「2023年第2回英検1級2次試験」の感想と、AI英会話アプリがどのように役立ったのか

2年ぶりの受験で、英会話の上達を感じる事ができた

本日(2023年11月23日)に英検1級の2次試験を受けてきたので、記憶が鮮明なうちに感想を残して置きたいと思います。合格発表は12月1日ですが、たぶん合格点は取れている……と思います。

最初に内容を箇条書きします。

受験は2回目なので、あまり緊張せずに済んだ

早めに会場入りしたおかげで、待ち時間が少なくて良かった

面接で選んだトピックが、自分の興味のある内容に近づけられたのでラッキーだった

ほとんど沈黙なく、ずっとしゃべり続けられた

前回の受験から2年経っているが、まあまあ成長を感じられたので嬉しい

試験本番では、発音にあまり注意を割くことは出来なかった

AI英会話アプリを中心に勉強をしてきたけれど、かなり役立ったと思う

という感じです。大きな失敗は無かったと思うので、一安心です。前回の受験(約2年前)では発音が10点中5点で、合格点は本当にギリギリでした。

今回はそのリベンジという意味もあったのですが、試験に集中している状態で、発音にしっかり気を配るのは難しかったです。発音は、2年前よりは良い点数がとれたと思いますが(たぶん)、まだまだ勉強が必要だと感じました。

会場入り→試験開始までの大体の様子

試験会場の集合時間が12時50分だったのですが、早めに行けば待ち時間が短くて済む、という情報をネットで得ていました。という事で、12時20分ぐらいに試験会場の大学に到着して、会場入りしました。

待合室になっていた教室に、すでに30人以上の受験者がいたので、もっと早く来ても会場に入れてもらえたようです。ただ、早く入れてもらえるかどうかは試験会場によるらしいので、その点はご注意ください。

会場の入り口で受験票のチェックがあり、スマートホンは電源を切って専用の袋に入れることになります。私はたまたまうっかり、スマホを2台もっていたので、それらを袋にいれて首から下げる羽目になりました(超重い)。試験が終わるまで、基本的にはその袋をずっと首から下げていなければいけないので、ご注意ください。軽いスマホを一台持って行くのが理想的だと思います。

ということで、会場入りしたらスマホは使えないので、順番待ちをしている時用に、参考書を用意しておくと良いと思います。

上記の本が大定番だとは思いますが、結構分厚くて重いです。もっと軽くて小さい本の方がよいかもしれません。ちなみに私は、下記の本を無理やり分割して軽くしたものを持って行きました。上記の本より文章がシンプルなのでおすすめです。英検1級の英作文対策の本は、面接対策としても十分使えます。

試験が始まる前に面接カードに名前と生年月日、受験番号などを記入します。そのカードを二人の面接官に渡す必要があるため、2枚の面接カードに同じことを記入します(ちょっと面倒くさい)。それが終わったら、試験が始まるまで待機です。参考書を読んだり、トイレに行ったりしました。

午後1時ぐらいから試験が開始されて、6~7人づつ面接会場へ移動する事になります。私は席順が35番目ぐらいだったので、5ターン目ぐらいに面接会場に移動しました。それがだいたい午後1時20分くらい。前回よりもだいぶ早く試験に臨む事が出来ました。時間に余裕があれば、早めに会場入りするのはおススメです。緊張する待ち時間を減らすことが出来ます。

面接会場の教室の前で、受験者は2人づつ順番待ちをします。そして午後1時30分くらいに私の名前が呼ばれて、試験が開始されました

先に書きますが、面接の所要時間が約10分。ですので、試験が終わったのが午後1時40分くらいで、会場の外に出たのが1時45分ぐらいです。12時20分に試験会場に入ったので、トータルで約1時間25分(85分)でした。1次試験やTOEICより短いですし、実際の面接は10分しかないのですが、疲労感は結構ありました(解放感も凄い)。

試験開始~終了までの大体の様子

面接官は小柄で真面目そうな、50代くらいの日本人女性と、30代くらいの恰幅の良い白人男性。日本人女性はフレンドリーな印象でしたが、白人男性はちょっと退屈そう(眠たそう)にしていました。机を指でトントン叩いたりして、ちょっと印象が良くなかったですが、まあ、フレンドリーな人ばかりではない事は想定内です。お互いに自己紹介をして(名前だけ)、試験が始まりました。

ここからの流れは良く知られているような内容で、特別なことはありませんでした。ですが、サンプルとしては細かい情報があったほうが良いと思うので、覚えている事をなるべく書きます。

英語を併記してないのが申し訳ないですが(見にくくなりそうなので)、書いてある日本語以上にシンプルで単純な英語を使っています(面接官、私ともに)。文法と単語に関しては、「中学英語+アルファ」という感じの内容です。

だから簡単、という訳では決して無く、「中学英語+アルファ」を使って、言いたい事をしっかりと伝えるのは、かなり難しいと思います。そもそも、以下の内容を日本人が日本語でスラスラ言うのも、簡単では無くて結構訓練が必要なはずです。

試験開始

女性試験官
女性試験官

あなたについて少し話してください

私

私は○○に住んでいて、サイクリングが趣味です(

※シンプルな趣味の方がよいかもと思って、とっさにサイクリングと言ってしまった

男性試験官
男性試験官

あー、サイクリングいいよね。私も好き。川沿いのサイクリングロードがいいね。

私

ですね。川沿いは信号機が無いですからね。

女性試験官
女性試験官

それではトピックの中から一つ選んでください。1分待ちます。

一分後

私

3番目の「インターネットの利用は人々の他者に対する寛容な心を育てるのに役立つか(Can Internet use help people develop tolerance for others?)」を選びました。

お題は正確に覚えていないのですが、だいたいこんな内容でした。私はIT系の話題が好きなので、このお題があって助かりました

女性試験官
女性試験官

それでは2分間でスピーチをしてください。

私

私はインターネットの利用は、人々の寛容な心を育てるのに役立つと思います。以下の二つの理由で説明します。

最初に

インターネット上でネットいじめや、悪意のある意見を投げる人が増えているという意見もあります。ただ、私はそれらの問題の多くは年配の方によって起こされていると思います。なぜなら彼らは、学校でITに関する教育を受けていません。よって、どのように情報を扱うべきか、よく分かっていないのです。

一方で若い人たちは、メディアリテラシー(情報の読み解き能力)について、学校でしっかりと習っています。ですので、どのようにSNSなどのサービスを使うべきか、良く分かっているはずです。よって、今後はインターネットを通じて寛容な心を育てることも出来るはずです。

次に

私はAIにかなり興味をもっているのですが、AIが人々のネット上のコミュニケーションを助けてくれるはずです。例えば、悪意のある人が間違った情報をSNSに挙げたときに、AIが自動的にその誤りを修正するような仕組みがあります。よって、AIの助けを使って、今後のネット上のやりとりは、より安全なものになるでしょう。そしてそれは、人々が他者に対して寛容な心をもつ助けにもなるはずです。

※ここでまだタイマーがならなかったので、上記の内容を部分的に繰り返して+10秒ぐらいしゃべったら2分のタイマーが鳴りました。

男性試験官
男性試験官

フーム(指で机をコツコツ叩きながら、不機嫌そうな顔)。社会がAIに細かく管理されてしまうという恐れは無いですか? それは良くないことなのでは?

私

あなたの意見はよく分かります。ただ、AIに細かく管理されて良いこともたくさんあります。たとえば、私は自動運転(self-driving cars)に興味があるのですが、これは非常に将来有望です。お年寄りによる自動車事故が日本では増えていますが、自動運転が実現されれば問題は解決されるでしょう。AIのような新しい技術に対して、ポジティブな態度を持つことは重要だと思います。

女性試験官
女性試験官

インターネットが出現する前の時代では、私たちは手紙を書くなどして、コミュニケーションに時間をかけていました。一方で、現在のネット上のコミュニケーションは、スピードがとても速いです。そのことは問題になりませんか?

私

先ほども話しましたが、若い世代の人たちはメディアリテラシーについてしっかりと教育を受けています。ですので、ネット上のサービスを使う場合でも、それを効果的に使えると思います。若い人たちは、客観的な視点を持ったり、正しい情報を見分ける能力があるはずです。

男性試験官
男性試験官

SNSは検閲(be censored)受けるべきだと思いますか?

私

すみません、なんておっしゃいましたか?(pardon me?)

be censoredが聞き取れなかった

男性試験官
男性試験官

SNSが検閲(be censored)もしくは、監視される(be monitored)必要はあると思いますか?

※censored に加えてmonitoredを言ってくださった。

私

SNSがAIに監視されるのは良い事だと思います。間違った情報に対して、AIはコメントを付けることが出来ますし、正しい情報を追加することも出来ます。

男性試験官
男性試験官

政府がSNSを監視するのはどうかな?

私

AIは良いけれど、政府がSNSを監視するのはあまり良くないと思います

男性試験官
男性試験官

それはなぜ?

私

独裁者がいる国もありますので、政府によるSNSの監視には危険があります。政府が人々の意見をコントロールしようとするかもしれませんので。

男性試験官
男性試験官

なるほどね(微笑み)

女性試験官
女性試験官

それでは試験を終わります。トピックのカードを裏返してもとに戻してください。

私

ありがとうございました

とにかくしゃべり続けよう、と思っていたので、それがほぼ出来たので満足でした。しゃべり続ける大切さに関して、試験前日に見たYoutubeの動画が参考になったのでご紹介します。

面接のサンプル動画などももちろん参考になりますが、試験日が近づいてきたら、上記のような「心構え」に関する動画も有益だと思いました。とにかく、空白を埋める感じでしゃべり続ける、というのは重要です。経験上、文法ミスや多少的外れな事を言っても、面接官は意味をくみ取ってくれて、会話を続けようとしてくれます。沈黙せずに会話が続けばそれだけ、点数も多くもらえるはず。

そして、しゃべりまくるためには、そのジャンルに対する情報の蓄積が大切です。繰り返し練習して、得意なジャンルを強化していきましょう。そして、選んだトピックを自分の得意なジャンルに絡めて話せると、理想的です。今回の私の試験内容でも、トピックは「ネットで他人への寛容さを育てる」事がメインだったかもしれませんが、私が強引に話をAI関連に持って行ってしまった感じがあります。でも、会話って結構そういう事がありますよね。

最後に、2次試験対策として、私が今までやってきた学習方法について少しご紹介します。

2次試験は大きく3つの部分に分かれている(それぞれの対策方法)

3つのうち、1つ目は導入部分の雑談パートです。この部分は得点には関係がありませんが、良い助走を付けられれば後半の良い流れに繋がります。面接官のしゃべり方とか、雰囲気をなんとなく掴むことも出来ます。この部分に関しては、「自分の住んでいる所」「自分の仕事」「自分の趣味」あたりで、定型文を作って繰り返し練習しておくと便利です。

2つ目は、トピックを選んでから2分間のスピーチのパートです。これに関しては、インプットの勉強が大切になると思います。日ごろから短い文章や、カギになるような単語をしっかり暗記しましょう。

例えば私は、AIとか、インターネット関連のジャンルが好きなので、その部分を中心に言える事を増やしています。cyberbullying(ネットいじめ)とかself-driving cars(自動運転車)とか、何度もタイピングをしながら単語や文章を暗記しました。すると、徐々にですが会話で使えるようになってきます。

タイピングでの暗記は英作文とつながりが深いですが、2分間スピーチにも生かせます。文章をまとめる作業ですので、やっている事は非常に近いです。また、2分間スピーチに関しては、ストップウォッチで時間を計りながら、独り言スピーチを繰り返すのが効果的です。その中で「言いたかったけど上手く言えなかった単語・表現」をストックして行きましょう。それらをタイピングの課題に組み込んで練習する、という作業を繰り返すと、言えることが増えて行きます。

3つめは質疑応答のパートです。2分間スピーチの内容に対して、面接官が質問や反論を出してきます。それに対して答える時、あまり考えすぎて沈黙しない事が重要です。少し的外れな事を言っても大丈夫。会話が続いている、という状態を維持する事が大切だと思います。

この部分に関して、私はAIの英会話アプリで練習を続けて来ました。

アプリでは、私の意見に対して、AIが一瞬で返答をしてきます。それに対して、こちらもすぐに答えを返す、という練習を繰り返しました。AIが相手ですので、的外れな答えを言ってしまっても恥ずかしくはありません。間違えてもいいので、とにかく会話を続けましょう。これに慣れると、沈黙をしないでとにかく話す、という姿勢が身に付くはずです。今回の2次試験の質疑応答で、その成果を感じることが出来ました。

合否はまだ出ていませんが、オンライン英会話の代わりに、AI英会話アプリを使う、という事は十分現実的だと感じています。英検1級の2次試験の内容は、それほど複雑ではありません。沈黙をせずに会話を続けて、相手の意見を聞いてすぐに反応する、という事がより重要かと思います。

また、AIとの会話の中でも「言いたかったけど上手く言えなかった単語・表現」はたくさん見つかるはずです。会話内容がアプリ上に文字としてすべて残るので、復習がとてもしやすいです。今後もスピーキングと発音学習のために、私が今使っている「ELSA AI」を続けて行こうと思います。

と言う感じで、取り急ぎ英検1級の2次試験の感想と、私がやってきた対策を簡単にご紹介しました。また合否が出たら、勉強方法などは詳しくご紹介できればと思います。