英検1級2次試験対策(スピーキング)を約9ヶ月で間に合わせた過程を紹介します

そもそも1次試験対策に時間をかけ過ぎたかもしれない

私の英語学習の記録を見ていただくと解るのですが、学習4年目にTOEICで900点を取ったあと、約3年(3000時間)かけて英検1級の試験準備をしています。

恐らくこれは、同じようなルートを取った人と比べて、かなり遅い方ではないかと思っています。逆に言えば、これだけ時間をかけているので、一次試験に関して言うと恐らく大丈夫であろう、というレベルまで持っていくことが出来ました。結果としても、一次試験は余裕を持って合格できました。

ただし一次試験合格のあと、二次試験までは準備期間が1ヶ月ぐらいしかありません。特にそれまでスピーキングの勉強をほとんどやっていなかった方は、1ヶ月で対策するのはかなり難しいと思います。私も学生時代を通じても、スピーキングの勉強は全くやってきませんでした。ですので、一次試験の結果を見てから対策をするのは、かなりキツイだろうな、と思っていました。

ということで、二次試験対策は私の場合、試験日の9ヶ月前に始めました。ただその時点では、9ヶ月でも足りるのか、かなり不安に思っていました。なにせそれまで、英語でまともに話したことが無かったですので。

言えることを増やすために例文暗唱をひたすら繰り返した

不安に拍車をかけたのが、オンライン英会話での勉強でした。誰もがそうだとは思いますが、スピーキングを始めたばかりのころは、何を言ったらいいのか、まったく分かりません。簡単な自己紹介と、挨拶の定型文ぐらいしか、頭の中にストックされていませんでした。なので、言えることを増やすべく、瞬間英作文での例文暗記をオンライン英会話と並行してやりました。単語カードと同じ要領で例文のカードを作って、日本語の文を見たらすぐに英語が出るようになるまで特訓しました。その時に使ったのが、有名なドラゴン・イングリッシュです。

100個の例文を、解説文を繰り返し読みながら瞬間英作文で暗記しました。この本は特に難しい単語は使っておらず、そして、大切な文法事項をシンプルにまとめてくれているのでオススメです。本来は英作文のための本ですが、スピーキング対策と英作文対策はかなり領域がかぶるので、例文の暗記は学習効果が高いと思います。

加えて、英検1級の2次試験では、政治や環境などの時事問題について、試験官とやりとりをしなければなりません。ですので、ドラゴンイングリッシュの内容では、情報量としては足りません。そこで、こちらも有名な「英検1級 面接大特訓」を利用しました。

この本はいろんな使い方が出来るように工夫されています。1級対策の読み物としても有益なので、かなりオススメです。というか、恐らく英検1級を受ける人の多くが購入していると思います。私はこの本の、「第2章 短文練習」にある58個の例文を瞬間英作文で暗記しました。やり方は同じく、単語カードを使いました。

ところで、例文暗唱をしても、スピーキングにはあまり効果が無いという方もいらっしゃいます。その根拠としては「覚えた例文をそのまま使うことができないから」という事のようです。たしかに、会話の内容はその場その場で毎回違うので、暗記したものを全くそのまま使うのは難しいでしょう。

ただ、暗唱を繰り返すと、無意識的に文章が頭に組み込まれているレベルになります。すると、暗唱した例文を脳が勝手にアレンジしてくれたり、部分的に利用する、ということが可能になります。私も驚いたのですが、暗唱をめちゃくちゃ繰り返してやっていると、脳の方で勝手に英文を構成・提案してくれるようになります。さらに言えば、口が勝手にしゃべっているみたいな事も起こり始めました。ですので、スピーキングを始めたばかりで、何を言ったらわからない、という状態の時は特に、例文暗唱は効果があると思います。

また、オンライン英会話は教材を自分で選べるので、事前に準備をしておくことが可能です。ですので、予習に時間をかけて、言いたいことを準備しておくのもオススメです。すると、言葉につまる、ということを減らせると思います。

例えば「on the other hand」(一方で)という言葉を授業の少し前によく見て置いてください。書き出しておいても良いと思います。それを授業中に必ず3回使うとか決めて置くと、学習効果が高いです。そのようにして言葉のストックを増やしていくと、だんだんと話が流れ始めます。「on the other hand」のようなストックが100個増えれば、それだけ話に柔軟性が出るし、自分の言いたいことも表現しやすくなるわけです。例文暗唱と、自分の言いたい決まり文句をじわじわ増やしていくことが、話せるようになる近道のように私は思います。

会話がそれなりに続けられる、と思えるまで3ヶ月かかった

毎日25分のレッスン(時々2,3回取ることもあった)を続けて、ようやく3ヶ月ぐらいたったころ、相手と会話が出来ている、という実感を持ち始めました。ただし、会話が一応続いている、というだけで、話の中身はかなりお粗末なものでした。さらには、先生がかなり配慮してくださって会話が続いている、という状態だったと思います。これでは試験対策としてはまだまだ不十分です。ただ、進歩を感じられたので少し安心をしました。

ちなみに、先生との相性も、会話の成立には大きく関わってきます。同じ話題に興味があって、しかも良い雰囲気があれば、かなり上手く会話が出来たという印象を持つことができました。一方で、厳しい先生とか適当な先生と当たったり、話題がイマイチ盛り上がらない場合、ぐったりするほど会話が成立しない時もありました。

スピーキングの試験では、試験官が優しいとは限りませんし、言葉に詰まっても助け舟は出してくれません。ですので、オンライン英会話で空気が悪いときでも、なんとか話せるレベルまで持っていく必要があるだろうな、と思っていました。

6ヶ月ぐらいたつと、緊張もなくなって楽しめるようになった

その後も例文暗唱と決まり文句の増強をしつつ、オンライン英会話で勉強を継続しました。じわじわと話の内容が濃くなるのと同時に、会話が上手く行くときと、そうでない時のブレ幅が少なくなって行きました。余裕があるときには、先生を笑わせようとか、楽しませたいみたいに思えるときもあります。この時点で、なんとか試験でも話せるのではないか、という自信を持つことが出来ました。

逆に考えると、私は少なくともスピーキング対策に6ヶ月は必要だったわけで、もし1ヶ月ぐらいしか準備期間が無かったら、確実に失敗していたと思います。

試験日の3ヶ月前ぐらいから、オンライン英会話に加えて、テストのシミュレーションを始めました。まずはショートスピーチ用の想定問題を30問作りました。その例題はネットでも探せますし、上記の「英検1級 面接大特訓」と「最短合格! 英検1級 英作文問題完全制覇」から抜粋することも出来ます。この2つの本は、お題に対する答えを考えるのにも、非常に役に立ちます。

2次試験のショートスピーチのパートでは、2分間しゃべり続けなくてはなりません。この練習はかなりやったほうがいいです。私はかなりやったにも関わらず、当日は緊張もあって、話の構成がメチャクチャになってしまいました。初回でいきなり上手くやるのは、かなり難しいとは思います。私も今は試験の雰囲気や流れを一度経験したので、次回はもっと上手くやれるはず……リベンジしたいと思っています。

ショートスピーチに関しては、YOUTUBEでサンプルを出してくださっている先生もいて、非常に参考になりました。2次試験対策を売りにしているオンライン英会話もあるので、それを使うのも有効だと思います。ちなみに、私は英検対策専門の、オンライン英会話は利用しませんでした。いつもの授業で先生とディスカッションをたくさんこなして、それなりの対策になっていたと思います。

その後の試験の様子については、以下の記事が詳しいので、よろしければ御覧ください。発音が……くやしー。今は毎日elsa speakをやっています。

スピーキングの経験が無いならば、早めに対策をしたほうが良い

上にも書きましたが、スピーキング未経験の方が一次試験合格後に対策を始めると、かなり厳しいスケジューリングになってしまうと思います。一次試験に合格すると、その後の1年間は二次試験から受ける事ができる免除制度があります。ただ、試験料は都度払わなければなりません。

加えて、スピーキングの勉強は、他の分野にも良い影響を及ぼします。例えば英検一級の英作文はほとんど勉強内容が重なっています。さらに私は、ドラゴンイングリッシュを暗唱した結果、文法の見直しもかなり出来ました。ですので、スピーキングの勉強は早めに始めた方が良いです。恐らく、TOEICを中心に勉強している方にも、良い影響があるはずです。私も学習3年目ぐらいで始めていたら、英検1級取得がもう少し早まっていたかもしれないなぁ、と思っています(独学の弊害か)。

試験前は回数無制限のネイティブキャンプがオススメ