TOEIC900点を取った後、英検1級を目指すと学習効率が良くなる理由

英検1級はバランスの取れた目標になる

900点取得後の目標設定をどうするのか問題

TOEICで900点を取る事は、多くの英語学習者の目標になっています。個人的にも900点を取った段階で、リスニングとリーディングで一定の力が付いた実感がありました。ですので、TOEIC900点を目標にする事は英語学習において有益だと思います(ステータス的なメリットもある)。

ただ、900点を取った後に、その後の目標をどうするのかなかなかの悩みどころです。そのまま継続してTOEICの勉強を続けるのか、それとも英検1級をめざすのか。それとも試験の勉強は一旦中断して、自由に勉強を続けるのか。英語学習の目的はそれぞれ違うわけですし、選択肢は無数にあります。

私個人は英語学習を趣味で続けており、900点を取った後、英検1級を目標にしました。学習の参考にさせて頂いていたブログの方がそのルートを取っていたので、単純にマネをしただけなのですが、結果的に非常に良かったと思っています。

それにはいくつか理由があるのですが、ここでは主に3つ挙げたいと思います。

TOEIC900点の後に英検1級を目指すメリット3つ

①英語の総合力を上げる良いきっかけになる

②その過程で、TOEIC900点後半~満点を狙える

③英語学習の効率が上がり、選択肢も増えて楽しい

それぞれをもう少し詳しくご説明します。

①英語の総合力を上げる良いきっかけになる

TOEICはリスニングとリーディングのみの試験です(スピーキング&ライティングの試験もあるが普及していない)。900点を取ってある程度英語力に自信がついても、英会話が出来ないと、少し引け目を感じてしまうかもしれません。実際、「TOEICで900点をとってもしゃべれない人が多い」という話が語られる事は多いです。

ですが、実は900点を取る実力があれば、基礎の勉強は出来ていると言えます。その状態ならば、あと少しの訓練で基本的な英会話は出来るようになるはずです。その「あと少しの訓練」をするにあたって、英検1級を目標に設定すると学習を進めやすくなりますし、モチベーションも維持しやすいと思います。

英検1級の試験では、1次試験でライティングのテストがあります。そして、2次試験ではスピーキングのテストがあります。それまでTOEIC900点を目標に勉強をしていた場合、ライティングとスピーキングの経験がほとんど無い方も多いと思います。私もそのケースでしたが、最初はかなり不安でした

ほとんど経験の無い状態から、ライティングとスピーキングの学習を始めるのは、確かに簡単ではありません。ですが、英検1級のライティング・スピーキングで求められているレベルは、実はそこまで高くありません。900点を取得した学習者の方ならば「あと少しの訓練」で到達できるレベルです。

学習初期は多少困難を伴うと思いますが、同時に新鮮さも感じるはずです。ライティングとスピーキングの勉強で得られる経験は、当たり前ですが、リスニングとリーディングで得られるものとは違います。例えばライティングではより正確な文法知識が必要になりますし、簡単な英会話が出来るようになれば、あらゆる意味で世界が広がります

英語の初心者の方が、一から英作文や英会話を始める場合は、ストレスが大きいでしょうし、成果が出るまでに時間がかかるでしょう。しかし、TOEIC900点を取っている方ならば「あと少しの訓練」でたくさんの物が得られます。つまり900点は、英語の4技能へ手を広げる良いタイミングと言えるのです(逆に言えば、ここでやらないともったいないと思う)。

②その過程で、TOEIC900点後半~満点を狙える

私は学習4年目にTOEICで900点を取った後、約3年かけて英検1級に合格しました。そしてその約半年後にTOEICで990点(満点)を取ることができました。振り返ってみると、英検1級を取得するための学習が、結果的にTOEICの点数も上げてくれたと感じています。990点を目指す場合でも、決して遠回りにはならないと思います。

例えば語彙数に関して言うと、TOEIC900点を取るためには、10000語ぐらいが必要と言われているようです。一方で、英検1級の試験は語彙問題が最も難しいと言われており、約12000~15000語を覚える必要があります。

15000語まで覚えると、TOEICでは語彙で困ることはほぼなくなります。同時に文法や語法の知識も深まりますので、TOEICのリーディングパートで点数が取りやすくなります。リーディングパートでミスをしない事は、満点を目指す場合にも非常に重要になります(リスニングよりリーディングで満点が取りにくいため)。

ということで、TOEICを中心に勉強をしている場合でも、900点を取ったぐらいの段階で英検1級に挑戦すると、たくさんのメリットを感じられるはずです。スピーキングの勉強がリスニング力の向上に繋がったり、ライティングの勉強が文法の穴を埋めてくれることも多いです。

③英語学習の効率が上がり、選択肢も増えて楽しい

私は現在、4技能をバランスよく勉強しようとしています。その方が、結果的に英語力を効率よく上げる事が出来ると感じているからです。英検1級の勉強をしたおかげで、その事に気づくことができました。

例えば現在、英語のハノンをスピーキングの勉強のためにやっているのですが、これは同時にリスニングと文法の力もかなり上げてくれています。

また、英作文の勉強の為に、暗唱(とタイピング)をやっているのですが、自分の文法知識の足りなさを日々痛感しています。時制や冠詞などで、基礎の知識が抜けている事に気付いて、ネットで調べたり、文法書を読み返したりしています。

と言う感じで、4技能の勉強をバランスよくすると、他の分野にも相乗効果があります。結果的に学習の効率がかなり上がるはずです。加えて、学習方法の選択肢も広がるので、より楽しんで英語学習を進める事が出来るようになるはずです。

TOEICで900点を取って次の目標を探している方は、4技能に手を広げる良いきっかけになるので、英検1級の受験を検討してみて下さい。今までライティングとスピーキングに手を付けていない方は、初めは少し不安を感じると思います。ただ、ここまでくれば「あと少しの訓練」で、たくさんの物を得られます。学習のモチベーションにも貢献してくれるはずなので、ぜひ挑戦してみて下さい。