最初の3か月の後、当分は大きくプランを変える必要は無い
前回は英語学習の最初の3か月について、継続することを一番の目的として、シンプルな学習計画をご提案しました。
学習を習慣化させることが、初心者の方には極めて重要です。そして、そこをクリアできれば、挫折の可能性はだいぶ減りますし、その先の景色も見えてきます。
最初の3か月を乗り切った後に、特別なにか新しいメニューを加える必要は無いと私は思います。せっかく勉強のスタイルが定着し始めているのですから、それを崩さない様にしましょう。前回ご紹介したように「瞬間英作文」と「発音学習」、そして「単語学習」を引き続き、コツコツと続けて行くことをおススメします。
「単語学習」は復習も含めて、永遠に続けて行く必要がある
英単語の知識はテストの点数に繋がりやすいです。ですので、TOEICや英検を目指す方は特に、毎日のルーティンに単語学習を組み込むことをおススメします。
私の場合は、学習3年目の時点で本格的に単語学習を始めて、現在まで毎日30分程度を単語学習に充ててきました。というのも、復習をしないと、覚えた単語をすぐに忘れてしまうからです。つまり、単語学習には終わりがありません。
ちなみに、今後トータルで、どれぐらい単語を暗記すればよいのか。目安としては、
中学レベル 2000語
高校レベル 5000語
TOEIC700点 7000語
TOEIC900点 9000語(上記のすべてを含んだ合計数)
ぐらいになると、一般には言われているようです。
確かに私の場合も、9000語までを復習を含めて徹底的にやった後に、TOEICで980点が取れました。途方もないように感じるかもしれませんが、毎日勉強を続ければ、当たり前ですが必ず到達できます。
単語の暗記も、最初のうちは結構ストレスが溜まるかもしれません。ただ、日々のルーティンにしてしまえば、悩む要素がほとんど無いので、ある意味自動的に勉強が進みます。結果として、一番負担の無い分野になると思います。単語力が付いてくると達成感も感じやすいので、時間を割く価値があります。
「発音学習」をどこまでやるかは、個人の裁量による
ある程度のレベルに達するまでは、集中した発音学習を毎日続ける必要があります。今回の私のプランでは、elsa speakという発音学習アプリを使う事をおススメしています。ただ、これである程度発音に自信がついたら、いずれアプリを離れても良いかと思います。
というのも、音読や瞬間英作文など、発声が伴う学習をするときには、同時に発音に気を払いながら勉強をすることになります。結果として、発音だけに集中して勉強をする時間は、そこまで必要ではなくなるはずです。
成人後にネイティブレベルを目指すならば、恐らく一生涯、集中した発音の練習が必要になるでしょう。ただ、そこへ到達するには、かなりマニアックな努力が必要になるハズです。ですので、ここは個人の好みによるところだと思います。
「瞬間英作文」で英文法を頭にしみ込ませつつ、問題集で知識を深める
瞬間英作文は3つのステージに分かれています。まずステージ1は基礎的な文法を扱った、非常にベーシックな文章を扱います。そしてステージ2では、文法の種類がランダムに出現して、少し複雑な文章に挑戦します。ステージ3は自由に選んだ文章で、応用を目指すことになります。ここまで到達すれば、英語の文章の作りに、だいぶ頭がなじんで来るはずです。
それぞれの、ステージに合わせた書籍に挑戦して行きましょう。それと同時に、英文法の知識を増やしていく必要があります。ですので、瞬間英作文にある程度慣れてきたら、中学生向けの文法の問題集を始めるのがおすすめです。
間違った問題を繰り返し解いて、全体の正答率を上げていきましょう。私の経験では、一冊の問題集を7周以上やらないと、正答率が9割を超えませんでした。9割ぐらいの正答率を得られるようになったら、次の問題集に進んでください。その繰り返しで、じわじわと文法の理解が進んで行きます。
一冊の問題集をクリアするごとに、知識の量が増えて行きます。文法に対して論理的な理解も深まるので、英語の文章が読みやすくなります。
3年間、毎日2時間の勉強で900点へ至る道(おおざっぱなイメージ)
学習には個人差がありますので、万人に正しい方法は無いと思います。また、ある程度学習が進んだ段階で、自分の好みに合った、モチベーションの維持しやすい学習方法も見つかるでしょう。ですので、最初からはっきりとしたプランを作ることは難しいです。
ただ、友人Hは900点を目指すと言っているので、今後の大まかなイメージがあると、モチベーションにプラスになるはずです。というわけで、かなりおおざっぱですが、それをここでご紹介したいと思います。
単語 | 発音 | 文法 | リスニング | スピーキング(時間があれば) | TOEIC模試 | |
最初の3か月 | 中学生レベル | elsa speak | 瞬間英作文 ステージ1 | |||
1年目 | 中学~高校レベル | elsa speak (どこかで切り上げる) | 瞬間英作文 ステージ2 中学生向け問題集 | 音読(初級) | ||
2年目 | 高校~大学入試レベル | 瞬間英作文 ステージ3 高校生向け問題集 | 音読(中級) リピーティング | 英語のハノン (初級) | ||
3年目 | ~TOEIC900点レベル | TOEIC向け文法問題集 | 音読 (TOIECの問題文) リピーティング・暗唱(できれば) | 英語のハノン (初級) | 解きまくる |
おおざっぱ過ぎるとは思いますが、だいたいこんな感じのイメージです。毎日2時間の勉強時間では、ちょっと時間が足りないかもしれません。特にリスニング関係には、もっと時間を費やしたいところです。ただそうすると、すべての項目がカバーできなくなりそうです。
隙間時間で多読もやりたいところですが、それも時間がかなりかかります。ただ、単語学習をしっかりやっていれば、TOEICのリーディングで点数は取れるようになります。さらにTOEIC専用の単語集を上手く使えば、効率よく点数を上げられると思います。
長くなってしまうので、それぞれの学習に必要な参考書はご紹介していません。もしご興味がある方は、私の今までの学習記録の方を、参考にしていただければと思います。失敗や不満点等もたくさん書いていますので、反面教師的に見て頂くのも良いかと思います。
毎日の勉強を続けさえすれば、確実に実力は上がっていく
しつこくて申し訳ないですが、一番重要なのは毎日の勉強を続けることです。方法はそこまで重要ではありません。例えば2時間の学習を3年間、本当に(本当に)続けることが出来れば、間違いなく、かなり実力が付きます。友人Hの場合、730点取れば会社から報奨金が出るそうですが、それは楽勝でクリアできます(本当に)。
ただ、今回のプランは、だいぶ効率良く勉強が進んだケースを想定しています。友人Hの場合、現実的なラインとしては、3年で800点ぐらい取って、せっかくだからもう一年頑張りましょう、と励ます感じになるかもしれません。
とにかく最初の3か月です。それが本当にキツイです。1年続けたとしても、何度も辞めたいと思う瞬間が訪れると思います。ただ、時間とともに学習のストレスは着実に減っていきます。そしてTOEICで900点を取るころには、学習自体が楽しくなっているハズです。実際に私も、今では英語学習が、むしろストレス発散の手段になっています。
やる価値はあります。