本試験と比べて難易度や内容にどのような差を感じたのか
私は今まで、結構な数のTOEIC模試をこなしてきています。現在の目標が満点を取る事なので、最近は難易度の高い模試をやる事が多いです。
ただ今回は、公式問題集5が中古で安く手に入った(状態良が500円!)ので、やってみました。公式問題集5は2019年の発行ですので、それから約4年が経過して、現在のTOEICとの違いもあるはずです。そこら辺に注目しながら、今回はレビューをしたいと思います。
先に短く結論を述べると、
本試験より難易度はやや下がるが、内容に大きな違いは感じない。本番対策として今でも十分使える。
という印象でした。
現在のTOEICと難易度に差はあるが、基本は変わらない
まずは、公式問題集5の私の得点をご紹介します。
この公式問題集には模試が二つ入っています。それぞれの点数は以下の通りでした。
テスト1
リスニング 100/100
リーディング 99/100 part7で1ミス
テスト2
リスニング 100/100
リーディング 97/100 part5で1ミス part6で1ミス part7で1ミス
最近の、私の本試験の結果を反映するような点数になりました(リーディングでミスが無くならない)。内容的に、現在のTOEICとの違いを大きくは感じませんでした。全体的に難易度は控えめですが、partごとによって難易度の差がある印象でした。
リスニング:難易度は控えめだが、内容に大きな差は無い
リスニングは2回分とも満点を取れているのですが、部分的に難しさを感じたところもあります。
part1は易しめでした。一方で現在の試験では、part1でかなりの難問が含まれる時があります。
part2の難易度は現在の試験と大差は無いと思いました。この公式問題集5でも、問題と答えに距離のある物が出てきます。例えば、
質問:昨日、会議で何が決まったのですか?
答え:私は昨日、出張で会社にいませんでした。
上記のような受け答えの問題が「距離のある問題」です。質問に対して答えがズレているので、現実世界ならば相手に怒られそうです。消去法で行くとこの答えを選ぶしかない、と言う解き方が必要で、これがpart2で結構出てきます。
この手の問題を解くためには、ある程度の慣れが必要です。公式問題集5のpart2では、それがある程度練習できると思います。
part3と4に関しては、かなり聞き取りやすかったです。ただ、本番と比べて難易度にそこまで大きな差は感じませんでした。私は本番ではもう少しミスが多いですが(平均で3~5ミスぐらいはする)、それは試験会場の環境による事が多いです。家でリスニング問題を解く場合と、試験会場で解く場合では、音源の聞こえ方がかなり違います(もちろん家の方が聞き取りやすい)。
ですので、例えば公式問題集5のリスニングを、本番と同様に大学の教室などで受けた場合、恐らく聞き取れない部分が増えると思います。この点に関しては、細部を聞き取る訓練を積むしかないと考えています。たくさん聞いて、短縮部分や音の消失部分の、推測が出来るようになることも大切です。
リーディング:part5の難易度は標準的。part7は文章量が控えめ。
part5の文法問題は、本番の難易度とほとんど変わらないと思いました。私は最近、part5を重点的に勉強をしているので、解答に迷う問題は各テストごとに2~3問ぐらいです(本番や通常の模試で)。そして、ミスをする場合は「文法のルールを間違う」というよりも「語法や慣用表現を知らなかった」という事が多いです。
今回のpart5でも、ちょっと迷う物が3問くらいで、表現を知らなかったものが1問ぐらいの割合でした。それ以外の問題は基礎的な知識を問う物だったと思います。ですので、本番の練習として十分使えますし、ミスした問題は繰り返し解く価値があると思います。
part6も本番とあまり変わらない難易度でした。
一方で、part7は明らかな違いを感じました。最近のTOEICは、part7の文章量が増えて、読み解く難易度も上がっている印象です。それに比べて公式問題集5のpart7は文章量に圧倒されることも無く、内容も素直に理解できる物が多かったです。
私は通常TOEICの問題を解く時、part7の後半まで解いたところ(180番くらい)で一度時計を見て、そのあとの時間配分を考える事にしています。今回、その段階で30分ぐらいは時間が余っていて、残りの問題を比較的ゆっくり解いて、5分余すぐらいで終える事ができました。
最近のTOEICでは、もっと追い立てられるような感じで、リーディングパートを解いています。今でも5分ぐらいは時間を余すようにはしていますが、心の余裕がだいぶ違います。単純に量が違いますし、難易度も上がっていると思います(試験ごとに差はありますが)。
公式問題集5は部分的に難易度が控えめだが、今でも十分使える
公式問題集の利用の仕方は色々あると思います。本番のシミュレーションとして使うならば、最新版(現在だと公式問題集9)がもっとも本試験に近いはずで、それが売れるのは当たり前だと思います。ただ今回の公式問題集5でも、最新のTOEICと内容的に大きな違いは無いと感じました。ですので、本番の練習として十分使えます。
繰り返し解いて勉強をするために使う場合でも、公式問題集5は十分役に立ちます。出版されてから4年が経過していますが、TOEICの範囲と傾向は、そこまで大きく変わっているわけではありません。
違いがあるのは主にpart7で、現在は文章量が多くなり、内容がやや難化しています。ただこれは、900点以上を目指している方以外は、あまり気にしなくてよい部分だと思います。初めの内はスピードよりも、正確に読むことに重点を置いて勉強をすべきです。初~中級者の方は、難しいpart7をやるためだけに、最新版の模試を買う必要は無いと思います。
という事で、公式問題集5は現在でも十分活用できることが分かりました。公式問題集の1から6あたりならば、中古市場やフリマで比較的安価で手に入るので、検討する価値があると思います。私も現在4と6を手に入れたので、やり終えたらまたレビューする予定です。
一方で、定価で買おうとすると、公式問題集はかなりコスパが悪いです。問題の質はもちろん良いのですが、解説が簡素なので不十分に感じる方もいると思います。特に初めてTOEICの模試をやる方には、例えば以下の模試がおすすめです。解説がかなり丁寧で、コスパも良いです。
おまけ:暗唱の課題として過去に公式問題集2をやりこんだ
公式問題集に関して私は、1~3までと、8をやったことがあります。中でも公式問題集2は、学習3年目の時に、暗唱の課題として使ったので思い出深いです。
リスニングが聞き取れないのをどうにかしたくて、part3と4の46文すべてを暗記したのですが、めちゃくちゃ大変でした。ただそのおかげで、その後はリスニングの点数がかなり安定して取れるようになりました。
負荷が高いので簡単にはおすすめできませんが、確実に効果は出るので、暗唱をやる価値はあると思います。特に、TOEICのリスニングは出題範囲や傾向が決まっているので、公式の音源を暗唱の課題に使うと、その成果をテストで感じやすいです。
個人的には、暗唱の段階で発音の訓練をしていなかったのが悔やまれます。現在はelsa speakというアプリを使って、効果的に発音学習が出来ています。ただ当時は、効果的な学習手段が無かったため、発音に関してはほぼ諦めたような気持ちになっていました。暗唱にはかなりの時間を費やしたのですが、適当な発音で発声していたので、かなりもったいなかったと思います。
発音学習をしていれば、暗唱をする際に、音源が頭と耳に定着しやすくなるハズです。また、暗唱が発音学習の復習にもなるので(発音を気にしながら発声する事になるので)、相乗効果が見込めます。さらに言えば、発音が良くなると、発声をするノリやテンポも良くなって、モチベーションが維持しやすいです。
ほんとに……、elsa speakを早くやっていれば、全体の学習効率をもっと上げられていただろうと思います。これから英語学習を始める方や、発音学習をやっていない方は、是非一度試してみる事をお勧めします。