で例を挙げると、
in math(数学で)
on a math exam(数学の試験で)
という部分を含む例文があります。そこで「どうしてこうなってるんだ?」という疑問が当然浮かぶわけです。その後、自分の腑に落ちるまで、ネットや参考書で調べる事になります。このような事を繰り返すことによって、細かい文法の理解が進むことになります。これは、問題集を解いているだけでは、なかなか身につかない部分です。
慣用表現として、丸暗記しなければならないものも結構あります。ただ、一度疑問を持って調べたものは、頭に定着がしやすいです。例えば前置詞を何度も書き間違えていると、本当に少しづつ、正しい前置詞のイメージが頭に入ってきます。問題集で前置詞の穴埋め問題をやるよりも、身に沁みる感覚があります。
他人に説明出来るレベルにならないと、正しい英文が書けない
ちょっとキリが無いですが、文法に関して、他にも私が分かっていなかった例を挙げると、
thatとwhichがどう違うのか
thatを省略して良いのはどのケースなのか
関係詞と接続詞のthatはどう違うのか
など結構基本的な事ですが、私は最近まで、結局よく分かっていませんでした。現在、英作文の例文を書きながら何度も間違えては調べ、という事を繰り返しています。未だに「ifとwhetherの違いはなんだっけ」となって、なかなか覚えられません。最近レビューをした以下の本で、
「文法問題の正解の根拠を、他人に説明できる」レベルになって、ようやく理解をしたことになる、という言葉がありました。学校の先生や予備校の講師の方なら、実際にそのような状況に接して、説明能力を鍛える事が出来るでしょう。
一方で、私のように英語を独学している人間は「他人に文法を説明する」状況はまずありません。ですが「英作文を正しく書く」という練習が、結構近いことをすることになると思います。なぜなら、例文の筆記で間違った場合に、その理由が分からなければ、徹底的に調べなければならないからです。
そしてその後、ゼロから英作文を書く時に、例えば前置詞を、根拠持って使うことが出来るはずです。また、それでも間違った使い方をしていたら、AIの作文チェックツールに、すぐにダメ出しを食らいます(AIチェックについては以下の記事をご参照ください)。
ということで、例文暗唱と英作文の練習は、非常に学習効果が高いのでおススメです。ただ、結構手間と時間がかかりますし、学習の負荷も高いので、計画的に学習に組み込む必要はあると思います。