英語学習が社会人の趣味に適している理由を3つあげて説明します(お金・年齢・環境)

なによりもお金がかからない

まずは一冊、参考書を選んで、毎日継続して勉強をしてみる

大人が趣味を始める時に、まずは道具とか、スクールに通うとか、結構な額のお金を使ってしまう物です。その趣味が長続きすれば良いですが、恐らく、途中でやめてしまう確率の方が高いでしょう。最初はどんなことでも魅力的に見えるものです。ただ、継続することが難しくなって、いつの間にかその趣味を止めてしまう、という経験は誰もがしたことがあるはずです。

というわけで、何か新しく趣味を始める時に、初期費用は安いことに越したことはありません。「最初に大金を使えば簡単には辞められない」という効果を狙って、英語コーチングや、英会話スクールに入る人もいますが、それはちょっとだけお待ちください。まずは何か一冊、参考書を選んでそれを最後までやり通せるか、それを試してみてください。

英語学習の始め方に関しては、私はいくつか記事を書いています。

その中でもご紹介していますが、例えばこれです。

どこの本屋さんの英語コーナーにも、必ず置いてあります。電子書籍ではなく、実際の本を買ってみることをおススメします。部屋の中に本があると、どうしても目につきます。自分が新しい趣味を始めて、この本を毎日やる事にしたのだ、というメッセージになります

参考書での勉強を毎日少なくとも1時間まずは一か月続けられるかどうか、試してみましょう。「たったそれだけ?」と思うかもしれません。ただ、恐らく1週間もしないうちに、やめたくなる人が続出するはずです。

続けられるかどうか、を見極めるまでお金は使わない

どんな趣味をやりたいか、はもちろん重要ですし、それが最初のモチベーションになるでしょう。ただ、それを本当の趣味にするためには、続けられるかどうか、という相性問題を先に見極める必要があります。ですので、この最初のお試し期間は結構重要です。そして、この部分には、なるべくお金をかけないようにすべきです。途中で辞めてしまっても、失う物が少なくて済みます。

他の趣味に比べて、英語学習(語学)はこのお試し部分にほとんどお金がかからないので、大人の趣味として優秀であると私は思います。あなたは大人なので、やるもやらないも自由です。子供の習い事と違って、誰かに強制されたり、励まされたりもしません。だからこそ、続けられるかどうかが、すぐに判明します。

人や条件を選ばない(能力・年齢・場所は関係が無い)

英語を趣味でやる場合、スタートラインに有利不利は無い

私は35歳の時に英語学習を始めたのですが、特に遅すぎた、というようには感じていません。最初は、記憶力の衰えが学習に及ぼす影響を、多少心配はしていました。実際、10代の頃に比べれば、学習の進み具合はかなり遅くなっていると思います。

ただ、語学を趣味でやる場合、習得の遅さは特に気にする必要は無いはずです。誰かと競い合っているわけでもないですし、入学や昇進のために試験を受けるわけではありません。あくまでもこれは、自分との戦いです。言い換えれば、趣味とは自分の成長を楽しむものなので、現時点での能力や年齢は、あくまでもスタートラインとして認識されるべきです。

ですので、50代や60代以上の方が英語学習を始めるのでも、なんら遅すぎる事は無いと私は思います。基礎的な学習が終わるタイミングを、例えばTOEICの900点取得だと仮定します。それぐらいのレベルになれば、オンライン英会話などで十分、外国の人と交流が出来るはずです。私の場合、900点の取得まで4000時間弱かかっています。これは、けっこう遠回りした感覚があります。

ここでちょっと付け加えておきますが、いきなりオンライン英会話を始めるのはお勧めしません最初は座学で基礎をしっかりやりましょう。その方がその後の伸びも違いますし、内容のある会話をすることが出来るようになります。

誰でも4000時間の英語学習をこなせば、ある程度英語を運用できるレベルになり、趣味としてより楽しむことが出来るということです。仕事を引退された65歳の方が英語学習を始める場合、学習のための時間は取りやすいはずです。もし一日5時間勉強が出来れば、一年間で1800時間ほどになります(もちろん、勉強のペースは各自の自由です)。

この計算だと、2年強で英語がある程度自由に使えるレベルになります。その時、68歳だとして、その後も英語力の向上はもちろん見込めますし、学習の方向性もより自由に変更できるでしょう(読書中心とか、英会話中心とか)。ですので、結構年配の方にも向いている趣味と言えるのではないでしょうか。ゴルフや山登りのように、体力を気にする必要もありません。

手ぶらで、場所を選ばずに勉強が出来る

また、語学は勉強の場所を選ばないという利点があります。現在、仕事が忙しい方でも、通勤の時間やスキマ時間を勉強に充てることが出来ます(けっこうキツイとは思いますが)。仕事の後に喫茶店に寄って、勉強をされている方も多いです。これは、仕事のストレスを解消したり、気分転換にも貢献するかもしれません。

現在は、デジタルの道具も発達しています。ノートパソコンかスマホがあれば、学習の道具は他にいらない、という状況も簡単に作れます。最初は何か、英語学習のスマホアプリを一つ続けてみる、という所から勉強を始めるのもいいかもしれません。ただし、毎日継続することが一番大切であることを、お忘れなく(時々、ちょっとだけやるのでは習慣化しない)。

結局、能力や年齢、場所のような条件よりも、毎日学習を続けられるか、の方がよっぽど重要だという事です。続けられないならば、いかに頭が良く、若くて、素晴らしい環境があっても、英語学習は進みませんし、趣味にも出来ません(当たり前ですが)。

周囲には、続けるための環境が整っている(豊富な素材と試験)

難解な参考書も、いずれはやりがいのある物になる

学生たちは、大学入試のために英語を勉強しなければなりません(恐らく義務的に)。一方で、社会人が今、改めてその英語学習の環境を見渡すと、素晴らしい参考書やアプリ、動画が周囲にあふれていることに気が付くはずです。当時は難解で、読むのが苦痛で仕方が無かった文法書も、今ならじっくりと取り組むことができます(なんとか楽しめる)。

私は大人になってから英語の勉強を再開して、たくさんの素晴らしい英語の参考書に出会うことが出来ました。同時に、学生には難解すぎると思う物がかなりありました。特に、文法と長文問題で難解な物が多いです。それらに時間を割くよりも、初歩的なスピーキングやライティングを勉強した方が、若者にとってはよっぽど実用的だろう、と思うことも多いです。

ただ、趣味で英語を勉強していて、TOEICで900点以上取れるぐらいのレベルになると、その難解だった参考書が、ちょうど良い勉強の素材になったりします。これはちょっと痛快で、学生時代の英語にリベンジを果たしているような気持ちがします。

加えて、例えば参考書で分からない所があっても、ネットで調べれば問題が解決することがほとんどです。ネットには正しくない情報もありますが、複数のサイトを比較しつつ参照すれば、十分に役立ちますし、調べ方にも習熟することができます。発音に関しては特に、YOUTUBEの動画が非常に役立ちます。

と言う感じで、学習の為の素材は簡単に見つける事ができます(お金もたいしてかからない)。そういう意味でも、英語学習はかなり環境に恵まれている、ということが出来ると思います。

英語の試験は趣味の為に使うと、適度な刺激になる

英語の為の試験である、英検とTOEICも、受験や昇進の観点から見ると、厳しい壁のように見えるかもしれません。一方で、英語を趣味でやっている者からすれば、これらの試験は実力チェックに適していますし、モチベーションを維持する用途にも使いやすいです。私はTOEICを中心に試験を受けていますが、これから勉強を始めるかたには、英検もかなりおススメできます。

英検1級はかなり難易度が高いですが、そこへ至るまでに段階的に試験があります。よって、レベルに応じた学習の計画が立てやすくなります。英検準2級か、2級あたりを目標に、まずは勉強を進めていくのも楽しそうです。そのための専用の参考書も、豊富に出版されています。英検2級が受かったら、次はTOEICを受けてみる、みたいな独自の計画を立てるのも、なかなか面白そうです。

ある程度の苦労が伴ってこそ、趣味は楽しくなる

いったん習慣化出来れば、自動的にやるようになります

学生の頃に持っていた勉強に対するイメージは、あまり良い物ではない人は多いと思います。ですが、趣味で勉強をするとなると、そのイメージはだいぶ変わって来るはずです。新しい発見があるでしょうし、例えば英語ならば、当時分からなかった文法が理解出来て、大きな達成感が得られるかもしれません。

勉強をやらされるのではなく、自発的にするのは意外に楽しい物です。ただ、もちろん勉強を継続するのには、苦労も伴います。もはや先生や学校、親に勉強を強制されることはありません。ですので、辞めてしまうのも非常に簡単です。

趣味の継続は、すべて個人の意志にかかっています。それは当たり前のことですが、まさにここがポイントだと私は思います。苦労をして達成感を得るためには、自分との戦いを続けなければなりません。けっこう辛いけど、そこを楽しむことが出来るかどうか。ここが英語学習を趣味に出来るかどうかの分岐点になります。

大人になると、生活にいろんな制約がかかってくるものです。ただ、先にも述べましたが、英語学習は時間や場所の制限が無く出来ます。よって、生活における様々な制約と、バランスが調整しやすいと思います。

最初は本当にキツイです(特に最初の3か月)。ただ、そこを通り抜けさえすれば、徐々に楽になって行きます。大人の趣味として、これほど適したものは他にそう無いと思います。一生の趣味を探している方は是非、挑戦してみてください。