短期的にTOEICの点数を上げたいなら、単語学習が一番効果的だと思う理由

英語上達完全マップに従うと、語彙の増強はだいぶ後になる

英文法から固めていくのが基本だけれど

私は現在、やり直し英語学習の8年目です。35歳で英語学習を始める時に、一番参考にさせて頂いたのが、英語上達完全マップです。書籍も発売されていますが、ネットで読めるもので十分だと思います。

完全マップでは、TOEICが700点代になるまで、語彙の増強(単語の暗記)は勧められていません。それよりも、音読と瞬間英作文に重きが置かれています。加えて、大学受験レベルの文法の問題集をこなすことによって、基礎的な文法力を身に着けることも、優先してやるように書かれています。

ちなみに、学習の順番や方法論よりも、結局一番大事なのは、継続して学習することだと思います。ただ、英語学習の初心者にとって、勉強の道筋がはっきりしていたほうが、モチベーションが上がりやすいのは確かです。ですので、完全マップは特に独学者にとって、非常にありがたい存在だと思います。

文法が身に着くまでには、かなりの時間がかかる

ということで、私は完全マップに従って、学習3年目の半ばまでは、単語の暗記しませんでした。ひたすら瞬間英作文と音読をこなしました。また、英文法の理解なかなか進まなかったので、問題集をやりまくりました。ちなみに文法に関して、完全マップでは、基礎を積んだ後に大学受験用の問題集を、2冊ほど完成させればよい、とあります。しかし私のような普通の人は、それでは全く足りないと思います。

学習には個人差がかなりあるので、完全マップに文句を付けるつもりはありません。ただ、完全マップに従って勉強をすると、学習のモチベーションの維持苦労する人が多いと思います。瞬間英作文や音読はいいとして、文法の勉強は初心者にとって結構辛いです。ですので、単語の暗記をもっと早くからやっても良かったのではないか、と私は思っています。今回はその理由を少し書きたいと思います。

大学受験の時に経験した、かなり割り切った英語学習方法

1年半で大学受験に間に合わせるための英語学習方法

私は高校時代、かなり英語が苦手でした。高校2年まで部活や課外活動に専念して、受験勉強はほったらかしでした。そして、2年の夏、部活を引退した段階で、学習塾に入ることにしました。その塾のやり方がかなり特徴的で、英単語の暗記に非常に重きを置いていました。

結果として、1年半、その塾に通うことで、私の英語の偏差値40代半ばから60ぐらいになりました。それを可能にしたのが、英単語の暗記です。文法はまともに勉強しなかったので、結局、完了形や仮定法、比較など、少し難しいレベルの文法事項は、大学受験の当日まで、あいまいな理解のままでした。

単語を知っていると、文章の内容を推測できる

それでなぜ、偏差値を上げる事が出来たかと言うと、英単語を知っているので、長文やリスニングの内容を、推測する事が出来たからです。私は読書が好きだったので、国語の成績、特に現代文の成績は悪くなかったです。つまり、英単語さえ分かれば、話の内容を日本語力で推測する事が可能でした。そのための訓練も、通っていたその塾でやっていました。

具体的にいうと、英単語は8割ぐらいしか分からず文法レベルの高い文章を大量に読まされました。その状態で、文章の内容を推測する、という訓練をしました。邪道かもしれませんが、確かに画期的な方法だったな、と思います。短期間で大学受験に間に合わせるには、実際かなり有効な方法でした。

これとは逆のパターンで、1年半かけて文法のレベルを上げても、単語力が無ければ偏差値はあまり上がらないでしょう。そこを見極めた上での学習方法だったのだと思います。

英文法は大切だが、それだけだとモチベーションの維持が大変

単語学習は勉強のペースメーカーになるのでおススメ

長期的に見れば、英文法を無視することは出来ません。というか、英文法を先に理解することが、結局は学習の効率を上げるのも間違いがありません。ですので、私はここで、英単語だけを勉強しよう、と言うつもりはありません。

ただ、学習の初期段階から英単語の暗記をすると、かなりのメリットがあると感じています。私の大学受験の例で分かるように、単語力があると、テストの点数が短期間に底上げされます。また、経験上、英文法が本当に身に付くには、かなりの時間を要します。それまでの間、TOEICの点数が低いままだと、学習のモチベーションが下がってしまうかもしれません。

ですので、王道(完全マップ)には反することになってしまいますが、文法はそこそこにして、単語の暗記に時間を割くのも、アリだと私は思います。特に学習初期のうちは、モチベーションが保てなくて、英語学習自体を辞めてしまう人が多くいます。そういう人にとって、単語の暗記は学習のペースメーカーになると思います。一日20個暗記する、みたいな形で目標にしやすいですし、達成感も得られるでしょう。

単語を暗記するときに、おススメの参考書(TOEIC向け)

同じ単語でも、複数の本で出合うと定着しやすい

私は上記の学習塾で「英単語ターゲット1900」という単語の本を徹底的に暗記しました。

偏差値60ぐらいまでの大学には、この本はちょうど良かった印象でした。社会人の方が、本当に単語力ゼロから始める場合、上記の本を最初にやるのもおススメです。ただ、既にある程度単語力があって、TOEICを学習の中心に据えるならば、それ専用の単語帳を使うべきだと思います。私がもし、学習初期から英単語に手を付けるとしたら、以下を選びます。

手始めに、これを9割以上覚えるまで徹底的にやります(すぐ忘れるけど気にしない)。次に、

同じシリーズのコレを9割覚えるまで繰り返します。金のフレーズは900点以上を目指す方の物のようなイメージがあります(個人の感想です)。ただ、初心者の人でも、難しい単語を知っているメリットはたくさんあるはずです。ですので、単語学習を上手く日々の学習に組み込めたならば、難しい単語帳をやっても、特に問題は無いと思います。そして、

めちゃくちゃ有名なDUOを、復習もかねてやるといいと思います。同じ単語でも、違う単語帳で出会うと、より記憶に定着します。ちなみに、DUOの簡易版であるDUOselectも良くできているので、先にそちらをやるのもおススメです。

最近は、良い単語帳がたくさん出ていますので、本屋さんで見て、装丁や中身のデザイン(割と重要)が気に入ったものを選ぶのも良いと思います。レビューなどを見て、よっぽど悪評がついていない限り、選んで失敗した、ということにはならないハズです。

単語を知っていると、英語学習の効率がよくなる

確かに単語だけでは点数は伸び悩むけれど

最後にもう一度強調しておきたいのですが、文法の勉強は必ずやることになります(発音も)。英語上達完全マップにも書いてあるのですが、TOEICで500点ぐらいを超えてくると、文法の知識が無いと、点数が伸びなくなるハズです。

ただ、単語の知識が豊富にあると、文法の勉強の時にも役立つことが多いです。なぜかというと、単語の意味を知っていれば、文章全体の意味が推測できるので、同時に文章の構造も推測しやすくなります。また、単語力を高めておくと、それが一つの自信となって、文法学習の時に心の余裕が生まれます。

ちなみに、多読の学習方法として、分からない単語は飛ばして読む、というテクニックがあります。しかし、やってみれば分かるのですが、単語の意味が分からないと、かなりストレスが溜まります。私はいまだに、英語の小説を読んでいて、文法の構造が掴み切れない時があります。ただ、単語の意味は分かるので、内容を推測することができます。結果として、読み続けるモチベーションを保つことが出来ています。そんな感じで、読書の時でも、単語を知っていると安心感があります

学習を継続するために、自分に適した方法を探そう

学習方法は個人の自由ですし、さまざまなアドバイスを上級者が出してくださっています。ただ、実際は学習方法よりも、毎日学習を続けることのほうが、ずっと大切で難しいことです。ですので、ご自分が学習を続けやすいと感じられる方法を、ぜひ探して採用するようにしてください。

私個人としては、学習の初期段階から、日々の学習に単語学習を入れることをおススメします。それが習慣化すると、メリットがたくさんあります。例えば、100個、200個覚えた、という成果がモチベーションの維持に役立ちます。また、TOEICの点数アップにも、学習初期には特に貢献するはずです。