ますますワールドワイドに広がるvtuberの世界
vtuberとは何か。ごく簡単に説明するならば、見た目はアニメキャラクター、しかし中身は人間であるyoutuberの事を指します。私のブログでは、いままで何度かvtuberの存在をご紹介してきました。vtuberについてご存じの無い方は、過去のものを読んでいただくと、より分かりやすいかと思います。
キャラクターの中身は日本人とは限りません。今やvtuberの文化は世界中に広がっており、様々な国の方がネット上で放送をしています。海外のvtuberが放送をする場合は、英語がメインの言語になることが多いです。視聴者も世界中から集まってくるので、共通の言語としての英語が使われているのは、当然の流れだと思います。
ということで、英語学習者にとっては、海外vtuberの放送をリスニングの教材として使うことも出来ます。ただ、ネイティブのvtuberの方は、会話のスピードがかなり速めです(個人差はある)。発音は当然なめらかなのですが、なめらかすぎて聞き取れないこともあります(音の連結が多めだったり)。さらにスラングや慣用表現が使われることもあるので、非ネイティブのリスナーにとって、リスニングの難易度はかなり高めになる時があります。
ネット上では、vtuber同士のコラボレーションも盛んに行われています。多国籍コラボが行われる場合は、やはり英語がメインの言語になることが多いです。ですがその場合には、英語ネイティブの方が非ネイティブに配慮をして、分かりやすい英語を使ってくれることが多いです。
つまり、多国籍コラボのコンテンツは、リスニングの難易度が低くなる傾向があるのです。英語学習者にとって、もちろんネイティブオンリーのコンテンツは有益だと思います。ただ、英語のレベルが高すぎると感じた場合は、多国籍コラボを積極的に選べば、難易度調整をすることができます。
インドネシア人vtuberの英語がとても聞き取りやすい
vtuberをたばねて、事務所を運営している会社がいくつかあります。その中でも、カバー株式会社が運営する「ホロライブ」は大手の事務所の一つで、海外進出にも積極的です。現在「ホロライブEnglish」という、英語ネイティブ中心のグループと、「ホロライブインドネシア」という、インドネシア人のグループを、海外支部のような形で持っています。
上記のグループに加えて、オリジナルの日本人のグループがあります。それぞれのメンバーはグループの垣根を越えて、頻繁にコラボをしています(つまり多国籍コラボ)。結果として、様々なレベルの英語コンテンツが生まれています。具体的に言うと、日本、インドネシア、ネイティブの英語力がそれぞれに違うため、それの組み合わせによって、コンテンツのリスニング難易度が変わるのです。
詳細がちょっと複雑なので、表にしてみました。英語力の傾向として、日本人vtuberは初級、インドネシア人は中~上級、ネイティブは超上級、ぐらいの印象です(かなり個人差はある)。以下の表は、各地域のvtuberの参加人数によって、動画コンテンツの難易度が変わる様子を表したものです。比較のために、コンテンツの参加人数は6人の場合を想定しています(割り切れるので)。
日本人 | インドネシア人 | ネイティブ | コンテンツの言語 | |
初心者向け | 4人 | 1人 | 1人 | かなり易しい英語(日本語がメイン) |
初・中級者向け | 2人 | 2人 | 2人 | メインは英語だが、非ネイティブに配慮が働く |
中級者向け | 1人 | 2人 | 3人 | 英語の比重が高い |
上級者向け | 0人 | 2人 | 4人 | ジョークや複雑な表現が含まれる |
ネイティブ向け | 0人 | 英語が得意な2人 | 4人 | ほぼネイティブ同士の会話 |
私の勝手な印象と推測で表を作ってみましたが、このように、参加しているvtuberの国籍によって、同じコラボコンテンツでも、リスニングの難易度が大きく変わります。
私の印象では、インドネシア人vtuberの方の英語は、かなり聞き取りやすいです。彼らはインドネシア語が母国語なのですが、みなさん非常に優秀で、英語と日本語に堪能な方が多いです。そして、彼らは非ネイティブとして英語を学んでいるので、文法や言葉のチョイスも比較的シンプルです。よって、リスニングの難易度がそこまで高くありません。
つまり、インドネシア人vtuberが、日本人とネイティブの中間に位置する存在となっています。おかげで、ここまで難易度にバリエーションが生まれています。学習者の方はお好みで、いろんな組み合わせのコンテンツを楽しんでみて下さい。お気に入りの海外vtuberの方が見つかれば、その人のソロコンテンツを見に行くのも良いでしょう。
おススメのvtuberコラボコンテンツのご紹介
最後に、上記の表を部分的に参照しつつ、最近私が見て面白かったコンテンツをご紹介したいと思います。せっかくですので、今回はインドネシア人vtuberの方に特に注目したいと思います。
初心者向け(日本人・日本語多めの海外コラボコンテンツ)
以前もご紹介していますが、上記は、英語が堪能な日本人vtuberの鷹嶺(たかね)ルイさんのコンテンツです。彼女が司会を務めて、英語の伝言ゲームが行われています。構成メンバーは、日本人3人、インドネシア人1人、ネイティブ2人となっています。説明などは日本語なので、英語の初心者でも楽しめるコンテンツになっています。
日本人vtuberは英語が苦手な方が多いのですが、コラボを重ねるごとに英語への興味が増して、勉強の意欲も沸いているようです。というわけで、英語学習者にとっても、モチベーションにプラスになるコンテンツだと思います。
初・中級者向け(易しい英語がメインのコンテンツ)
引き続いてこれも鷹嶺(たかね)ルイさんのコンテンツです。インドネシア人vtuberのKobo Kanaeru(コボ・カナエル)さんに、日本語を教える内容になっています。ただ、二人のコミュニケーションは易しい英語がメインになっています。お互いに非ネイティブなので、難しい表現は一切出てきません。
コボ・カナエルさん自体がそもそもかなり面白いので、言語に関係なく楽しめると思います。東南アジア人の明るいメンタリティが発揮されていて、見ているだけで元気をもらえます。
中級者向け(いろんなレベルの英語が混ざり合うコンテンツ)
これはamong usという鬼ごっこのようなオンラインゲームを、多国籍vtuberがコラボでプレイしているコンテンツになります。参加しているvtuberごとに視点を選べるので(それぞれが個別に放送をしている)、英語が得意な方はネイティブ視点で、初心者の方は日本人視点で楽しむ、みたいなことも出来ます。上記のリンクはインドネシア人のKureiji Ollie(クレイジー・オリー)さんの視点です。
彼女は英語と日本語、そしてもちろんインドネシア語に堪能なので、このようなコラボにはうってつけの人物です。鬼ごっこの途中で言語縛りのルールが適用されて、みんなの会話が英語オンリー、もしくは日本語オンリーになったりします。学習目的というよりも、カオスな状況を楽しむ感じで見ると良いかもしれません。
同様のコンテンツで、ファンの方が日本語訳を付けてくれているものもあります。この手の翻訳コンテンツは非常に人気があるので、探せばたくさん見つけられると思います。動画の翻訳はものすごい労力が必要だと思いますが、需要があるので、かなりの収入を得ている人もいるようです。割と最先端の仕事ですよね(英語+動画編集+vtuber)。
上級者向け(インドネシア人+オーストリア人の英語コラボ)
先ほどもご紹介した、インドネシア人のKobo Kanaeru(コボ・カナエル)さんのチャンネルから。オーストリア人でドイツ語ネイティブの、Takanashi Kiara(タカナシ・キアラ)さんとのコラボコンテンツです。二人は謎解きパズルゲームをやっているのですが、コミュニケーションは英語オンリーです。ただ、二人とも非ネイティブなので、リスニングはめちゃくちゃ難しいわけではないです(ただし簡単でもない)。
パズルゲームを協力して解く必要があるので、お互いに英語で指示を出し合っています。結果として、日常会話とは一風違った英語を聞くことが出来ます。道案内で使うような表現が出てくるので、より学習者向けの英語コンテンツになっていると思います。
ネイティブ向け(ネイティブの日常会話を聞いているようなコンテンツ)
全員ネイティブなので、いきなりレベルが上がってしまいますが、かなり面白かったのでおススメします。有名なマインクラフトという箱庭ゲームの中で、英語ネイティブのみなさんが冒険をするコンテンツとなっています。上記のリンクは、英語の発音がめちゃくちゃ綺麗な、Ouro Kronii(オウロ・クロニー)さんのチャンネルです。
やはりネイティブ同士だと、英語の印象もガラッと変わります。やたらと開放的で、皮肉の効いたジョークが飛んだりと、ネイティブの日常会話を思う存分に楽しむことが出来ます。あくまでもゲームのプレイがメインなので、そこまで難しい表現は出てこない印象です。100%聞き取るのは難しいと思いますが、雰囲気だけでも楽しいので、是非チャレンジしてみてください。