タイガー模試は難易度がかなり高めだが、質の良い問題が揃っているのでオススメ

part5で満点を取るために、効率よく学習が出来る

前回はTOEICのリスニング問題だけを扱っている、通称「ウルフ模試」のレビューをしました。

今回は同じ出版社から出ている、「TOEIC L&R TEST 990点獲得 Part 5 & 6 難問模試」、通称「タイガー模試」をやったのでレビューをしたいと思います。

この猛獣シリーズにはもう一冊、part7を扱う「ライオン模試」が存在しており、購入済みなので、そちらも終わり次第レビューをする予定です。

これらのシリーズに共通しているのは、本のタイトルにもある通り、難易度がかなり高いという事です。加えて、問題の質が非常に高いという事も共通しています。問題の質を維持したまま難易度を上げるのは、簡単な事ではありません。ですので、このシリーズはTOEICの上級者にとって、貴重な存在だと思います。

「タイガー模試」をおススメ出来る学習者のレベルとは

前回、「ウルフ模試」をレビューした時にも書いたのですが、TOEICで900点後半~満点を取るためには、高地トレーニングが必要になります。ただ、そのための教材は結構限られています。というのも、教材の製作者にとって、そのレベル調整がかなり難しくなるからです。

難問問題集を作る場合、TOEICでぎりぎり出るか出ないか、というレベルの問題を集める必要があります。また、恐らく本番では決して出ない難問だけれど、TOEICの延長線上に含まれるような問題も、多少含まれるぐらいが理想です。

そのような問題集を作るには、かなりの調整が必要になると思うのですが、この「タイガー模試」はそれを高いレベルで実現していると私は思いました。ちなみに、私が思う「タイガー模試」をおススメ出来る学習者のレベルは、TOEICの点数換算で、

「現在700点以下の方」には、あまりおススメできません

「現在700~800点代で、900点を目指す方」には、おススメできます。

「現在900点前後で、それ以上を目指す方」には、かなりオススメできます

「最高スコアが900点後半で、なんとか990点に達したい」というかたにも、かなりおススメ出来ます

前回レビューをした「ウルフ模試(リスニングのみ)」よりは、おすすめ出来る対象者の幅がやや広くなっています。というのも、リスニングは、自分のレベルに合ったものを繰り返し聞いた方が、学習効率が良くなると私は思っているからです。

「タイガー模試」は文法問題が中心ですので、例え難しすぎると感じたとしても、しっかりと復習をすれば、知識が身に付きやすいと思います。繰り返し解けば、不正解は順調に減らせるはずなので、そこまでストレスも溜まらないはずです。一方でリスニングで教材のレベルが合っていないと「どうしても聞き取れない」部分が残ってしまう事が多く、復習をする時にストレスが溜まりやすいです。

ただし文法問題が中心の「タイガー模試」も、解説が手取り足取りという感じでは無いので、初中級者の方にはあまりおすすめできません。解説を読んでも、間違った理由が分からない、というような事が起きてしまうと思います。

ですので、例えば中級者の方ならば、以下の「TOEIC L&Rテスト 文法問題でる1000問」などをこなして、それが9割以上解けるようになってから、難問問題集に挑んだ方が学習効率が良くなります

上記の本で間違いがほとんど無くなれば、TOEIC本番でも、part5のミスは多くても3つぐらいに抑えられるようになるはずです。そして、その残り3つの難問をクリアするために「ウルフ模試」のような、難問問題集を活用すべきです。

実際、私もそのようなルートを取ってきています。TOEICのpart5は30問ありますが、9割(27問)ぐらいは比較的早めに取れるようになりました(学習4年目ぐらいに)。ただし、残りの3問を確実に取ろうとすると、かなり大変です。文法知識を網羅しなければならないはずです。という事で学習9年目の現在、私はpart5の難問問題集をしらみつぶしにやっています

タイガー模試はどのように難しいのか

他の難問問題集(part5)に比べると、理不尽さは少ない印象

私は現在TOEICの満点を目指していて、part5の難問問題集も結構やってきています。例えば以下の本です。

これらと比べると「タイガー模試」はやや難易度が下がると思います。というのも、問題がTOEICにしっかりと準拠していて、理不尽に感じる問題がほとんど無いからです。加えて、問題の作りが丁寧で本のレイアウトも良く、非常にやりやすかったです(問題文の長さや、単語のチョイスが適切)。解説もたっぷりではありませんが、ピンポイントで必要十分な印象がありました。

私の「タイガー模試」の得点状況

「タイガー模試」にはTOEIC本番の形式と同じく、part5の30問part6の16問1セットとして、それが10セット含まれています。以下が私の得点状況です。

part5part6得点率
test15ミス2ミス84%
test24ミス1ミス89%
test37ミス0ミス84%
test42ミス1ミス93%
test54ミス1ミス89%
test64ミス0ミス91%
test71ミス0ミス97%
test84ミス1ミス89%
test92ミス1ミス93%
test102ミス1ミス93%

先ほども書きましたが、TOEICの本番では、毎回part5に難しい問題が1~3問含まれています。その難しい問題が、この「タイガー模試」には凝縮されているような印象を受けました。ということで、非常にやりがいがあります。間違えた問題はすべて、私にとって非常に貴重な復習ポイントになりました。

一方でpart6は、そこまで難しくなかったです。とはいえ、それなりに間違えていますが……。空欄に正しい単語一つを選ぶ問題で、ミスが多かったです(本番でもよくやる)。

具体的にどのように難しいのか(part5に関して)

問題のジャンルは多岐にわたっています。難易度が高くて、印象に残ったジャンルは以下のものです。

他動詞と自動詞の見分け(覚えるのがキツイ)

後置修飾の現在分詞と過去分詞(未だに迷う)

可算名詞と不可算名詞(見落としやすい)

個人的に本当にミスをしやすい所なので、難問をたくさんこなせて有難かったです。

解説のページでは、個々の問題がどのジャンルに属するのか、はっきりと明記されているのが分かりやすくて良いです。個人的には、語彙と語法の問題が多めのように感じました。また、すべてのジャンルの問題において、語彙や語法のレベルが高い印象を受けました。結果として、全体の難易度が高くなっていると思います。

絶妙なレベル調整がされているので、高地トレーニングにぴったり

という事で、この「タイガー模試」には、高地トレーニングにぴったりな、TOEICでギリギリ出るか出ないか、の問題がたくさん含まれています。また、決して出ないであろう物も少しありますが、それらを知っていることは、TOEICで点を取るために決して無駄にならないと思います。

TOEICで求められる以上の事を知っていれば、消去法で答えを選ぶときに、スピードを上げる事が出来ます。またpart6や7に知識を応用出来る時もあります。と言う感じで、TOEICの高得点や満点を目指す方には、「タイガー模試」はかなりおススメ出来ます。