基礎単語(0~3000語レベル)は専用に暗記する必要はないかも
英語上達完全マップによると、単語学習は後回しで良い
私は、学習初期に「英語上達完全マップ」に非常にお世話になりました。それによると、集中的な単語の暗記は、文法を中心とした基礎学習が終わったのちに取り組むべき、とあります。その理由としては、文法学習や音読をやっている過程で、基礎的な単語は覚えてしまうから、という物でした。
英語上達完全マップに従って勉強をする場合、学習初期に中学・高校レベルの文法の問題集を徹底的にやる事になります。すると、このレベルに必要となる英単語には何度も出会うことになります。結果的にそれが基礎の単語学習になる、というわけですが、確かに私もその効果は感じました。
英語上達完全マップに従った結果、私が集中して英単語の暗記に取り組んだのは、学習3年目の半ばからです。
このタイミングで単語の暗記を始めるのは、だいぶ遅いと思われるかもしれません。確かに、中学・高校向けの英文を読むためには、基礎的な英単語の知識は不可欠です。たとえ文法の学習の過程で覚える、と言われても不安に感じる人も多いと思います。未知の単語に出会ったときに、いちいち調べていると、時間のロスにもなる可能性もあります。
ですので、英語学習をまったくのゼロから始める方は、学習初期から単語の暗記始める、というのもアリだと私は思います。私の場合は、大学受験の時のわずかな記憶で、少しだけ英単語を覚えていました。そのおかげで、基礎単語にある程度対処できた、という事もあります。高校3年の時に徹底的に暗記したのが、以下の本です(シンプルで良い本です)。
完全マップに反することになってしまいますが、個人的には、単語学習を英語学習の初心者の方におススメしたいです。なぜなら、単語の暗記は毎日の学習ルーティンに入れやすいからです。毎日50個暗記する、みたいに区切りがつけやすいので、学習のペースをつかみやすいです。ある程度単語のストックが頭に出来ると、達成感やモチベーションにもつながります。
中学・高校の単語を網羅すると、だいたいsvl3000語レベルに達する事ができます。この「svl」とはアルクという出版社が提示している、英単語の難易度の指標です。アルクはそのリストをもとにした書籍(究極の英単語シリーズ)も出しており、これが3000語・6000語・9000語・12000語の4冊に分かれています。ちなみにsvl6000語でTOEIC600点レベル、slv9000語で900点レベルぐらいと言われているようです。
後述しますが、この書籍は英単語リストとしては優秀なのですが、暗記には全く適していません。3000語までの学習をしたい方は、この書籍ではなく、中学・高校生向けの単語帳をやるのが良いと思います。
svl3000~6000語レベルはDUOがオススメ
私の場合は、学習3年目の半ばでようやく文法の学習に区切りがついたので、単語学習を始めました。その時使ったのが有名なDUOという本です。
この本はかなりおススメです。非常に洗練された例文を通して、単語を覚える形になっています。そのおかげで記憶に定着がしやすいですが、例文の意味を理解するためには、しっかりした文法の基礎知識も必要です。これが、完全マップにおける、単語学習よりも文法を優先せよ、という根拠にもなると思います(文法を知っていると全般的に捗る)。
この本を終えると、SVLの6000語レベルぐらいまでを暗記をしたことになるようです。DUOを終えたらTOEICの点数が急上昇した、という話もよく聞きます。私の知っている人だと、「大学受験レベルの文法+svl6000語」までを学習した時点で、TOEICで700点後半を取った人がいます。つまりsvl6000語レベルは、TOEICを受験する方には必ず必要な語数、という事も言えると思います。
上記の本「svl vol.2」がsvl3000語~svl6000語のレベルに該当します(内容的にはDUOと被ることになる)。ただ、先ほども述べましたが、このSVLは単語のリストとしては優秀なものの、書籍のレイアウトがあまり暗記に適した作りになっていません。ですので、学習者がこの本を使って単語を網羅的に暗記したい場合、いろいろと工夫をする必要があります。
書籍だけで暗記をするのはあまりおススメしない(支障があるケースが多い)
私はDUOの勉強を終えた後、復習もかねて上記の究極の英単語vol.2も使って、単語の暗記をしました。ただ、書籍単体で英単語を覚えようとすると、いろいろと支障があります。もっとも大きな問題が、単語の並び順を変える事ができない、という点です。書籍を使っていると、単語の並び順や、ページ内の単語の配置まで覚えてしまいます。そのようなオマケの情報を手掛かりにして、単語の意味を推測してしまう事が多発しました。これでは本当に単語の意味を覚えた事にはなりません。
ということで、私は究極の英単語で、意味の取れなかった単語をリストアップして、それを紙の単語帳で覚えることにしました。今考えると、この時点でアプリのAnkiを選択していれば、かなりの時間が節約できたと思います。ですが当時は眼精疲労が酷かったので、紙の単語帳を選択しました。
結果的に、svl12000語と、その後の15000語に至る現在まで、紙の単語帳を使う羽目になっています。これから学習をされる方は、特に理由がなければAnkiなどのアプリを使うことをおススメします。紙の単語帳にもメリットは多少あるのですが、作成の手間がすごくかかるのであまりオススメできません。以下はその手間を説明した記事になります。
TOEIC900点を目指すなら、svl6000からsvl9000語レベルは必須
TOEICの900点を目指すならば、vol.3までの単語(svl6000からsvl9000語レベル)は必須と思われます。実際に勉強した感覚で言っても、9000語までやるとTOEICで分からない単語はほぼなくなります。ただ、やはりこの本で暗記をするのは大変なので、TOEIC専用の単語帳で勉強をするのも一つの方法です。例えば以下の本が非常に有名です。
この有名な単語帳をやると時間の節約になると思います。ただ、この本は単語が厳選されているので、当然svl9000語レベルの単語を網羅する事は出来ません。単語のレベル的に、ギリギリ900点取れるかどうか、という範囲に抑えられています。ですので、長期的な計画で900点を確実に取りたかったり、それ以上を目指す場合は、やはりご自分で単語を暗記するシステムを確立することをおススメします(アプリを使うか、複数の書籍をやるなど)。
単語の暗記がルーティン化されていればsvl12000語も怖くはない
svl9000からsvl12000語レベルの単語は、ほぼTOEICには出てきません。ただ、このレベルの単語をやると、英単語全体への理解が深まるので、決して無駄にはならないハズです。具体的に言うと、単語の派生形(形容詞・副詞)を大量に学ぶことができます。すると、それが他の単語の復習にもなります。
派生語の例
respect(動詞)respectfully(副詞)respectable(形容詞)rescpetful(形容詞)
このように、respect+ful +fully +ableのような形で語彙を増やすことが出来ます。また、respectに関連する単語の、全体のイメージも深まって行きます。
また、多読をしていると、例えば児童向けの本でもsvl12000語の単語は出てきます(ネイティブ12歳で15000語ぐらいとも言われている)。
ということで、このレベルは、TOEICの900点後半を目指している方には十分おススメ出来ます。また、英検の勉強している方も、準一級・一級でこの範囲が必要になってきます。
日常的にほとんど使わない単語を暗記するのは、結構大変なことです。ただ、ここに至るまでに単語学習のスタイルを確立することが出来ていれば、そこまで苦痛にはならないはずです。慣れてしまえば割とストレスが無く学習できる分野だと思います。
そういう意味でも、毎日のルーティンに単語学習を入れることはオススメできます。どうしても勉強したくない日に「とりあえず単語学習をやろう」みたいな感じで、モチベーションを奮い立たせるきっかけにもなりやすいです。
12000語~15000語をやると、英検1級の単語問題で点数が取れる
svlは12000語までなので、svl15000語は実際には存在しません。ただ、英検1級の単語問題に対処するには、実質svl15000語レベルまでを覚える必要があります。そこで、独自にsvl15000語レベルのリストを作ってくださっている方がいます。
この本の著者のなりしかさんは、こちらのサイト「英語上達完全マップを10ヶ月やってみた」でも有名な方です。私も大変お世話になりましたが、かなり優秀な方(学習ペースが速すぎる)なので比較して落ち込まないようにご注意ください。
上記の本で、svl12000~15000語レベルの単語リストを知ることができます。抽出方法はなりしかさんのサイトに説明がありますが、かなり科学的な方法で作成をされているので信頼が出来ます。ちなみにこの本のシリーズは、なんと35000語レベルまで扱っています。
上記の本を使って、15000語レベルの単語を2周したところで、英検1級の単語セクションで8割ぐらいは確実に取れるようになりました(それでも8割なのが恐ろしいですが)。また、TOEICと英検1級のリーディングで、知らない単語が出てくることがほぼなくなりました。試験の単語に関して不安が無くなるので、このレベルまで勉強するメリットはかなりあると思います。もちろん労力はかかりますが、やりがいもあります。
現在私は15000語の復習4回目を終えたところなのですが、当分はあまり新しい単語を追加せずに、復習に専念する予定です。というのも、穴の開いたバケツのように、覚えた単語をものすごいスピードで忘れて行っているからです。それと、英語圏に住んでいない非ネイティブの場合は、語彙を増やすよりも、使用している単語の理解を深めた方が、学習の効率が良いだろうと現状では考えています。