英検1級の2次試験対策で、模範解答(スピーチ)のレベルが高過ぎると感じた場合の対処法

満点レベルの模範解答は受験者にプレッシャーも与える

前回英作文について書いたのですが、今回は英検1級の2次試験スピーキングについて書きたいと思います。スピーキングも英作文と同様に、アウトプットの試験です。というわけで、模範解答を各所でみる事が出来ます。例えば、英検の公式サイトで、2次試験の模範解答を参照することが出来ます。

上記のページの一番下のあたりに、「英検バーチャル二次試験 1級」というリンクがあり、昔懐かしのフラッシュアニメのような形で、実際の試験の様子を疑似体験することが出来ます。

このバーチャル二次試験は結構よくできていて、実際の試験が忠実に再現されていると思います。ただ、アニメの内容は模範解答なので、恐らくこれだけの受け答えが出来れば、2次試験で満点に近い点数が取れると思います。

2次試験の模範解答は、英検1級の過去問にも、テキストと音声が収録されています。

こちらもやはり、満点レベルの模範解答になっているはずです。このレベルで、しかも発音良く受け答えが出来れば、高得点が期待できると思います(ただし、ディスカッションパートの模範解答は無い)。

英検1級の試験で、初めてスピーキングの試験を経験する人も結構いると思います。そういう方にとっては、これらの模範解答を見聞きしてしまうと、かなりのプレッシャーになってしまうのではないでしょうか。実際私も、初めて模範解答を見たときに、かなりビビりました

私はその後、スピーキング対策として、一日1時間以上の勉強を9か月ぐらい続けたのですが、最後まで試験に対する不安がぬぐえませんでした。その理由の一つとして、模範解答のレベルが高すぎるために、常に自分のスピーキング能力と比べてしまい、自信を失ってしまうという事があったと思います。

結果的に私は、ギリギリ2次試験に受かることが出来ました。まずは、その点数配分をご覧ください。

私の場合、一番酷かったのが発音のパートなのですが、これは、独学者にとってはあまり客観視できない部分です(オンライン英会話では、発音を褒められてさえいた)。ですので、通常、模範解答と比べて心配になる部分というのは、発音以外の部分ではないでしょうか。そこだけ見れば、私の場合もそこそこ点数は取れています

ただ受験後の感覚としては、試験の出来栄えかなり怪しい物でした。GRAMMAR AND VOCABULARY(文法と単語)セクションで8点取れていますが、模範解答と比べると、私のスピーチの内容はかなりレベルが低かったです。中学生レベルの英語で、なるべくミスを減らした結果、8点取れたのかも、という感じでした。ですが、そんな感想だけでは、あまり他の方の参考にはならないと思います。

2次試験では上記の表でいうと、平均7点、合計で28点ぐらい取れば合格出来ると言われています。ですので、40点満点を取る必要はありません。しかし模範解答は、40点満点を取るレベルのものとして作られているはずで、受験者はそれを参考にするしかありません。すると、それがプレッシャーになりえますし、レベルが高すぎて参考にならないと感じる方もいると思います。

だとしたら、及第点である28点のスピーチがどの程度のものか、そのサンプルを得ることが出来れば、受験者にとっては結構有益なハズです。自分のスピーチと比較して、現在の位置を確かめる手段にもなるでしょう。ということで、特に試験前に見ると良い素材があるので、それをお勧めしたいと思います。

ギリギリで受かったという方の映像を見ると、かなり参考になる

まずはこちらをご覧ください(模範的なスピーチ)。

これは英検が公式に出している、2次試験のサンプル動画です。これも模範解答なので、レベルが相当高いです。流暢だし、発音が良いなぁ。

ということで、もっとギリギリで受かった人のサンプルは無いのか、と思って探しまくった結果、こちらの動画に行きつきました。

この方はブログで2次試験の点数も公開されています。それによると、7/8/6/6の合計27点で合格されているので、結構ギリギリです。この動画では、スピーチが途中で、ちょっと詰まってしまうような部分があるのですが、それをそのまま公開して下さっています。おかげで、合格及第点のスピーチがどの程度のものか、想像がしやすいです。非常に参考になりましたし、励みにもなりました

ちなみにこの方は、同様のビデオを大量にアップしてくださっているので、ご自分のスピーチ内容とそれぞれ比較したりして、参考にするのも良いと思います。

満点レベルではなくて、及第点を意識した方が気が楽になる

かなりの上級者だったり、ネイティブレベルの方の模範的なスピーチは、比較的簡単に手に入れる事ができます。それらのビデオはもちろん参考にはなるのですが、スピーキングテストの初心者にとっては、プレッシャーの原因になってしまう可能性があります。また、レベルが高すぎて、マネできないと感じるものも結構多いです。

ということで、個人的にはギリギリ合格のスピーチが、かなり役に立ちましたのでおススメです(特にメンタル的に)。モチベーション管理や、メンタルのケアも、試験の合格には大切な要素です。試験日が迫っている場合は特に、ハイレベルなスピーチを見すぎて、モチベーションを落とさない様に気を付けて下さい。